将棋インターネット対局

   

私は将棋が好きだ。と言っても人と将棋を指すことはもう何十年もない。20代の頃は、渋谷にあった確か「竜王」とか言った将棋道場によく行った。何故あんなに時間があったのだろう。千駄ヶ谷にある、将棋連盟にも何度か行った。もちろん将棋は子供の頃から良くやっていた。おじいさんはお寺で碁会を開くぐらいの人だった。田舎ではそんなことがイベントだった。将棋を教えてくれたのは、そのおじいさんである。碁も教えてくれたのだが、私には将棋の方が、向いていた。向いていたからすぐ強くなった。お風呂の中で、駒無しで将棋がさせた。今は駒無しでは難しいと思うので、子供の頭は又別だと思う。人と指す暇はないのだが、東大将棋6と指す。良い勝負だ。勝ったり負けたりぐらいだ。今や将棋ソフトは、プロに正式に勝った事もあるレベルに達している。なぜか囲碁は弱い、弱いアマチアでも面白くもない。何故これほどに違うのか、ゲームの構造が違うと、あれこれ研究されている。

人と指すよりゲームソフトのほうが面白いというのも、実に変だ。ともかくソフトの方が強いからいい。機械と必死にさしても、頭が煮え立つようになる。いまやボケ防止のようなものだろう。私が負けるのは、ほとんどの場合、操作ミスだ。マウス操作で違う所に駒を落としてしまう。もちろん違うボタンを押して負けてしまうこともある。それでもやり直しがないので、あるのかもしれないが、その機能がわからない。まぁー負けになる。機械に負けても少し悔しいが、人に負けるほどではない。この負けたときの姿というのが、なかなか面白いもので、プロの対局でもこの検討場面はすごい。一言も口を開かない人も居る。そこだけ見ると、どちらの人が勝ったのか分からないほどの、立派な態度の人が居る。勝って誇らず、負けて悪びれず。こうありたいものだが、私などは機械に勝って誇るぐらいだから、朝青龍を悪くは言えない。勝つとざまー見ろ、強いだろうとばかり、大いばり。負けると舌を出す。いまだ、木鶏にあらず。

実は、その将棋界の双葉山にあたるのが、羽生善治氏。何しろこの人は現在1406 回対局して1023 回勝利した。勝率が 0.7281 。この記録はずば抜けていて、他に類する人すら居ない。あの大山康晴という人が、過去では一番強かったのだが。その人に中学生の時公式戦で勝利した。その後の大山名人の見苦しい態度は目に余った。うっかり負けたと言い張り続けた。将棋が強いからと言って、人間的に立派とは限らない。今の将棋連盟の会長は米長何がしという人で、何しろ石原慎太郎の信奉者で、将棋界の専制君主と成っている。それ以来、プロの将棋は嫌いに成り、ほとんど興味が無くなった。あんな人間を選挙で選ぶようでは、将棋界はダメに成るに違いないと思っている。話がそれた。羽生氏は人間的にも実に立派な人だ。大山名人に勝った中学生は既に謙虚だった。もちろん中学生の時から、プロだったのだ。

その羽生氏が、ネット将棋で反則負けになった。将棋の盤面は中盤で、やや羽生氏有利というところ。画面に思わぬ、表示が現われたそうだ。慌てて消したので、何の表示か分からなかったが、何か操作を要求されたらしい。その現われた表示を次々に消して、盤面を表示して、指し手をクリックして、確認のボタンを押す。これで30秒を越えたそうだ。これはいかにもありそうなことだ。将棋連盟のパソコンで指していたので、このパソコンがおかしかったのかもしれない。調べたが分からない。どうもこういう形では、ネットでプロが公式戦を指すのは、不備が多い。私などは負けるときは大抵が操作ミス。羽生氏の発言は「こんな形で反則負けをして申し訳ない。操作をもっと勉強する。」突然、ウイルスバスターが作業を開始する事がある。こういう時操作が遅れるのは、対局者の責任だろうか。羽生ファーンとして、この1敗は語り草の記念として我慢しておこう。

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