箱根旧街道を歩く
小田原に来て、10年にもなるのに、箱根の旧街道の道を歩いた事がなかった。一度は歩いてみようとは思っていたのだが、なかなかその機会がなかった。私が住む舟原から箱根に登るには、宮城野に直接出る道がある。強羅、彫刻の森の辺りに出る。こちらは歩いた事がある。ほとんど人の通らない道だが、裏道を抜ける車が、時折すごい速度で通り抜ける。舟原からしばらくは杉の植林の中を歩く道で、視界がない暗い道だ。新しく出来た林道と合流する辺りまで登ると、小田原側が海まで開けて、それは足柄平野が一望できる。舟原は正に眼下の一番奥の集落で、私の家も摘まめるように見える。時折、声がすぐそこのように響いて聞こえる。この辺りに、小田原市のキャンプ場「青少年の家」がある。ここは通年利用できて、なかなかの施設なのだが、ほとんど利用されていない。明星岳へ続くの尾根を越えると、今度は、駒ケ岳のなかなかの姿が、見えることになる。
箱根小田原間は箱根駅伝で著名なように、20キロ少しとなる。選手は1時間20分とかで駆け抜けるのだが。普通に歩けば、4時間ほどの距離だ。今回は、9条世界会議に向けての、プレイベント「ピースウオーク」の下見を兼ねてのハイキング。聖パウロ教会の修行所が4月22日の宿泊予定地。先ずここの位置を確認して、小田原までのコースを歩いてみようと言う事になった。Gさんの呼びかけで、Tさん(細かな報告があります。)と私が同行した。最初、話ではカソリックの収容所と聞こえたので、妙なイメージがあったが、少し大きめの別荘のような建物だった。ここを朝8時30分に出発する。私たち3人は小田原から、9時10分のバスで向かった。双子茶屋のバス停で降りて、パウロ教会を確認して、現地を歩き始めたのが、10時10分。そこから、湯坂道を通って、畑宿に出ることにした。所がこの道が予想外に荒れていて、使えないことが確認できた。でもなかなかの道で、途中飛竜の滝などなかなかの見どころもある。芦の湯の最終処分場からの、処理水がこの沢に流れ込んでいて、畑宿の簡易水道もここからの水は使わなくなったと聞いた。
当日は甘酒茶屋周りで下った方がいいようだ。出来れば旧街道をどこかで通ってもらうのが、いいのではないか。と成ったが。いずれ、情報をお届けして、判断は歩かれる皆さんに決めてもらおうと言う事になった。何処を歩いても、4時間はそうは違わない。旧街道らしい昔の面影が残っているのが、畑宿より少し下の、須雲川に沿った辺りのようだ。奥湯元の天山の湯を過ぎた所から、温泉街を通り、湯本駅に出る道が、安全で良い。ここには今すごい賑わいの箱根暁庵がある。そこで昼ごはん。蕎麦らしいそば。とろみの利いた、クセの強い蕎麦屋だ。広尾にもあるが、どこか田舎風の蕎麦だ。店構えは軒先を張り出したような、簡易なもので、どこかの駅前の売店という風で、やたら凝る店が多い中では、案外安普請が気楽。豆腐も売りでセットになっているが、私はそばとの組み合わせは嫌だ。昼時はさすが混んでいて、外で並んで待っているから、落ち着いて食べても居られない。
湯本から先は、できる限り裏道を歩いた。これがなかなかいい。暮している人が、道を大切にしているのがわかる。山崎の集落も梅などのどかに咲いて、野菜があちこちで売られている。入生田では長興山。この山門辺りでは、昼食も食べれそうだ。反対側の、地球博物館の前庭も昼食を取るにはいい。昼食といえば、雨の事を考えると、郷土資料館を借りておければいいという意見が出た。箱根湯本から、小田原までは一時間。8時30分に出て、12時30分には着くことになる。再確認した小田原の魅力はお城までの裏通りにあった。風祭の裏道。板橋の裏道。なかなかの風情だ。箱根の山道うねうねの見通しの利かない国道を通ると、歩道が無く危険。これを上手く回避しながら、歩くルートを決めたい。久し振りに歩いたので、翌朝足が痛いというようなことになるかと思ったが、いつもと変わらないのでホッとした。