患者一律救済へ

   

C型肝炎訴訟で、福田首相が良い判断をしてくれた。判断が遅れた理由とか、何故議員立法でやるのか、裏がないのか、心配なところはあるが。これで少しでも患者の皆さんが、明るい気持ちで年を越してもらえる、良い決断をしてくれた。福田首相はこの問題では当初より、一律救済したい意向と噂されていた。2001年7月のハンセン病熊本地裁、患者側全面勝訴判決を受けて、控訴する意向だった、国の方針を変えたことには、福田氏の意向が働いたと言われている。その線から考えても、患者の立場を大切にするはずと期待していた。支持率の回復の為だから、おかしいと言う論調もあるが、それだけ国民の意向を大切にすると考えれば、悪い姿勢ではない。

薬害肝炎リスト放置問題で、厚生労働省の調査プロジェクトチーム(PT)は11月30日、患者に告知しなかった5年前の同省や職員の対応について「責任は問えない」とする最終報告をまとめた。PTの責任者、西川京子副大臣は会見で「職員に隠蔽(いんぺい)の意図はなかったが、文書管理は極めてずさんだった」と述べた。これが厚生省の姿勢だ。早く伝えれば、命を救えたかもしれない事件だ。それを理解できない職員がいたとしたら、一体厚生省の意識レベルはどこにある。防衛省でも、インド洋給油量の間違えが、イラクの作戦に参加できないとした、国会答弁につながった。これも、隠蔽する意図はなかったとなっている。法律で問えるかどうかで無く。常識的に推測すれば、隠しておいたほうがいいと判断した。役人がいたと、見るのが当たり前だ。穿って考えれば、厚生省の為に、良かれと判断をしてくれた職員を罰することはできない。と言う事じゃないか。

7月の参議院選挙のとき、5000万件もの統合されていない年金記録の、整理統合がいつまでに出来るかが、問題化していた。自民党は年度内には何とかできると明言した。出来る訳がないというのが大方の意見だった。にもかかわらず、当時の安倍総理は、最後の1人まで、年金を正す。と何度も叫んでいた。福田首相は公約違反というほどの事はない。とか、公約といほどのものか、その辺を忘れていたなど、すかし戦術の失敗で失速した。公的年金の無年金者が、推計で118万人に上ることが、社会保険庁の調査でわかった。 現時点で納付期間が25年に満たず、今後、保険料を支払わなければ、無年金者となる人は、60歳以上で37万人に上る。このため、最大で155万人が無年金者となる可能性がある。これが日本の年金の実態だ。こんな信頼感のない、体たらく状態では、年金の不払いが増加するのも当然のことだ。そこで、出てきたのが、税で補填する年金制度だ。この場合企業の半額事業者負担の、厚生年金も、一律免除になるのだろうか。

患者の皆さんの一律救済の手法は、議員立法と言う事になりそうだが、何故政府が発議しないのか、その理由が良く判らない。国の責任を国賠法で処理するとすれば、国が起こした過ちに自己矛盾が生じないだろうか。水俣病訴訟においては、国はその責任を一律には認めていない。今回のように原告団が団結して和解交渉に当ることが出来なかったこともあり、一部和解、一部訴訟継続と、未解決患者が存在している。今回の一律救済法案は、年内に法案の原案を作り、来年14日までの会期末までには、成立したいとしている。もしかして、国会会期の延長と絡ませようという意図はないか。インド洋給油と絡ませようと言う意図でないといいのだが。

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