卵とアトピー

   

アトピーの原因が卵と指摘される人は多い。私のところでも、自然卵ならアトピーが起きませんかという、電話や手紙が時々ある。「もし本当の卵アレルギーなら、どんな卵でも同じです。」と答えるしかない。所が、玄米卵ならば、食べても大丈夫と言う人は、確かにいる。だいぶ前になるが、ひどいアトピーのいとこが、人体実験をかって出てくれたが、確かに玄米卵では大丈夫なのに、スーパーで買った卵では、全身にアトピー性皮膚炎が広がった。繰り返しても同じ結果になった。心理的なものなのか、何か含有物に異なるものがあるのかは、不明だ。そうしたことは確かに起こる。と言って、よくある広告のように、「自然卵ならアトピーの子供でも食べれます。」などと書けば食品偽装だ。卵の白身に含まれる蛋白質オボムコイドが原因して、アレルギー反応が起きている。卵アレルギーならどんな卵でも同じだ。昔はめったに無かったのに、何故、増え続けているかといえば、環境の複合汚染や社会の複雑化で免疫力の低下が起きているのが、主要因と考えられる。

免疫学は難しい。どうも哲学的、全体的で、人間の内部的そのもののようなもので、そのスーパーシステムの解釈にかかわってくる。「どうもそれはいただけない。」と体が反応している訳だ。牛乳や卵の蛋白と言うのは、身体が取り入れやすい形をしているはずだ。つまり幼態という、まだ体験のないものが摂取しなければならない。百戦練磨の兵でなく、初年兵だ。初めてのものが取り入れる食べ物は、人なら母親のお乳である。鶏なら、白味や黄味だ。だから、間違っちゃいけないように出来ている。だけれども、そうしたたんぱく質は、他の生き物にとっても取り入れ易い側面もある。そこで、「間違っちゃいけないよ。それはお母さんじゃないよ。」と言う黄色信号が出る。これが免疫反応。しかし、この枠を超えてしまえば、つまり免疫力が出来てしまえば、平気になって、猿の子供を犬が育てることに成る。自然界ではめったにあっては困ることなのだ。

「自然卵なら大丈夫」の原因の多くは、卵アレルギーではなく、卵に含有する、他の、例えば飼料にある、保存料やら、金属類だったり、薬剤の事が原因の場合だ。めったにないだろうが、ひどい場合は抗生物質の事も考えておいたほうがいい。食べ物はあくまで自己責任。自分の身体の事。何にしろ、その生産過程が見えないものは出来る限り食べない方がいい。そんなことは出来ないのが普通だろうから、食べるものは、一期一会で、全てを託す以外ないものという認識。私は牛乳がダメだ。牛乳を強制されて苦労した。牛乳が健康の元だと、そう思っていた。何故こうもお腹が痛くなるのだろうという、長い間無駄な苦労をした。飲んでいれば免疫が出来ると、親類の医者が、更に進めるので、いよいよ拍車がかかったが、ついにダメだった。卵がダメなら食べないほうがいい。

しかし、最近は小麦アレルギーとか、お米アレルギーとか、これでは暮せない。と言うほどの状態の子供もいるようだ。それは本当につらいものだ。一緒に暮していた、いとこが、余りに辛いので自殺しようとした。真剣に話し合って止めたことがある。他人事で無く考えて来たつもりだ。大人になった今はすっかり元気になって、あれほどのアレルギーが良く治ったと思うほど、病気の痕跡もない。病気で周りの者にできることは少ないのだが、免疫力形成には、ストレスと言う要素も大きいらしい。せめて、落ち着いて、治療い専念できるような環境を作ること。卵だけを避けるのでなく、食べ物全体に細心の注意を払うこと。総合的に健康な身体を作り出すこと。落ち着いた安定した精神的状態の形成のための修養をすること。免疫力強化の総合的対策が大切だと思う。

 - 自然養鶏