民主党の農業者所得補償法案
どのようなものになるか、非常に注目している。21日新潟で、今国会に提出すると発表した。それなら、どこかに原案はあるのかと捜したが、ついに判らない。こういうところが相変わらずだ。この法案は国民に向けて、出す側面が強い。もしかしたら、衆議院で紛糾して、解散になる可能性も高い。ただでさえ、参議院選挙の際に、ばら撒き農政の再来だ。と散々批判された。衆議院選挙でも、相変わらず、抽象論議の範囲から出ないなら、民主党は見限られるだろう。今国会に出すなら、国会は始まっている。自民党の総裁選報道に埋もれている中で、唯一、顔が見えた、一番注目された、昨日の会見で法案を出さなければいけない。この辺の政治感覚が、いかにも遅れている。近々に、などという前振りは要らない。私は民主党支持ではないが、今の情勢では、民主党にがんばってもらうしかないのだから。
新聞報道の範囲で、民主党の農業者所得補償法案を見てみる。米や麦、大豆、菜種、てんさい、でんぷん原料用ばれいしょなどを対象に、標準的な販売価格と生産費の差額を、生産農家に直接補償するという。野菜が入っていない。これを文字通りと理解すれば、大規模農家だけを救済すると言うのと少しも替わらないだろう。自民党は面積的に4ヘクタール以上を認定農家として、残そうと考えている。すでに幾つかの優遇措置が行われている。民主党は、作物別に米や麦、大豆、菜種、てんさい、でんぷん原料用ばれいしょなどを生産した場合、「生産費を各地域で、算定し」実際との取引価格で、マイナスが出た場合、そこを補填しようという考えらしい。各地域で算定する生産費がどうなるかが、大問題だろう。小規模農家は生産費がかかる、辞めていく農家だ。中山間地補償農家は、まだ他の救済がある。普通の小規模農家はこれでは、やはり振り落とされる。
法案の細部まで判らないままこれ以上書くのは、良くないが、民主党のホームページにも掲載しない以上仕方がない。この法案が自給率50%を目指すことに繋がるなるのか。米で考えて見る。米の価格補償は戦後一貫して行われていたことだ。米価算定というと、農協がムシロ旗を建てて、国会に押し寄せた。これに対して、消費者が何で日本の米は諸外国に較べて高いのだ。政府買い取り価格を削減をしろと、世論が怒りに燃えた。田中内閣の頃だ。米余りで減反も始まる中、税金で価格補填をするなど出来ないと言う事になったのだ。これで農家は減少の時代に入った。民主党のやり方では振り出しに戻るだけだ。
頑張る農家は、直接販売の為に、少しでも高値で売るために、栽培法や、味や品種、あるいは精米法、保存法、有機栽培など、工夫して、自立した農業を模索している。それを農協出荷の、一律と同じというのでは、悪平等に又戻ってしまう。農家の努力が報われる形をこの法案は、何か提案しているのだろうか。お米なら全て同じでは、米作り日本一は生産量だけという、かつての間違いに戻る。
ではどんな法案がいいか。実はこれがない。基本の建て方が間違っている。食料を他の生産物と同じに考えている経済の中では、解決法はない。食料は生きる原点だ。暮らしを支える基本だ。これは日本国民である以上、国に保障されたものだ。基本的食料は輸出入を禁じるべきものだ。その土地からできる限り動かさない方が良い。食料の生産力に人口の方が従うべきだ。具体案としては、価格のない、「自給農業の推進」これが日本の活路になる。