人類の起源はアフリカ

   

現代人(ホモ・サピエンス)の祖先は10万-20万年前にアフリカで生まれ、その後各地に渡って旧人と代わっていったとされる「アフリカ単一起源説」を、埴原恒彦・佐賀大医学部教授(形質人類学)と英ケンブリッジ大の研究グループが、世界中に保存されている6000以上の頭蓋骨の標本を計測して証明した。
10万ー20万というのが、幅が大きすぎるが、16万年前辺りと考えればいいようだ。人類の起源がアフリカにある。と言う事は、ほぼ定説になってきている。それで思うのは、私たちも元は黒人だった。様々な人類はアフリカで誕生して、世界に散らばっていったらしい。なぜアフリカだけが、新しい人類発祥の地になるのかはわからない。ジャワ原人、北京原人などはアフリカに起源を持ち、アジアに進出して絶滅したホモ・エレクトスの一種で、彼らが現在のインドネシア人、中国人の祖先というわけではない。

原人ホモ・エレクトスは180万年前ころに登場する。その前は猿人。その後が旧人。そして今が新人。我々は人類としては、どんなツワモノノも新人として登場している。原人はアフリカを出て(第1回目の出アフリカ)、アジアでも繁栄した。ジャワ原人や北京原人たちである。ジャワ原人は1万8000年前まで生存していた。2回目の出アフリカが10万年前に起こる。アフリカを出た新人類は1万2000年前に南米の南端に達する。8万年以上が経過して地球上全てに広がる。この新人類は知能が高く、環境対応力に優れていたようだ。日本列島に新人たちが現れるのは、およそ4~3万年前のこと。この時期には、氷河期の海面低下の影響で、陸地が拡大し、大陸との間の海峡が非常に狭くなった。列島に現れた日本人の祖先たちは、どこからやってきたのか。

柳田南方説や、北方騎馬民族説もあるが、ここで言う4万年前に来た日本人と、今いる日本人が同じ系統とは限らない。動物が移動すると言う事が何故起こるのだろう。犬なら犬が、そこに居ればいいものが、何らかの理由で世界中に広がってゆく。広がって消える。と言う姿が生命の宿命なのかもしれない。日本に来た4万年前には黒人だったのだろうか。もう茶色ぐらい迄、脱色していたのだろうか。日照が減ると白くなって行く、と言うのはモヤシの様で、分かり安いが、黒いままでも良かったと思うが、そうでもないという辺りが面白い。

では稲作はとつい考えてしまうが、これは先日行ってきた長江付近で、1万2000年前始まる。と言う事になってきた。縄文晩期6000年前の稲プラントオパールが岡山の朝寝鼻貝塚の土の中から、見つかっている。これは何と、三内丸山遺跡5000年前の縄文遺跡より、古い事となる。三内丸山では栗の栽培があったと言う説が出ている。今や晩期の縄文人も農耕をある程度していたと考えたほうがいいのだろう。どんなことも、伝わってきた物だ。人類の放浪の途上、日本列島にたどり着いた、一派なのだろう。それは、縄文人辺りも、すごく移動しているようで、定着すると言う事より、放浪すると言う姿の方が、普通の形なのかもしれない。それが、耕作が始まると言う事で、定着が始まる。放浪したくなるが、離れられない。養鶏を初めて出かけられない私と一緒だ。農耕文明はアフリカからの放浪の旅の、終着点だったようだ。

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