田んぼのおもしろさ
2016/08/10
野菜、果樹、等色々作物はあるが、田んぼほどおもしろいものはない。最近冬水田んぼの話を聞く機会が多いい。環境調整能力というか、多様性の保全に冬水田んぼがいいという話だ。布マルチの話も何度か聞いた。不耕起田んぼの事、直播田んぼ、ひこばえ農法というのも聞いた事がある。棚田という環境そのものの保全という活動も多いい。ともかく耕作法が多用だ。しかも様々な角度からのアプローチがある。体験型農業というと、田んぼが多いい。田んぼでの活動が基本になって広がってきたのは、農の会も一緒だ。色々の条件から、みんなでやらざる得ないというところがおもしろい。稲のように、多様さに対応できる作物も少ないだろう。奥の深さも格別である。だから、名人も現われるし、先輩から教わる重要性もでてくる。観察力を磨くとか、協力する精神を培うとか。
今度4月1日に『メダカサミット』が桑原で開かれる。桑原では、地元の青年団と青年会議所が合同で、田んぼの耕作を行ってきた。この活動の原点になったのが、沖津さんという地元の方の、地域の自然を守ろうという行動だった。沖津さんは河童のような少年時代を送り、現在小田原の植え木組合の代表をやられている方だ。人柄も魅力的だし、少年のままの純粋さで、桑原の自然を守ろうとしてきた。その気持ちに、多くの人がうたれた。そして何としても協力したいと、言う気持ちになった。農の会でも放棄された田んぼを耕作しようとなった。桑原では、一枚の放棄地も無い、そんな風にしたかった。10年前くらいの事だろう。その後紆余曲折があり、現在のように、青年会議所が田んぼを主体的に行う。全国でも珍しい、しかし、全国の青年会議所の組織の中でも、注目され評価される活動になった。地域の環境が保全される為には、地域の農業が継続されなくてはならない。この一点にメダカが集まってきた。
田んぼの多様性は、生き物だけで無い。集まってくる人間も多様だ。○○農法というまるでマルチ商法のようなものも関わってくる。何故か、これは日本人の根底にある信仰だと思う。仏教が渡来するはるか昔、稲作が始まった。弥生人が稲を携えて渡来した、こんな風に私たちは小学校で教わったが、今では稲作の歴史は更に古く、縄文後期にはすでに稲作が行われていたらしい。この稲作の多様性が、日本人を形成した。日本人の信仰や、風習、しぐさ、考え方、稲作の影響は大きい。日本的というものの多くが、例えば美意識とか、無常観とか、精神に食い込んでいる影響も様々だと思う。だから、さすがのお金の影響も田んぼまでは中々入り込めない。その意味で、里地里山づくりも田んぼの活動を中心にすることが、おもしろいと思う。
今年も、幾つかの試みを行う。ミカン箱による苗作り。ポット植えの苗箱をベットに置くやり方。秋起こし穴あけ手蒔きの実験。そして溶存酸素量とコナギの関係の実験。田んぼは年一回の事だから、試してみたい事がたまってくる。このあと何年出来るかと思うと、実験が貯まってくる。去年の菜の花漉き込みが大失敗だった。これは菜の花の漉き込みの考え方と、米糠抑草との考え方は実は対極だったからだと思う。これを併せてやればより効果があると考えたのは、余計な考えだった。米ぬかの抑草効果が解明されないまま手探りで、次に進もうとしたのがいけなかった。それにしても、いよいよだと思うと、今から気持ちが高ぶってくる。