イチゴから基準9倍の農薬
栃木県鹿沼市の上都賀農協は1日、同農協が1月15日に新潟中央青果に出荷したイチゴから、残留基準値の約9倍の農薬が検出されたと発表した。15日出荷した8380パックは、既に消費者に出回っているという。同農協は残留農薬の可能性があるとして、31日に出荷した約4万パックはほぼ回収したが、16日から30日までに出荷した約56万パックは、回収困難という。
イチゴはいつも作っているが、中々栽培が難しい。苗を植えたその年はまだいいのだが、そこから次の代を取ってとやっている内に、いつの間にか消えてしまう。強い品種を選んでも、私のような大雑把な者には自然栽培では難しい物だと思う。
足柄地域でも、イチゴは農家経営の有望作目と言う事で取り組まれている人が居る。箱根を越えれば、イチゴ農家がたくさんある。沼津から長岡町へと摘み取り園が多数点在する。その中に、有機栽培で、イチゴを作っている方が居ると言うので訪ねたことがある。15年ほど前から、自然農法に切り替えたと言われていた。病気の出る原因が土壌にある。そこでハウスの土壌をどのように、良くして行くか、研究したそうだ。イチゴがない時期にハウス空けてしまい。田んぼのように水を入れてしまうのだそうだ。水を3ヶ月程度流し続ける事で、土壌の改善が図られ、有害の菌も死滅するのだそうだ。長岡町のイチゴは田んぼからの転作だ。水の力の利用と言う発想に驚いた。
イチゴ摘み取り園というところに行ったことはないが、イチゴは洗わずに食べるのだろう。ケーキにのせるときも洗うとすぐ傷むので洗わないと聞いた。有機栽培という表示が結構ある。これは本当に信じて良い表示なのかと心配になる。有機肥料を入れた程度で、表示していたら大変な事だ。にわかに信じられないくらい、イチゴ栽培は農薬を使う。無農薬でなんか出来ないよ。そう自信を持って言う農家の方が多い。つまり、売れるような中心品種のトヨノカとか、女峰とか、は栽培が難しい。消費者の好みが甘く柔らかくだから、売れなきゃ商売にならないので、果物はどんどん栽培困難種になって行く。もちろん収量が多いいというのもある。
今回の栃木の残留農薬事件は、暖冬の事もあるかもしれない。虫が多く、病気が出やすい環境。と言いながらも、いつものことだと思ったほうが良い。農薬をかけてから、出荷までの期間が問題だったのだろう。出荷1ヶ月前から薬をかけてはいけません。こんな規定がある。作物によって色々分かれている。ところが、イチゴのように順次実って行くものでは、そうも言ってられないことが、普通。場合によっては出荷の前日でもかけているかも知れない。この辺が、つい欲が出て、わかりゃし無い、出荷してしまう人も居るかもしれない。ハウスの中は病気が出やすい。虫も出やすい。状況に応じて消毒を続けなければ、栽培が出来ないものなのだ。
だから、ハウスものは止めた方が良い。食べなければいいのだ。何も、クリスマスだからといって、イチゴのショートケーキを食べる必要はない。食べればおいしいが、食べなくたって大したことはない。このイチゴの早出しの技術を宇都宮大学で、研究し実用化したのは、叔父の笹村静雄だ。昭和30年代戦場ヶ原に苗を山上げする実験をしていた農場を訪ねたことがある。だから、栃木県のイチゴというと人事の気がしないのだ。