里山再生事業

      2016/08/08

昨年来行政主導で、里山再生事業の、呼びかけが行われている。話の成り行きは、県の事業の中に、里山再生事業というものがあり、城山町の方で最初に行われた。「小松、城北地区」の里山の中に古道があり、それを再生する事業が行われた。その事業に伴い、「小松・城北」里山を守る会が結成された。

この事業は3年間の補助事業と成っていて、その間に組織や活動を起こすという事が主な目的のようだ。県の担当部署から、小田原市に呼びかけがあり、小田原市も重い腰を上げたという実態の気がする。私達あしがら農の会にとっては、会の目的にも合致する、すばらしい活動だとは思う。

昨日は、地元からは5名の人が集まった。星野久野連合自治会長。小田原植木近藤増男氏。小松市会議員(久野在住)もう一人は、よくお見かけするが、名前は知らない方。そして、あしがら農の会の笹村。行政は、県7名。市7名が参加。

この事業は、昨年9月20日に城山と、厚木の方の里山事業の見学会から始まった。そのときは、地元から、28名が参加した。私には、里山事業への感心の深さに、少し驚いたスタートだった。ところがこのバス見学がまずかった。行きも帰りも時間をもてあましたバスの中で、何のための見学会なのか、主催者の市からは、全くの説明が無かった。これは、まだ何も決まっていない段階で仕方が無かった。しかし、意欲があるなら、地元からの参加者の自己紹介ぐらい行うべきだった。

私は帰ってから、この見学会の批判を散々聞いた。参加者には行政の逃げ腰が、ひしひしと感じられたからだ。県から押し付けられて、市はしょうがなく動いているのかな。そんな印象を誰もが受けた。昨夜も申し上げたのだが、「農業特区を小田原市が申請したのは、3年前。しかし、そのときの理念や希望は、今や何処に行ったのか。農政課の方針の中の何処に反映しているのか。今回の里山再生事業も、市に意欲があるなら、8ヶ月も何故間があくのか。この事業を信頼して、乗りかかるということは私達にとっては生活がかかるということだ。」

見学会の後、11月21日に1回目の勉強会が在った。これには私は参加しなかった。農の会のような、外部者が、地元の地権者が動き出さないうちに、意見を述べたりするのは、上手く行くものも行かなくなる。まして、この計画の進め方には批判が集中している。
残念ながら、勉強会に参加した方から、これはダメだという、悲観的な話ばかり聞いた。これで、市は止めたのかな、折角県からのいい話なのに、市の進め方がダメだよなぁー。そう感じていた。

ところが、忘れた頃に、7月18日の集まりが呼びかけられた。本当に忘れていた。

この事業が農の会にとって、会の目的に合致するにもかかわらず。今でも、全面的に乗りかかることには、ためらいが感じられる。
それは、行政は予算が無い、里山作りにお金は掛けられない。市民中心のボランティアで、事業を立ち上げたい。それは分かる。大切な事は、人間としての情熱が伝わるかどうかだ。里山を再生したい気持ちが本当に行政にあるのかだ。仕事だから仕方が無くやる。これにつき合わされるのでは、ひどい目に遭うだけだ。ここを市民は見ているのだ。
要するにこうした市民参加型のしくみ作りが不慣れなのだ。

里山での様々な活動をやりたい人はいくらでもいる。しかし、市の命令で里山作りのボランティアに参加したい人はいない。確かに人の動員はしている。しかし、自主的な動きは作り出せない。市民一人一人がやりたい事を、やれるような状況を作る事が、行政の役目だ。市民がやりたい事は千差万別だ。これを久野の里山で自由に展開できる、条件のホローをして行くのが、行政の役割のはずだ。

面白い事を、楽しい事を、提案してゆけばいいのだ。人はやりたいことなら自主的に集まる。やりたい事は強制するのでなく、一人ひとりに保障するだけでいい。
お米を作りたい人に場所を保障すれば、当然放棄農地はなくなるのだ。この好い関係を作る事こそが、行政の役割のはずだ。あぁー、歯がゆい。

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