しるべ展の搬入と大井町の見学会
午後には大井町の町長をはじめとした、行政関係者、と農業委員の皆さんが、あしがら農の会の見学に見えます。大井町では赤田地区の農業公園を核とした、町の将来像があります。しかし、農業者の老齢化による、後継者不足も予測されています。そこで、新規就農者の実情が知りたいのだと思います。町にしてみれば、農村地域に新しい人が入るということは、問題の発生も充分予測されます。
大井町でも赤田方面は神奈川県では唯一と言っていい、昔の関東の農村の雰囲気が残った地域です。ここにはいこいの村という国の保養施設があり、相模湾と、富士山が眺望できる、農村景観が続きます。このポッカリと残されたような、すばらしい環境は、地域の人にとっては、開発困難、生活不便、と問題なようです。総和の公民館には戦時中軍隊の撮影した、この地域の航空写真が掲示されていますが、これがすばらしい耕作の状態を表していて、ここまでやれるのかと感激をします。特に、畑と座敷林と集落の関係が、自給自足の村の姿を見せています。
あしがら農の会の観点から考えれば、これほどすばらしい地域は無いので、むしろ、この地域が都会からの移住者によって、壊されてしまいそうで怖いです。ところが幸いな事に、この町の町長はその辺の感覚に優れた方で、方向は心得て、充分探ってきたようです。
そうした背景があって、あしがら農の会と大井町の懇談会がもたれました。ここで、出たのが「一度畑を見せてもらおう。」という事でした。これが今日に繋がります。
会の仲間では大井町在住の者が、5名います。その中でも小宮さんは古い地元の農家の人です。古いといっても古さが違います。縄文時代からではないかと、考えられていて、家の出入り口から出土した重要文化財の骨を、DNA鑑定してもらいたいというほど、古くから農業をされてきた家です。
小宮さんは現在ブルーベリーの摘み取り園をやっています。ここで、昨年夏祭りが盛大に行われました。これに来られた、大井町関係者の方が、この夏祭りをやる農の会のノウハウを評価された背景があります。いい夏祭りでした。ジョゼさんのボサノバと、様々な出店です。
これは開成町の行政関係者からも言われた側面ですが、多分行政が一番苦手な分野かと思います。今年も、7月23日に行われます。今年はボリビアのフォルクローレです。興味のある方は見に来てもらいたいのですが。私達にしてみると、自分達が楽しみたいから、自分達らしい夏祭りをやる。これだけだと思うのです。ここに義務感が無いところがいいのだと思います。地域の村祭りも、いまや半分義務感で支えられています。
「お祭りは中々だけど、畑の方はどうなの。」今日はこれで見えるわけです。大井町に在住している、新規就農した3名の人の畑を見てもらいます。これは一目瞭然です。見える方は長年農業をやってきた皆さんです。例えば、この時期の大根を1本抜いてみれば、レベルが分かります。実はこの面でも、農の会の農業レベルには自信を持っています。これが大切なところです。それぞれの耕作者しだいですが、充分評価に耐えると考えています。市民の農業参加というと、専門の農業者ほど甘く考えています。どうなるでしょう。
夕方からはしるべ展の搬入が重なりました。これは絵をもって行きさえすればいいのですが。やはり、水彩人の事務所係として、あれこれ心配もあり、早めに行かないわけには行きません。絵のほうは、自信作で、既に発送しました。