鳥インフルエンザ
茨城、埼玉両県の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認された問題で、厚生労働省は11日、毒性の弱いH5N2型に感染していた可能性がある人が最終的に計93人に達したと発表した。
3つの疑問がある。
1つは、宇宙服のように完全防備した、県職員が何故、感染したのか。
2つは、違法ワクチンが原因との疑いは、その後どうなったのか。
3つは、世界でこの病気での感染数、死亡数が、中途半端だ。
農水省の家畜衛生部会 家きん疾病小委員会は、昨年12月以来開かれていないようだ。もう忘れてしまったのだろうか。
県職員はどんな作業にたずさわった人なのか。防御服は着ていたのか
違法ワクチン説以来、流れている噂に対し、対応しないでいいのか。
死亡者数の少なさはどこから来ているのか。鳥から人への感染なら、どのように感染したのか。どんな密度で、鶏と接触したのか。こうした調査はしているのだろうか。
私の推論では、このウイルスは、空気感染する。その点従来の風邪と同じと考えていい。人が介在する事もあると考えなければならない。この点、茨城県では対応を間違った。間違ったために起きた、2次感染が起きている。県職員が感染しているのだから、この人を通し、養鶏場から養鶏場に感染が広がった可能性はある。
発生が確認されてから、養鶏業者を集めて、説明会を開いている。農水の指示らしい。農水に確認したところ、正しい判断だと力説していた。説明会の中で、人から人へ感染した恐れはなかったのか。
一方、自然養鶏では発生がない。自然養鶏の中心地でもある、茨城でなぜ、自然養鶏では起きなかったのか。これは着目すべきだ。
従来から、トリインフルエンザは野鳥から感染する、ウインドレス鶏舎にしろ、このように指導されている。放し飼いはしては成らないとまでいわれている。結果は逆だったのだ。ケージ飼いでだけで起きている。想像以上に虚弱な状態のようだ。わずかな感染の危険も逃れる事ができない状態のようだ。野外毒から、遮断するウインドレスの発想は、結局病気になったら、淘汰してきたというに過ぎない。産卵率が下がれば、入れ替えの時期が来たに過ぎないのだ。大規模養鶏業の根源的な問題だ。
感染しても、発病させない。そして、免疫力を獲得してゆく。
ワクチンに対する私の考えは誤解されている。私がワクチンを使わないのは、必要ながないだけでなく、ワクチンのない鳥インフルエンザのような鶏病への対応策だ。ワクチンはない、ウインドレスでも感染は防げない。こうした時、中途半端な対応をしていても、結局は発病させるだけだ。私の鶏は、血液検査の結果、様々な抗体を持っている。これ以上は書けないが、自然免疫を獲得している。私は、免疫力は単独で、他の病気には影響がないとは考えていない。交差免疫という考えがある。新しい病気に対し、対応できる生き物と、対応できない生き物がいる。強健という事は、初めての病原菌との出会いに対して、対応力の巾が広いという事もある。
この自然免疫を獲得してゆく力は、基本として生き物には備わっている。これほど強毒化した鳥インフルエンザが流行したとしても、東南アジアに生息する、ヤケイが絶滅する事はない。自然はこうした事は繰り返してきたのだ。人間のなまじの、浅はかなワクチンなどという免疫の仕組みより、もうっと強力な抗体獲得法を本来備えている。これを強化し、生かしてゆくのは自然養鶏の基本だ。家畜を飼うというのは実は、その範囲でしかできない事なのだと思う。
その為には総合的な飼育法を行わなくてはダメだ。自家繁殖しなくてはダメだ。少数飼いでなければダメだ。放し飼いでなければダメだ。薬を使ってはダメだ。総合的なことだ。一部だけ取り出しても何の意味もないのだ。このことを肝に銘じて欲しい。全部がやれないなら、薬やワクチンに頼るしかないに決まっている。
それではお前のところでは、鳥インフルエンザに感染しないか。こう家畜保健所の職員は言った。感染するリスクは日本の養鶏場で一番低い。これだけは確かだ。と答えた。