養鶏な日

   

養鶏に専念する時間は毎日1時間と火曜日の全日となっている。
どんな日々なのか、書き留めておく。多分、1年もすると、少し変わっているのだろう。

私は朝が担当だ。夕方は内の奥さんが担当する。朝は、子供の頃から早起きで、年寄りに褒められる子供だった。年寄りに近くなった今は、4時が起床時間で、8時に寝てしまう。朝早いうちに鶏の事をやるのが一番。朝の仕事は鶏のエサ作りや餌やりの時間だ。

落ち着いて観察する事が、何より大切に思っている。2匹の犬を散歩しながら、1キロ離れている、養鶏場まで歩いてゆく。
養鶏場に近づいたら、先ず、鼻を利かす。ニオイの第一印象が大切だ。発酵の組み合わせで、出来ている養鶏なので、発酵臭のわずかな違いを嗅ぎわける事が、最初の仕事だ。ニオイはすぐ分からなくなるので、最初の一発を注意深くクンクンやる。いい匂いがすれば基本的には大丈夫、なんか厭なニオイがあれば、要注意。
最初と言えば、養鶏場に近づいていくときのもう一つの観察は、動物や鳥の逃げてゆくのがいないか。空のカラスや鷹。あるいは犬や猫だ。うろちょろしていれば、注意信号だ。

電気柵の通電の確認。を鍵を開けながらする。そう、番号の鍵なので、これも確認、私にはこれで誰かが着たかがわかる。良く人が来るのだ。
それから、おもむろに、まだ、作業にしない。のんびり鶏を眺める。ああいいものだと、順番に眺める。どう眺めるかもあるのだが、これは別の枠で、鶏の観察法でまとめてみたい。
鶏の目線で、時間を先ず過ごす。異変がないか。調子がいいか。フンの常態は必ず見る。手で持って手につかない、ニオイがしないフン。触りたくない様なフンならダメ。

鶏の動き、エサ箱の状態で、その日のエサの量、比率を決める。嫌気は体調管理、好気は卵の味、量。エサはリズムを付ける。足りない日と余るぐらいの日の波を付ける事。卵の産卵数の流れも把握の上、その日のエサ量を決める。
そこで、エサ作りに入る。エサは当然発酵熱とニオイの確認から。嫌気発酵はすっぱさの状態を見る。いい発酵の状態を食べてみて覚えておき、気になるところがあれば、食べてみる。家に見学に来て、食べてみるような人は見込みあり。

好気発酵は必ず手でつかんで温度、湿度をみる。この時、昨日の状態からの変化、明日の状態の予測。流れの補足が必要。自分の予測どおりの状態が作られているかを、確認。

エサは朝夕の2回ほぼ同量。1羽100グラムから、200グラムの間。攪拌機に、バケツで、各エサの量を数えながら入れ込み、良く混ぜて、又バケツに戻す。この時、夕方の分もバケツに入れて、保存。攪拌の結果全体では熱のないものになる。シットリぐらいの状態になる。これも、夕方には熱が出ていて、普通。

大切なエサやり。満遍なくばらまく。食べれない鶏がいないように。エサをやりながら、鶏の状態を良く観察。一番鶏の状態がわかるときだ。雄同士の騒ぎも状態の確認。おかしな奴がいたら、別飼いの小屋に移してやる。

水の確認、補充をする。これで毎日の朝の作業終了。

肝心な「養鶏な日」は火曜日だ。
この日一日は鶏の日。卵の配達。エサ集め。エサ集めは、オカラと魚アラとくず米、米ぬかが中心。エサの仕込み。見学者の対応。草の管理。小屋の直し。その他、ありとあらゆる鶏に関することをこの日に集中して行う。
金曜にもう一度卵の配達はあるが、殆ど全てを火曜でこなすことにしている。手伝いの人も、この日の午後に来てもらう。3人でフンの袋詰めから、草刈、切りのないほど仕事がいつもある。だから、やり切れると言う事はないのだが、緊急性のあるものから、こなしてゆくと言う状態である。

この何となく遣り残しの在る、状態を。不愉快に思わないで、受け入れる事。

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