備蓄米店頭に並ぶ

   

 

備蓄米が店頭に並んだ。5キロ2000円前後で本当に売られている。政府がその気になれば、できることだった。やはり江藤大臣の時には農協の力に政治が負けていたとしか思えない。資本主義だから儲けて何が悪いと言うことなのだろうが、それなら株式会社でやれと言うことだろう。都合良く方角を変えるとお面を換えるところが良くない。

農協だってやればできるはずのことだった。農協が緊急事態と言うことで、利益度外視して行動をとれば、国民は農協の存在を許すことになったはずだ。これほどす早く流通できたのだ。一体今までの農協の流通の滞り説が嘘だったことが、バレバレではないか。まあ嘘でなければ、農協が極端に低能力だったということになる。こちらの方が、さらに困ったことになる。

通信販売や、大型店の店頭には、備蓄米が並んだ。5キロ2000円前後で本当に売られた。売られてみれば出来ることだったが、今までの言い訳は何だったのかと思う。へりくつを並べ立てて出来るわけないと言っていた評論家は反省しろ。農協だってやればできるはずのことだった。これほどす早く流通できたのだ。一体今までの農協の流通の滞り説が嘘だったことが、バレバレ。まあ嘘でなければ、農協が世間離れした低能力だったということになる。こ知らの方が、さらに恥ずかしい。

ドンキー社長から、小泉農水大臣に提言が行われた。農協の流通が、前近代的で、いくつもの中間業者が入り、小売店に渡るまでの複雑な流通経路に問題があると言うことだ。そりゃそうだろう。だからこその農協なのだ。しがらみと利権の巣窟である。今回ここにメスを入れられれば、小泉氏は見直される。郵政民営化がお父さんで、農協民営化が息子さん。

民営化には良い面と悪い面がある。郵政は今やボロボロである。郵政の仲が風通しが悪いのだ。知り合いに郵政の職員がいたので、その実態は時々聞くことがあった。一度崩壊させた方が良いというのが、郵政民営化論であった。もちろん民営化しない方が良い面も当然あったが、それどころではなかったことが最近分かったではないか。

農協も同じだ。農協が本来の協同組合であれば、そのままで何の問題もない。政府と結託して自らの温存を図ってきた。政治献金もそうだが、それ以上の問題は農林族と呼ばれる、農協議員の存在である。自民党の下部組織は風前の灯火だが、農協は未だに支持母体として力を振るっている。農協票で、議員を推しだしている。その人には米価を高値維持する役割がある。

天下の巨大企業農協が、それほどの低能力ではないと思う。ごまかして、出し渋りをして、高値維持を図ったと考えるほかない。本当に情けない利権屋である。と言って私もその末端の果ての正会員であるから、責任は全くないとは言えない。私も配当金は貰っている。農協の総会で発言すべきだった。いじめられそうで、でできなかった。

細部にわたり、一見民主的ではある組織に出来ている。しかし、そこには地域のしがらみの圧力が見え見えで、そもそも私は農協の正会員でありながら、農協の地域組織からは外されていた。入れてほしいとお願いしたが拒絶された。何か無言の支配がある。理由は分からないが、いつの間にか入っているのでと農協の回覧板が回ってきた。

目先の欲得にこだわるのは、資本主義社会では正しい行いらしい。まさにそのお化けがトランプである。日本人ならばこの国難で、農協が欲得に走るとは何事かと、怒った国民がコメ騒動を始めかねない。停滞国日本にはその勢いもない。主食が倍の価格になるということは、そのくらい深刻に考えるべきことだ。それが原因で体調を崩す人もいるはずである。

たぶん、農協もごく一部の人を除き欲得で、備蓄米を制御したという意識もないのだろう。だから、様々な言い訳が蔓延していた。農協のお米に関わる流通には、戦後の米不足時代に出来た、配給制度がある。学校給食もこの見えない、利権組織に縛られている。米の流通針県の巣窟なのだ。何しろ、農家の売ったお米が、倍以上で売られている。農の会が自給か、宅配下に限定したのは、ここに原因がある。

農協は備蓄米のほとんどを買っておいて、倉庫に入れて外には出さずに、価格の維持を図ろうなどとんでもない発想である。それが資本主義だとはいえ、あまりにも情けない。そんなことはないと主張しているのだろうが、そう取られても仕方がないことをしたのだ。どうも報道はそこを批判しないが、何か理由があるのだろうか。確かにJAのコマーシャルもあるだろう。

備蓄米の味が悪いのではないかという疑問が出ていたが、そんなことはなかった。何でもケチをつけようという人は、反省をしてもらいたい。民主党が馬脚を現わした。お米の倉庫は何度も見せてもらっている。今の米の倉庫の保管状態は素晴らしいもので、湿度温度が安定している。当然虫などもわかない。備蓄倉庫は開け閉めしないのだから、まず問題はない。今回、味が悪いだろう、飼料寸前のお米だと嫌がらせを主張した人は、今後何を言っても信用しない方がいい。

備蓄米の次は外国産米の輸入だろう。農協のためにもやった方がいい。これをやれば、農協の倉庫に貯めていたお米を出さざる得なくなる。少しは農協も反省をするはずだ。農協は国民のためにあるということを思い出させる必要がある。農協の理念を思い出させるためにも、外国産米の緊急輸入である。

理念の4つ目は「地域共生・地域活性化」です。農業の生産基盤である地域のくらしを守り、魅力的で住みやすい地域社会を実現するため、農畜産物直売所を併設した店舗を通じた地産地消の推進、IT技術を活用した地域ネットワークづくりに取り組みます。

今回、果たしてこの理念にふさわしい行動をしただろうか。地域の共生を阻害したのではないか。地域の活性化を阻害したのではないか。目先の利益に翻弄され、生産者も購入してくれるお客さんもないがしろにして、地域社会での信頼を失ったのではないか。

もし農協の中に、正しく理念を理解していて、農協を立て直したいという経営陣に人がいるのであれば、正直に今回の米騒動に際してやったこのを表明し、生まれ変わると謝罪すべきである。もし根本からの出直しができないであれば、ずるずると衰退の道を落ちてゆくことになる。それは自民党農林族議員も同じ道を下ってゆくのだろう。

小泉氏は看板になり、この緊急事態を突破したことは確かだ。評価されていい。ほかの人であれば、農林議員に足をすくわれ、引っ張られ、5キロ2000円のお米は出なかったはずだ。結果がすべてである。小泉人気が怖くて、農林議員もいつものようには、手出しができなかったのだろう。最初に楽天の三木谷氏との話し合いをテレビに写させたのが良かった。

もう駄目だと思ったことだろう。ともかくお米が下がるまで頑張らなければ意味がない。政治は結果だ。これだけでは米価格が下がらないなら、農協が安く売らないなら、緊急輸入米をやるべきだ。どんどん安い米が入りますよと、お尻を叩かなければ、農協は立ち上がらない。

米価格が高くなった理由は、減反が問題だとか、いろいろの意見は出てはいる。減反だけではない。なぜ日本の農業が構造改革ができないかを考える必要である。それは日本が瑞穂の国、お米を何千年も作ってきた民族だからだ。歴史が足かせになっている。大切にしなければならない米作りの歴史が、構造改革を阻害している。

お米は百姓の命だったのだ。今の農家の中にも、その歴史がまだ続いている。生きている間はお米を作りたいという気持ちがある。私にもあるから、よくその気持ちはわかる。その気持ちを未来の日本の社会に生かすように、農業の構造改革をしなければ、百姓が抵抗勢力になってしまう。

小さな農家が生きていけるようにしなければだめだ。小さな農家にふさわしく、きめ細かく地域割りを行う。同時に、大きい生産効率の良い農地を集約して、整備してゆくことを組織を作り行ってゆく。現在農業公社というものがその仕事をやることにはなっているが、ほとんど機能していない。神奈川県でも石垣島でも農地のことで相談に行ったが、全く頼りがいがなかった。

農地というものは先祖伝来というような側面。あるいは地上げ業者が暴力団とかかわりながら、抑えているというようなことさえある。農地問題の解決にはしがらみと血の出る痛みがある。ここにメスを入れるということは、それだけの覚悟がいる。行政の人が、お役所仕事と言われるようなレベルで解決できるものでは全くない。

どこの大型化している農業法人でも、農地の新規取得は自ら行っていると言われる。行政の斡旋してくれるものもあるのだろうが、自分で探して、自分でお願いして広げていると言われる。まず法律で大枠を決めるところからだ。農地の種類を3つに分ける。大規模農用地。小規模農用地。自給用農地。

大規模農用地では、30ヘクタール以上の耕作を目指す農家が利用できる地域。小規模農用地も大規模農家は利用できる。小規模農用地は1ヘクタール以下の農地利用の農家用の地域、小規模農家は大規模農用地は利用できない。そして、それ以外の自給用農地は環境保全のための農地として管理した方がいい農地。

今までは農振農地とか白地農地とか分けられてはいるが、実質的には生産性の向上という視点で、線引きがされているわけではない。農地を所有している人の中には、投機的な目的の人も多い。公共事業でも来て、都市計画道路が惹かれて、教育機関や、医療機関が来て、大儲けできるかもしれないという、目論見である。

石垣島では、なぜか、ゴルフリゾートが畜産団地を造成した農新農用地にできる。あるいはミサイル基地ができる。どちらも中山市長肝いりである。こうした有りえない、あってはならないことが起きて、農地がとんでもない値上りをして売られる。土地投機が農業をめちゃくちゃにしたという側面がある。

これをもう一度立て直すために、土地投機と農地を切り離す必要がある。まさに政治の役割なのだが、政治がまさに土地投機のお先棒羽担いでいる。政治献金と農政がおかしな形で結びついている。阿吽の呼吸で農地の転用の特例が行われる。ここに絡むのが農協不動産と、農協ローン事業なのだ。

その結果が巡り巡って、米政策にしわ寄せられている。小さな農家といえども、農協には組合員という持ちつ持たれつの、よいお客さんがたくさん混ざっている。

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