『SDGs』とは2015年に国連で採択された、17項目の国際的目標

   



 今はこんなかたちで絵を描いている。夜桜の絵を描いているところ。

 『SDGs』とは2015年に国連で採択された、17項目の国際的目標。沖縄県でも推進が言われている。石垣市でも推進の方針である。推進の担当者がいる。先日、市の取り組みについて話を聞かせてもらいに行った。石垣市の推進案を読ませて貰った。田んぼとSDGsが関連していることを伝えたが、もう一つ反応は鈍かった。

 田んぼのことが余り触れられていなかったので田んぼこそ、永続性のある生産方法であり、SDG sにいれていかなければならないと少しくどく説明をした。石垣島での稲作農業の活性化のための取り組みは少ない。市としては稲作農業は余り重視していないと考えるほか無い。

 もう一度国連の採択したSDGsの内容を確認してみた。国連広報センターに出ていた。
目標1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2 飢餓をゼロに
目標3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
目標4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
目標6 すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する
目標7 手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8 すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する
目標9 レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
目標10 国内および国家間の不平等を是正する
目標11 都市を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
目標13 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
目標14 海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15 森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
目標16 公正、平和かつ包摂的な社会を推進する
目標17 持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する

 稲作農業はこの17の目標のなかの、2,4,8,9,12,13,14,15、という8つの目標に沿うものである。まず飢餓の克服を考えてみれば、稲作農業の普及ほど地球の永続性のある生産方法は無い。その水田稲作は日本の伝統農業を参考にしたものでなければならない。

 以下は国連の主張である。

 目標 2 飢餓をゼロに 私たちが食料の生産、共有、消費の方法を考え直す時が来ています。現時点で空腹を抱える 8 億 1,500 万人に加え、さらに 2050 年までに増加が見込まれる 20 億人に食料を確 保するためには、グローバルな食料と農業のシステムを根本的に変える必要があります。

 この国連の目標を読めば、稲作農業の縮小しようと考えている日本政府の方針が、国連の目標と大きく外れていることが分かるであろう。縄文後期時代からの7000年の日本の伝統的永続農業を世界に伝えて行くことが、日本の役割であることがよく分かる。

 6,8,12,に関わるものとして水の問題がある。水田稲作は水資源を最も有効に利用する生産方法である。

  人間は、自然が河川や湖沼で再生、浄化できる以上の速さで、水を汚染しています。 • 水の使い過ぎは、世界的な水ストレスを助長します。 • 水は自然から無償で手に入るものの、給水のためのインフラには大きなコストがかかります 。
 
 石垣島は慢性的に水不足である。島の観光事業や産業の拡大によって、島の持つ水資源は限界に達している。島で重要なことは水資源の永続性のある利用法である。島全体にどれほどの地下水の資源があるかは、調査されていないが、地下水を汲み上げすぎれば、水が枯れてしまうことは目に見えている。宮古島の地下水に対する対応を参考にしなければならない。

 今度石垣島で開発が予定されているユニマットのゴルフリゾートは、地下水を主たる水源として、利用する予定のようだ。ここで地下水を大量に汲み上げれば、その下流域にある水田が地下水を涵養しない限り、地下水は減少してしまうだろう。

 沢水を利用しているゴルフ場予定地より下の水田では、将来水不足が予測されるだろう。島の水資源を考えるときに、どうやって地下水を増やして行くかを考えなければならないはずだ。山の森林を整備する。そして水はできる限り水田に一度溜める。

 13,14,15,に関するものは、水田に直接的に関係することになる。

 気候変動に関して言えば、生産は必ず、気候に影響を与える。産業革命以来の急速な生産方法の変化で、地球は危機的状況が近づいている。そうしたなかで、最も気候変動に影響の少ない生産方法が水田稲作である。水の環境調整力を農業は利用して行かなければならない。

 石垣島でも農業が海洋汚染を引き起こしている。森林を切り払い牧草地にする。あるいはサトウキビ畑にする、パイナップルの畑にする。こうした畑から赤土が雨の度に流出している。このために一部の海岸では珊瑚礁が死滅している。

 これを防ぐ一つの方法が、川の中流域に関を作り、田んぼへの水源にする。ここで溜まった赤土を取り出して、海に流出することを食い止めることだ。その下流域に水田を作り、一度水を溜めてから海に流すことである。

 人間が生きて行くことは大なり小なり地球環境を破壊することになる。その中ではかろうじて影響を軽減できるものが、水田農業である。石垣島の一番の資源は美しい自然環境である。この自然環境が維持される限り、観光業は継続される。

 石垣島の観光はデズニーシーでも、カジノでも、ゴルフ場でも無い。今のままの自然がいつまで維持できるか。そしてさらに自然を豊かなものに出来るかにかかっている。そのためには水田農業の維持である。行政は国の水田農業に関する補助金を調べて、利用できるものを研究しなければならない。

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