石垣島では住民投票条例が廃止された。

石垣市市議会では住民基本条例の中から、住民投票条項を削除した。市議会が住民を代表しているのだから、市議会は住民の意思を十分に反映している。改めて住民投票などする必要は無いと言うことらしい。今回の住民投票の廃止が、一体住民の正しい意見の反映とは言えない。
石垣市の市長や市議会は民主主義を完全に無視している。民主主義を理解できない市議会のようだ。市会議員や市長は確かに選挙に選ばれているが、すべてのことを委任しているわけでは無い。住民の意思を改めて確認する必要のある問題が出てくるのは当然のことだ。
少数意見の尊重が民主主義の重要な考え方だ。だから住民投票条例が制定されたのだ。石垣市議会ではわずかに保守派が数で上回っている。その議会勢力で市議会での議論も、市民の議案に対する多数の反対意見も何もかも一切無視して、数の論理だけで住民投票の条項を削除してしまった。
そのそも、市民条例の審議会のメンバーが偏ったものであった。しかしその審議会の答申ですら、「条例には整合性に問題があるので、抜本的に検討する必要がある」という意見だった。条項を削除すべきなど書かれていない。
最初から結論ありきの強引な進め方である。このかたくな独裁政権のような態度を先頭で取り続けているのが、中山市長である。何故こうまで強引であるのか。民主主義の重要性を理解せずに、自分がやりたいようにやれるのが一番よい政治と考えているのだ。まさに独裁の方が合理的だと考えている。
選挙で有権者が自分を支持しているという、奢りである。確かに選ばれたときはそうであったかもしれない。その支持層は石垣島の既得権益を死守しようという支持層である。仕事を持ってきてくれれば良い市長という考えで選ばれているように見える。
石垣島の未来を考え、現状の有利不利だけ流されない。それが市長の在り方のはずだ。今、環境を壊してしまうことは、一〇〇年先の石垣島にとっては大変なマイナスになる。石垣島の価値はこのすばらしい自然環境である。それがあるからこそ、観光客がきてくれるのだ。
既得権を主張する、建設や観光の業者も変わり始めている。さすがに開発一辺倒の考え方は、もう限界なのでは無いだろうか。そうした既得権益を守ろうとする保守層も、徐々に衰退をし新陳代謝をしているのでは無いか。ここまで強引な市政の舵取りでは、住民から見放されるのは近いとみて良いのではないだろうか。
今度の市長選挙は楽しみである。まず中山市長が再選されることは考えられない。誰に聞いてもこの人を良いという人は私の回りにはいない。保守党支持者と思われる人でもさすがにもう変わって貰った方が良いだろうという人がいた。こうまで強引と言うことは、次を考えていないのでは無いかと言うことだった。
東京都会議委員選挙の結果を見れば、流れがどこに向かっているのかは明らかなことだ。話を全く聞かない、その上説明は十分には出来ない菅総理の自民党にさすがに選挙民はあきれ果てたのだ。充分、話を聞き、自分の考え方や政策を説明する。それが民主主義における政治の姿では無いのか。
受け皿になれる野党が育っていないというのは、全くのフェークニュースである。これで有権者を騙してきたが、さすがに野党に人材がいなとしても、自民党と公明党よりはましだ。やっと有権者は気づき始めたのだ。
住民の暮らしに重要な課題においては、一つの案件で住民投票を行うことは、民主主義における正しい方法である。石垣島でも市庁舎の移転など住民投票が行われた。自衛隊問題で住民投票を行えば、自衛隊反対が多数派になると考えるために、住民投票条例を廃止したのだ。
市長が望む方向が期待できるときだけ住民投票を行い、市長の考えが否定されそうなときには住民投票を行わない。これではまともな住民投票では無いではないか。そしてついには、住民投票条項自体の削除である。市長と、10名の蒙昧な市会議員のために住民の権利が削除されたのだ。このことを忘れることは無い。
これが正しい政治だとする住民はさすがに少ないだろう。この10名のし会議員を次の選挙では落選させなければならない。地縁、血縁の深い繋がりで選ばれているのかもしれないが、今回だけはまあまあというわけにはいかない。この暴挙を許せば、さらに悪政が行われるに違いない。
間違ったことをすれば、住民は見ていると言うことを次の選挙で表現しなければならない。先ずは市長選であろう。この民主主義否定の張本人が中山市長である。住民投票を廃止して、石垣市の恥を全世界にさらした責任者だ。審議会の答申の意味も理解することができない人だ。
自衛隊誘致に始まり、住民の意思はないがしろのままである。やることが全く利権主義である。仕事を持ってくるからそれでいいだろう。それだけである。しかし持ってこようという仕事が、富裕層のリゾートと言うのではあきれ果てる。石垣島の未来を考えてのことでは無い。今、島を牛耳っている既得権益者を守れば、選挙に勝てるという構図である。
観光は平和であってこそ、盛んになるのだ。コロナで今は苦境に陥っている。戦争の不安を煽る自衛隊ミサイル基地など、観光には大きな障害になる。近隣諸国と仲良くなることこそ、観光にプラスになる。与那国島では転出者が徐々に増加している。どう見れば良いのか。
石垣市では自衛隊に続いてゴルフ場を作ろうと画策している。ゴルフ場を作る場所が良くない。ゴルフ場の水は名蔵アンパルのすぐ上に作られようとしている。ゴルフ場の排水は名蔵湾に流れ込む。ただでさえ劣化が進んでいる名蔵アンパルが、危険水域になる可能性が出てくる。
ゴルフ場にはクラブハウスがあるらしい。そこにはホテルも併設される。ゴルフ場やホテルでで使用する水は地下水を汲み上げるらしい。地下水が減少することも自然環境には大きな影響になる。石垣市は島の限られた地下水を把握もしないまま、汲み上げることを許可している。
そしてゴルフ場で使う除草剤の量は畑どころではないと言われている。汚染された水が名蔵湾に流れ込んで良いのだろうか。そもそも、今更ゴルフでは無い。宮古島ではゴルフ場が不振で、自衛隊基地に土地が販売された。それが実は市長への賄賂で実現したことだったのだ。
こういうことも市民には知らせられていない。ただ観光の島にはホテルとゴルフ場が必要と言うだけの説明で終わっている。どうしても作りたいのであれば、先ずは十分な環境アセスの作成である。ゴルフと石垣島は似合わないと思うが、それでもどうしてもゴルフ場が必要というのであれば、島の北部であろう。そういう計画も頓挫したままだと言うことのようだ。
すべて利権が絡んで、場所が選定される。自衛隊ミサイル基地もそうである。宮古島では元市長が場所の選定で賄賂を地権者から貰って逮捕された。石垣島ではばれないだけと言う気がする。ともかく利権のために、島の貴重な農地をゴルフ場に変えるような政治は止めさせなければならない。
ゴルフ場の下は稲作地帯である。この地域の田んぼはゴルフ場の被害を受けることになる。田んぼは上部の水を使うことになる。ゴルフ場の排水で田んぼをやりたくは無い。石垣島で一番大切にしなければならないのは環境である。自然と融合した農業の確立こそ、石垣島の未来計画である。