台湾へのワクチン提供を評価

   



 いつも政府を批判しているのだが、今回の台湾へのコロナワクチンの提供はとても政府に感謝している。中国の顔色を見ず、よく決断してくれた。困っているときに助け合うのはお互い様のことである。そうした気持ちの通じ合うお隣の国が台湾である。お互いにこれほど安心なことはない。

 台湾があれほど上手くコロナを抑えていたにもかかわらず、感染が広がった原因は変異ウイルスではないかと思う。初期段階のウイルスであれば、感染防止が出来ていた。ところがそれと同じレベルの防止対策では、変異ウイルスは突き破ったのではないだろうか。

 一日の感染者数が5月26日に最高を記録し500人を超えた。その後減り始めている。ここ数日は100人以下になった。やはり台湾のコロナ対応は優れている。人口は2300万人である。それで100人以下だから、日本とは比べものにならない。それでも一日でも早くワクチンを打つ以外に対策はない。

 一度広がったコロナをどのように抑えて行くのかの課程でも、台湾はさすがの対応をしている。日本は無理やりオリンピックを開催し、しかも観客を入れようという愚行である。インド株が広がってきている中で、安心安全どころか、国民の命の軽視が甚だしい。

 ベトナムでも感染が拡大している。やはり変異型と言われている。アジアでは初期段階のコロナウイルスは過去にコロナウイルスの感染があったというような理由で、割合広がりが抑えられていた。ところがインド変異ウイルスが登場するようになって、そうした防疫に成功していた国でも感染が広がり始めている。感染の連鎖が続くと、さらに手強く変異する可能性もある。

 コロナウイルスはなかなか手ごわい。一筋縄ではいかない。しかも国境など関係なく拡大する。現在抑え込んでいる中国であってもいつ変異ウイルスが拡大するのかはわからない。ともかく抑えている間に有効なワクチンを打つ等以外に対策はない。

 コロナワクチンで死亡したなどというはっきりしない情報が広がり始めている。ワクチンには副作用は必ずある。死亡例が無いとも言えない。しかし持病やアレルギーが無いのであれば、まず大丈夫なレベルである。それが世界で行われている結果である。

 筋肉注射は痛いから嫌だという人もいる。それは子供のころに打たれたあのお尻に打つ筋肉注射の痛かったことが焼き付いているのではないか。今のコロナの注射針は極めて優秀なものに様変わりしている。全く痛くなかった。顔を背けて注射してもらったのが恥ずかしいぐらいだったので、安心して打って大丈夫だ。

 他のことでは冷静な判断力のある人が、自分の命にかかわることになると、急に非科学的な判断に陥ることになることがある。コロナはワクチンの中でも安全な方のワクチンである。リスクがないとは言い切れない訳だが、コロナに感染して医療関係者に負担をかけることになる。行動がこれ以上制限されるのも困る。だからワクチンを打った。

 そういう意見を述べたところ、何と自分はコロナに感染したかもしれないと思っても、病院には行かないので大丈夫だという意見を言う人がいた。確かにそういう人が増えている。これは極めて危険な対応である。感染が広がる可能性が増してしまう。

 体質的にあるいは病気の状況でコロナワクチンを打つことのできない人もいるだろう。又コロナワクチンを接種したからと言って、あくまでその効果は95%である。感染する人はする。しかし、感染の可能性が大きく下がることだけは確かだ。

 ワクチンを20%以上の人が打った地域から、コロナの感染は下がり始めている。日本ではワクチン認可の遅れで、世界の中でも接種率が極めて低い。早く、20%の国民がワクチンを打つところまで行けば、オリンピックも開催できるだろう。今のままオリンピックはどう考えてもまずい。

 尾身コロナ会長の国会での意見を何と政府は無視した。今まで検討委員会にコロナ対策の責任を押し付けてきたにもかかわらず、この期に及んでは、検討委員会の意見は尊重しないという事を明確にした。こんな非科学的な政府は日本に入らない。

 台湾に送ったアストラゼネカのワクチンは血栓が起こる可能性があるので日本政府は使わなかったものだ。実際には若い女性に血栓が起きた事例があるという事だが、ワクチンの安全性には問題になるほどのものではないとされている。ワクチンの有効性は90%以上でかなり高いものだ。

 ところが、日本で不要なワクチンをよその国に送ることはよくないという意見を見かける。しかも中国製ワクチンを断っている台湾ではないかという主張がある。間違った意見である。中国製ワクチンは正しい基礎データーが示されていない。アストラゼネカのワクチンは台湾では認可されているものだ。

 さらに、60%の中国製ワクチンを接種した国セシールでは感染が止まらないと言われている。ブラジルでも有効性は50%くらいではないかという話である。一度中国製のワクチンを接種した国でも再度違うワクチンを使うという話が出てきている。

 中国製ワクチンはかなり疑問が持たれている。アストラゼネカのワクチンの有効性から見れば、全くワクチンとしての効果の意味が違う。もちろん一定の効果があることは確かだから、使うべきだとは思うが打つとすれば、アストラゼネカのワクチンの方では無いか。


 台湾が現在一番困っていることは、中国の軍事的併合である。そんな脅しをかけている国のワクチンを果たして使えるだろうか。アメリカもこの事態を重く見て、緊急にワクチン支援を行う事になった。ここは台湾に対して友好国としての支援を行うのは正しい政策である。

 自由主義と民主主義は日本に置いても軽視されてきている。日本が民主主義を取り戻すためにも、中国の独裁政権を批判する必要がある。我が身を省みることになるだろう。自衛隊の石垣島配備の行程は全く民主主義が行われていない。中国政府と何ら変わらない。

 台湾を支持する理由は自由と民主主義だという。是非日本政府にも、アメリカ政府にも民主主義を標榜して貰いたい。自由の価値を尊重して貰いたい。そうでなければ、中国を批判する事はできないだろう。力で中国と対抗するのでは無く、平和外交手によって中国と妥協点を見いだして貰いたい。

 G7では台湾支援を明確に打ち出すことになった。日本も舵を切ったという事である。WHOへの台湾加盟に対しても、日本政府は推進しなければならない。長年中国人を信じてきたが、さすがに政府に対して誰も意見の言えない状況は恥ずかしいことだと思う。

 コロナが収まったら、台湾に行きたい。台湾の蘭屋さんを見学してみたい。沖縄本島よりも台湾の方が近い石垣島に暮らしているのだ。来年の春の蘭展の頃には行けるようになっているだろうか。早く中華航空の再会が始まることを願っている。

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