有機農業の稲作の満作の様子。

今年も欠ノ上田んぼは良く出来ている。ほぼ畝取りが確定されたと言えるところまで来ている。疑う人がいたら、あるいは有機農法の満作の田んぼを見たいという人がいたら、ぜひ見に来てほしい。稲刈りは10月初めだから、それまでの間にくれば、様子がわかるはずだ。
疑問点があれば、このブログのコメントから問い合わせて貰えば必ず回答する。すべての技術を公開するのが、有機農業をやるものの喜びである。そうして、有機農業が広がることが願いなのだ。
有機農業は慣行農法より収量が少なくて当たり前だという人がいるが、それは努力の足りない人の甘えた発言に過ぎない。有機農業は必ず地域の平均収量を上回るはずだ。そうでないのは何かが間違っているに過ぎない。当然のことで、イネの本来の力を発揮させるのが、有機農業なのだから、当然満作になり収量は十二分に取れることになる。
有機農業は稲を観察する力がないとできない。自然のその年の様子に従う必要もある。だから生きものの観察する能力が問われることは確かだ。それだけに良く出来た喜びも大きいものがある。私が田んぼをやっている、神奈川県と沖縄県は全国で反収が一番下の両県である。ここで畝取り出来ることは日本の何処でも可能という事だ。
小田原の自然環境の中、もう10年ほど畝取りを継続している。有機農業は慣行農法より収量の点でも優れた農法なのだ。もう一度言いたい。疑う人がいたらぜひ来てみて欲しい。小田原駅から、2番乗り場から360円、諏訪の原公園行きのバスで、観音堂で降りて、進行方向左側の久野川に向う傾斜地の田んぼが欠ノ上田んぼである。
誰でも自由に見ることが出来る。条件は決して良いとは言えない。日照も不足するし、水も不安定。その上、土壌も良くない。そして川沿いの崖に従った形の棚田である。全部で20枚に分かれている。1ヘクタールほどの場所になる。そのほか傍には農の会の田んぼがまだ1,5ヘクタールほどある。
農の会には他にも例年畝取りをしている田んぼがある。農の会の田んぼは基本としては市民の自給用の田んぼである。自給用の田圃などと言えば、それだけでアーミシュのような、特殊な人たちと考える人もいるだろう。しかし、見て貰らえば、専業農家の田圃より整然と良く出来ている。
農家よりも収量が多くなければ、自給の有機農業をやる甲斐がないと思っている。良い農法だから有機農業をやっている。安全とか美味しいという以上に、優れたイネの生理にかなう農業をやっているつもりだ。だから慣行農法よりも収量が多いのだ。それをどれほど認めない人が多いいことか。
あえて言わせてもらえば、その原因は今までの有機農業の耕作者が、能力が低く収量が低すぎたためだ。こういえばそんな馬鹿なと思う人も多数いるだろうと想像される。だから、是非疑の強い人ほど、来て確認して欲しい。そうすれば、有機農業の優秀さを確認してもらえるはずだ。
じゃあ、すべての面で有機農法が優れているかと言えばそんなことはない。手数がかかり、普通の農家には取り組みにくい農法なのだ。除草剤を1時間で蒔けばいいところを、コロガシや手取り除草で、併せて反当り20時間はかかる。そんなことはやれないというのが当たり前のことだ。ところが、これを5人の人でやれば、4時間の負担だ。市民の自給はだから可能なのだ。
もう一つには販売の手間暇が要らない。宣伝したり、6次産業であるとか、お客様サービスを考えたり、食糧自給で入らない労力が山ほどある。販売しないで済むという事はずいぶん楽なことになる。売るとなれば、有機認証などという馬鹿馬鹿しい事務手続き迄必要になる。
お前たちの田んぼが収量があることは小田原の特殊条件だとまだいう人がいるかもしれない。それなら、石垣島ののぼたん農園を見てくれと言いたい。残念ながらまだ始めて半年なので、牧場を田んぼにしたという段階だ。しかし、5年間で必ず実現するつもりでいるので期待してもらいたい。初めて7カ月ですでにかなりの成果が出てきている。石垣島田んぼ勉強会でフェースブックで探せば出てくる。
今回の小田原では7月の農作業を行った。まず、田んぼの観察を3回じっくり行った。分げつは24平均とみていいようだ。もう少し増える可能性もある状態と言える。ハルミとサトジマンは株の背丈が110センチ平均ある。マンゲツモチは120㎝あった。
ほとんどが1本植である。やはりイネは1本植えが健全なようだ。病気が出にくい。一番今年注目した。直播の田圃もあるが、これもなかなか良く出来た。労力的にかなり省力になるので、もう少し直蒔きを取り入れてもいいのではないかと思っている。初期の鳥害は黒い糸で防げそうだ。
どの株も根元の茎の太さは太い。株の弾力もかなり強くていい状態だと思う。これだけしっかりした株であれば大きな穂が出て来ても、倒れないのが普通だ。問題は土壌が柔らかくなり過ぎると倒れると思う。この後間断灌水でどうやって土壌を固めることが出来るかが勝負。
問題は土壌から水が湧いて居る所は土が緩くなり過ぎて倒れる可能性がある。これからどうやって水の湧いて居る所の土壌を固めるかが重要になる。倒れるぐらい育てなければ、畝取りは出来ないが、倒しても畝取りは出来ない。倒れるギリギリまで育てて、倒さないのが目標になる。
この株の大きさが本来のイネの大きさだと思う。慣行農法のイネがもう少し小さいのは、除草剤などで十分に育っていないのだと思う。有機農法で草一つない状態で育てて、充分土壌が良くなっていたら、ここまで成長するのが健全な株姿だと思う。今年は生育は早く良くなったので、穂肥を与えるのは取り止めた。穂肥を与えなくとも、畝取りできる状態まで来ているからだ。
田んぼの草刈りと、田の草とり。一日雨があったので、その日に行った。晴れていると、暑くてとてもできる状態ではなかった。汗疹が炎症になってしまって、体調が万全ではなかった。汗をかきすぎたという事がある。石垣島も今年は暑い。
小麦と大麦のとうみがけを行った。小麦は急きょ狭いところに種まきをしたにもかからわらず60キロはあった。そして、大麦は230キロぐらい。これは基本、ビール用に使う。ビール会社と契約して栽培しているのだが、何しろビール会社の方がコロナでやられている。予定通りには進まない。
小麦は製粉の試しも行った。精粉所に出すのではお金がかかり過ぎて無理だ。キロ500円もかかる精粉代ではとても自給では高すぎる小麦になる。そこで、自分たちで粉にすることにした。製粉機はあったのだ。上手く行けば問題点が解消する。小麦粉を少し持って帰れることになった。
今回は溜池の草刈りは出来なかった。暑くて、汗疹がひどくて、とてもそこまでやれる体力がなかった。夏は溜池管理も少し我慢貰うほかない。秋に来た時に頑張ろう。今度小田原に来るのは9月1日になる。