果樹園に防風土手を作る

のぼたん農園の果樹園にする場所は二反余りかと思う。果樹園を作ろうと思ったのは、やはり石垣島の良さは熱帯果樹が栽培できると言うことだからだ。農園の参加者が食べたいだけ熱帯果樹を食べれるようになれば、楽しいだろうと思ったのだ。
果樹園で大切な物は水である。そこで一番上に田んぼを作った。田んぼの水が果樹園全体を潤して、よい土壌環境になると考えたからだ。上部の田んぼから、徐々に果樹園全体に水が行く。田んぼの余り水は風呂桶に溜まるようになっている。それで苗などの水遣りをしている。
斜面である果樹園全体としては、雨が降ったときに一気に水が流れていかないようにしなければ成らない。水がゆっくりと浸透して、いつも果樹園の土壌に湿り気が残っているようにしたいと考えた。もちろん乾いた土の方が好きなものもあるので乾いた部分は作る。そこで全体を四つの土手と谷間で構成した。土手は防風を兼ねた物だ。
果樹園は下の方にも三枚の田んぼがある。その周囲も果樹を植える予定である。のぼたん農園は名蔵湾に開けた風の強い吹きさらしの場所である。風をどのように防ぐかが課題になる。そばにある果樹園を見ると扇芭蕉やヤラブなどの大木で防風をしている。
しかし、すぐに防風林が大きくなる出来るわけではないので、先ずは他の方法で、防風をしなければならない。それが防風土手とソルゴーの防風緑肥だ。そるごーは太く堅く作れば、防風壁を作れる。枯れてからも防風壁には成る。
中間に作業道を作った。作業道の南に当たる下側には扇芭蕉を62本壁になるように植えた。すこしづつ大きくは成っているのだが、防風効果が出るには後2,3年はかかりそうだ。その道を挟んで反対側には島バナナを30本植えた。ほとんどが活着して成長を始めている。

その他の40本ほどの果樹苗をシャンティー農園から購入した。その穂から15本ど購入した。現在養成中である。来年の2月頃大苗にしてから植える予定である。それまでの間に果樹園の暴風対策をするつもりだ。果樹園予定地に1.5mほどの土手を4本作った。長さは70mある。この土手で風を防ぐ予定である。
土手の高い部分にはソルゴーをまく。防風土手の上でさらに高く伸びたソルゴーで防風をするつもりだ。合せて、たんぼの畦にもソルゴーをまくつもりだ。田んぼは現在向日葵で防風をしているが、向日葵もそろそろ終わりである。向日葵の後ソルゴーで防風をする。
「ソルガムスダックス」カネコ種苗のタネである。二キロ購入した。2mに成るとある。上手くすれば、三メートルはある防風壁が出来上がることになる。谷底から見れば、かなり高い物になるだろう。7月初めには播種したい。枯れてもそのままにして、冬の西風が防げればと考えている。

これが上の田んぼから流れ出ている水を溜めるバスタブである。上手く機能している。ここから下に植えた、扇芭蕉に水遣りをした。このすぐ脇に大豆畑を今度作る。予定だ。果樹苗を植えるのは来年の2月頃なので、それまで作れる物があればやってみたい。一番上の土手の下ではまず大豆を作りたい。その他やれる作物があれば、何が向いているのか試しに作ってみたい。カボチャなら出来るかも知れない。
土手の下には水が溜まるはずなので、水が上手く流れるようなゆるい傾斜を考えたい。土手の側面も次第に草が生えてくれば強くなるはずだ。石垣の土はただ盛り上げただけでも乾けば堅くなり、しっかりした土手になると考えている。
果樹の邪魔にならないものであれば、何でも作れるのではないかと思う。果樹は5mおきに1本植えたとしても、50本は植えられる。果樹の苗が大きくなるまでの間は苗の間に色々の物が出来るはずだ。試しにサトウキビなども植えたらどうだろうか。裸地にしておくこと土壌を悪くする原因なのだから、何か作物を作りながら、果樹を大きくして行きたいと思う。
防風の役目を終えた枯れたソルゴーなどは果樹の敷き藁にしたいと考えている。2月に苗を植えた際にそのまわりをソルゴーの敷き藁を使えば良い。ソルゴーが終われば、又向日葵の種を蒔けば良いかもしれない。ソルゴーは種取りもしてみたいと考えている。
今回大きな4本の土手を作ってみて分かったことは、この半年間でも随分土壌が柔らかくなってきたと言うことだ。畑の各所に縦穴を掘ってあった。これで果樹園のコチコチになっていた土壌が、水を含んでかなり柔らかな物に変わってきた。
果樹園予定地には沢山の縦穴を掘り、その周囲には向日葵の種を蒔いてあった。向日葵は今花が終わるところなので、すべて土手を作りながら土壌に混ぜた。土壌も以前よりは大分腐植が増えたのではないかと思う。少なくとも土が良くなる方向は見えてきた。
果樹園には樹木チップも大量に積んであるので、果樹苗を植えたならばその周辺にはチップを充分にまくつもりだ。草押さえにも成るし、土壌の湿度を保つことにも成る。土壌が良くなれば、果樹も元気に育つはずだ。
先ずは土壌に腐植物を増やして行く。緑肥も良いだろうが、落ち葉を積んできて田んぼに入れたい。石垣は雨は多い。雨を上手く土壌に浸透させれば、微生物が増加して良い土に変わるはずだ。溜め池上部も将来は畑にするつもりだが、現在は穴を掘って、樹木チップを入れてある。溜め池の湧き水はすこしづつ増加してくれないかと思っている。
土壌をよくするためには時間が必要である。あと4年半で完成するように、来年2月には果樹園が始められるように進めたい。おおよその形が出来れば、あとは根気よく、自給農業を続けることだ。農業を続けることで、土壌が良いク成り、自然と防風林が作られる。
そんな進め方にして行きたいと考えている。先ずは良い方向付けである。防風土手はたぶん他には例のないおかしなやり方である。失敗の可能性も無いとは言えない。すこしづつ調整しながら、良い果樹園にしたいものだ。ここの果樹園の果実を味わえるまで元気で頑張りたい物だ。