台湾のこと

   



 久しぶりに台湾に行った。また台湾に感激した。台湾は一番好きな国だ。今回は台湾の農作物の種について教わりに行った。石垣島にとって台湾は農業先進国なのだ。石垣島の気候に適合するような品種は日本では作出されていない。

 確かに亜熱帯向け品種と言っても、沖縄という小さな範囲のことだから、品種改良から抜け落ちているような状態である。それでお米ではひとめぼれという東北向きの品種が沖縄の奨励品種になっている。当然全国で一番お米は取れない。

 東京に行った帰りに台湾回りで石垣に戻るというのが、台湾に行くには具合がいい。台湾行きの航空機は羽田から格安航空がある。羽田から、5時55分発のピーチの台湾便がある。帰りは桃園空港から那覇迄のやはりピーチの15時25分発の便である。



 以前は石垣への直行便があったのだが、残念ながら今は休止状態だ。それでも1時間で那覇に着き、1時間で石垣に着く。と言っても途中に入国審査などがあり、時間がかかるから、台北から石垣まで、4時間以上かかった。結構時間がかかった。直行便なら1時間かからない。

 羽田では天空橋にある。京急 EXイン 羽田イノベーションシティホテルにとまった。第3ターミナルに一番近いようなので、ここにした。水彩人の総会が終わり、飲み会も終わり、上野からホテルに向かった。余り安心して飲めなかった。飲み会中もマスクをしていた。もちろん今は集まりで飲むのは良くない。

 次の時には羽田の第3ターミナルにできた、日帰り温泉施設泉天空の湯に泊まろうかと考えている。そうすれば安心してピーチの早朝便に乗れる。ピーチの早朝便は満席だった。ほとんどが台湾の人だった。見たところ分からないのだが、パスポートが緑ばかりで、アカの日本の人は気づかないほど居なかった。



 台湾には朝8時前には着いた。時差1時間なのだが、時計が合せられないで困る。それでホテルには9時過ぎには着いた。もちろんチェックインは出来ないのだが、台湾の王さんと待ち合わせをホテルでしたのだ。すぐ王さんに会うことが出来て、王さんに昼ご飯をごちそうになりながら、種苗の話を色々聞くことが出来た。

 おおよそ台湾の様子は分かった。台湾では割合イネでは日本の種苗が作られている。しかし、基本台湾からは出さないと言うことらしい。政府の発行する証明書が必要と言うことらしい。そこで今回は特に種苗を手に入れることは考えないことにして。台湾のお米を食べて見ることにした。確かに美味しくなっている。

 これから、日本でも台湾のお米を食べる時代が来るかも知れない。大豆は台湾で改良された大豆もある。ごく普通のスーパーにあるもので、品種も不明。だが。これを購入して、日本に持ち込んで良いのかどうかが疑問。お米については、当面「とよめき」を作ることにしたいと思う。

 

 台湾では市立美術館で現代美術展を見た。なかなか興味深かった。面白かったのは、放送禁止歌謡曲に、テレサテンさんと、オヤンフィーフィさんのうたが入っていた。退廃的ということになるのか。台湾の民主主義化の道も多難だったに違いない。

 放送禁止歌謡曲が、市立美術館での現代美術展で流れていると言うことがどうもおかしい。真っ暗の部屋にキャバレーの回るライトのような照明であった。現代美術と言えるのだろうか。時代をとらえるという意味では美術作品よりもはるかに分かるところがあった。

 現代美術も日本の影響はかなり感じた。しかし、わずかだが少し屈折した感じがした。日本の現代美術はきれいごとのインテリの芸術に見える。台湾の特に光を使う作品はかなり面白かった。船の骨組みが影としてスクリーンに映っている。するとその骨組みに私の影が表れてくる。この感じがなかなかよかった。

 そう全体に暗闇の作品なのだ。わずかに漏れてくる光で見るというような作品が多い。光をいろいろ工夫して、作品に動きを出しているものが多かった。かえって、がっちりした木の作品で面白いものがあった。あまりに巨大な樹木の塊から、重量感のある作品に力を感じた。木霊が宿っていた。

 

 いわゆる絵画というものは今回はなかった。現代美術に絵画は入らないのか。まあ日本もそうかもしれない。食べ物はどこもおいしかった。毎食あまりにおいしいのでついつい食べ過ぎた。体重を増やして帰ってきた。700グラム増えていた。

 といっても3日間の歩いた総数は6万歩だった。これだけ歩いてもまだ体重が増えるのだから、よほど食べたわけだ。確かに台湾は食べ物がおいしい。台湾でまずいものを食べたことがない。どこで食べてもおいしいものばかりだ。朝6時に街に出て町の朝食を食べた。これが絶品。

 写真は素麺を煮込んで、そこに豚モツと蠣が入っている。300円くらいなのだが、絶品である。龍山寺そばにある。龍山寺そばは路上生活者の集中する場所だ。警察官がいつも見回っているような場所なのだが、私は怖い想いなどしたことはない。

 

 国際芸術家村にまた行った。雰囲気をとても気に入っている。大学生の頃からこういうことをやりたかったのだと思う。30人ほどの作家が小さなアトリエを構えている。下のほうには、これとは別に映画学校のようなものがあるらしい。いかにも世界中から集まっているという感じがある。

 日本人も何人かいるようだ。どんな暮らしをしているのだろうか。見たことはないが、台湾の人と日本の人を見分けることはできないので、わからないのかもしれない。1軒飲み物が飲めるお店があるのだが、コーヒーでも飲もうと入ったのだが、お店の人が居るのかいないのかわからなくて、飲めなかった。

 

 台湾はめまぐるしく高度成長している。それは中国と同じなのだが、古いものを上手く取り込んでいる。台湾の現代史はそれはどの国よりも厳しいものである。そして今も、中国から併合を迫られている。この圧迫の中に、素晴らしい国作りをした。

 民主主義は実行までに時間がかかるが、良い空気が流れる国になる。中国も良い国に向かうはずだったのだが、余りに巨大な国で、経済成長を優先したら、国家資本主義国になったと言うことなのだろう。民主主義が交代すると、空気の悪い国になる。

 今度は蘭展に行きたい。と言っても3月初めだからすぐだ。行けるだろうか。心配になる。台湾ではすばらしい人に会うことが出来た。随分お世話になった。蘭展の時には案内するからと言ってくれている。余りに親切なので気が引けてしまう。台湾の人は世界一優しい。

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