ひこばえの7月8日の様子

3番田んぼのひこばえ。品種は沖縄県の奨励品種である「ミルキーサマー」。美味しいのだけれど、とても作りにくい。葉が13枚までしか出ない。早い田植えで、40㎝角植えした、作土が深く良い状態の場所で、かろうじて15枚葉が出て満作株になった。
昨年も「ミルキーサマー」のひこばえをやったのだが、一次分節からのひこばえが出ないために、生育が2段階になる。低く刈り戻し、深水にして育てて、一次分節からのひこばえを取ろうとしたが、やはり一次分節からのひこばえは少ない。これは品種特性で、ひこばえには向かない品種と考えた方が良いようだ。
それでも、もう少しひこばえを育ててみて、収穫まで持って行きたい。どこかで、穂が出てきたら、不稔を減らすために防風ネットをまた戻したいと考えている。不燃が風の影響のためなのか、他に理由が例えば水不足のような原因があるのかはまだ分らない。

6番田んぼのひこばえ。ここも「ミルキーサマー」だが、40㎝角植え。手前はとても良い成長だったのだが、ひこばえになりそれ程良い状態ではない。むしろ稲刈りの時にあまり良くなかった奧の方が良いぐらいだ。ひこばえは一期目で十分に実りすぎると、良いひこばえにならない傾向がある。
イネ株が力を使い果たした形になり、再生力が弱まるようだ。奥の方は鳥に穂を食べられたために、根が力を残している状態で、良いひこばえを出してくる気がする。それでも新しい根が再生し始めると、株は新たな生育の段階に入るので、まだ期待はできる。
ミルキーサマーでひこばえをやるのは、難しいようだ。肥料を多く必要とする品種はひこばえには向かないかも知れない。昔の野性的な稲の方が、良い一次分節からのひこばえを出す。インディカ種とジャポニカ種の交配種の方が、良いひこばえを出す傾向が強いようだ。

2番田んぼの沖縄の奨励品種の餅米「ゆがふもち」すでに穂を出し始めている。ただ全体がばらついているのは、刈り戻しをしなかったと言うこともある。稲刈りをして、そのままの状態である。稲刈り前の追肥とか、分ゲツ肥料とか一切入れていない。
「ゆがふもち」の方が、いくらか良いひこばえを出す品種である事は確かだ。それでも、かなり薄黄色の色素の無いような株がある。これを病気だと言う人が居るが、何度もやってみてこれは病気でなく、根が弱った株だと言うことが分るようになった。
親株の時に全く病気がなかった株が、稲刈りをしてそこから出てきた株が病気になるはずがない。間違いなく、値が弱った株は黄色い弱ったひこばえを出すのだ。それは取り払い、新しく株分けをして植えた方が良い。ただ、値が弱らないような強い品種を健全に育てることが先決だろう。

1番田んぼのひこばえは「台光」の2日目のひこばえ。2度目の稲刈りをした後のひこばえである。3回目の収穫を目指している。昨年も3回目までは出来たので、出来ることは分っているが、今回は何とか4回目を目指している。
土壌が一年間湛水状態である。これが稲にどう作用して行くのだろうか。現在掘り起こしてみると根は大分弱っている。ひこばえは根を新たに出すので、前の根はダメになっても良いのだが、新しい良い状態の根が出る環境にあるのかどうか。
今のところは、再生した根が出た株から、何とか再生ひこばえが成長を始めている。緑の濃いしっかりした葉が出てくるので、まだの株と再生した株の違いがよく分る。一定量再生できない株が表れるのは、仕方がないことかも知れない。

小学校田の「ひとめぼれ」作りにくいので、品種としてはあまりやりたくなかったのだが、種は小学校で用意してくれたものなので、ひとめぼれでやるほか無い。大分県産だそうだ。来年は品種を帰るというのもあるかもしれない。台光とか、ハッピーヒルとかなら安心できる。
今年あまりに出来が悪ければ、来年はつくり安い品種に変えさせて貰いたいと考えている。今のところは何とか出来ていて、現在11葉期ぐらいだ。分ゲツ20平均ぐらい。金曜日に作業があるので、追肥をするつもりだ。葉色板で色の確認をする。分ゲツ数と背丈の記録も取る。
幼穂が茎に入ったかを手で触って確認する。本来切り開いて長さを見るところだが、そんなことをしなくても、茎の根元の形状でおおよそは判断できる。どのみち有機栽培では穂揃いはバラバラになるので、厳密なことを言っても仕方がない。何とか15枚葉が出ないか願っているが多分無理だろう。

北陸193号の苗代。沖縄でも15枚葉が出るという晩稲品種の北陸193号を試験栽培している。播種が終わってから、突然豪雨が降ったために、どうなるか分らないが、どうも稲が流されておかしくなったかも知れない。
あと数日様子を見てだめであれば、場合によってはまき直さなければならない。十分の種が冷蔵庫に保存してあるので、心配はない。今日見てから決めたいと思う。北陸193号は味が悪い多収米と言うことだ。現在やはり味が悪いというハッピーヒルも作っている。
どちらが味が悪いか較べようと冗談を言っている。味が良いとか、悪いとかよりも、ともかく安定して十分に出来るお米でなければだめだ。まだ石垣島ではそういうお米に出会っていない。「にこまる」と言う品種の苗を貰ったので、それも試しに植えてある。ともかくあれこれ試験栽培を続けるほか無い。