籾すりがやっと年内に終わった。

   



 12月30日に籾すりを行った。今年のお米の処理がやっと終わった。今年はのぼたん農園の初めての年でまだ試験栽培という段階だ。お米の収穫量は少なかったがみんなに配ることが出来て、それなりに安堵感がある。こんなに籾すりが遅れたのは、機械小屋の完成が遅れたからだ。

 機械小屋は6月が完成予定で進んでいた。それがまだ完全には出来上がっていない。なんと言うことだろう。理由は様々在ったが、これぐらいの遅さで当たり前らしい。そういえば、家が出来上がるまでも、理由の分からない不可思議な延期が繰り返されていた。

 一番はお役所仕事がコロナで延々と延びていった。最後は余りに腹が立って、抗議に出掛けた。何しろ担当職員がコロナで休んでいるのだから、仕方がないだろうというのだ。つまり一人が担当していて、その人が休めば平気で一ヶ月も延びる。こんなこと、あんなことで半年延びた。

 それでも1年目で機械小屋が出来たことは良かったとしなければならない。まだ機械小屋は台風対策や周辺の強化などやりたいことがある。特に休憩室はどうしても必要なことだと思う。昨日も作業をしてきて雨が降り出した。機械小屋の中にいれば濡れないのだから、随分ホットした。

 籾すり機を中古で購入した。小田原の渡部さんに頼んで、茨城の方まで取りに行ってもらい、沖縄に送ってもらったのだ。有り難かった。脱布式の籾すり機は石垣島にはないらしい。みんな始めてみると言っていた。ローラー式よりも自給農業には向いていると思っている。

 コンテナに預けてあった。随分長いことコンテナの中にあったので、随分汚れてしまった。掃除が驚くほど大変だった。籾すり機の機械の整備も大変だった。籾すり機は広いところで、すべてを外して回しながら、コンプレッサーでゴミを吹き飛ばさなければ掃除は出来ない。

 50ヘルツから60ヘルツに対応するために、プーリーの交換が必要だった。石垣島で売られているプーリは適合する穴のサイズがなかったので、鉄工所で旋盤で開け直してもらった。これは普通には考えつかないことだった。干川さんの長い石垣島での経験が生きた。直して貰ったものはぴったりとはまった。

 プーリーを換えればベルトも変えなければならない。こういうことを自分たちで出来るのは干川さんの長年の経験があるからだ。石垣島の農業者として、継続するためには自分で機械が直せなければ無理と言うことになる。機械のことは有り難いことに日々学ばせてもらっている。

 電気はまだ3層200ボルトは来ていない。電気そのものが工事仮設という状態のままだ。何しろ、正式に引けるのはまだ半年ぐらい先になると言うことだ。どうものぼたん農園の前を通る電線は、電力不足らしい。ここは崎枝半島。

 トランスを付け替えなければ電気は来ないらしい。トランスを付け替える工事というのがまだ半年ぐらい先になる。ここは石垣島なのだから仕方がないことだ。あえて希望を述べれば、半年も前に電気は申請したのだから、その時に分かることではなかったのだろうか。言ったところで仕方がない。

 そこで今回は発電機を借りてきて今回は機械を動かす。今回のやり方が上手くゆくならば、200ボルト電源は引かないでも良いかとも思っている。籾すり機の電力から言って、3㎏の契約をしなければならない。電気をまったく使わない月は2500円。2ヶ月だけ200ボルトを使うとして、年間4万円くらいになる。

 もし発電機を借りてくると、8回借りられる計算になる。借りてくるとしても年間4回ぐらいがせいぜいだろう。昨日の発電機の使い勝手から言って、借りてくることはそれほど困難なことではないようだ。初めての経験だったが、電気については何の問題も無かった。

 自給農業では三ヶ月ごとに籾すりをするというのが、お米の保存から言っても一番良いやり方ではないだろうか。石垣島では保存と言うことがとても難しい。石垣島ではお米はいつでも作れるのだから、時期をずらしながら作ってゆくのが一番賢いことになる。

 一回目の播種を1月に始めて、二回目の播種は3月に始める。今年の場合、下の方の田んぼの9,10,11番は3月播種にする。次は6月の収穫のひこばえになる。全体をこうしてずらせば、一年4回の収穫が出来る。20㎏づつのお米が、三ヶ月ごとに配られれば、理想的ではないだろうか。

 20㎏の玄米であれば、各家庭で三ヶ月保存すると言うことで、何とかなるだろう。石垣ではお米に虫がすぐ湧いてくる。これを防ぐのであれば、ぱっくんを使って真空パックしておけば良い。5㎏づつ3袋。1袋はすぐ食べる分。経費的にも安上がりだ。

 発電機方式は価格的には明らかに借りた方が良い。半額で済む。面倒とか必ず借りられるかなど問題が無いわけではないが。しばらくは借りて済ませて、どうしても無理なようなら200ボルトを引くことにしたい。たぶん大丈夫だろう。

 籾すり機は使用後ぜんぶ開いて、空転してコンプレッサーでごみを飛ばした。ずいぶんのゴミが出てきた。お米という食品を扱うのだから、できる限りきれいにしなければならない。それがなかなか難しいものだ。ともかくネズミがお米によってくる。機械小屋の
ネズミ対策は徹底したい。
 
 小麦は種籾が何故か行方不明になってしまった。どうしたのだろう、どうしても見つからなかった。仕方がないので種籾を手に入れるところからやり直しだ。最近私がやることはこういう失敗が増えてきた。コンテナの中に入れておいたのだが、片付けの時に捨ててしまったのかも知れない。

 小麦はそれでも播きたい。小麦の種をどうして手に入れようかと思っている。困った。もう一度出直しである。
 ジャガイモを植えてみようかと思っている。出来るのかどうかは分からないが、種芋らしきものがあるので、試験栽培をしてみようかと思っている。大晦日のジャガイモの植え付けというのもおかしいものだが、何でもやらないことには分からない。
 今年一年、のぼたん農園の冒険は、どきどき、はらはらであった。未知の領域に進むと言うことはおもしろいことであった。石垣島で有機農業、確かに困難を極める。それでも1年目でそれなりの収穫が出来たのだから、前途有望だとは思う。
 サジオモダカは極めて順調な生育を見せてくれた。品種が適合して、栽培の流れさえ把握すれば、石垣島でも有機農業は可能だと言うことは確かなことだ。

 - 楽観農園