スマート ステイ SIZUKU

   



  スマート ステイ SIZUKUというところに泊まった。品川の大井町にあるサウナというか日帰り温泉である。日帰り温泉である上に、カプセルホテルが付いている。これは私向きのものだった。大井町に行ったのは中学生のころ以来だから、昔の様子も当然にない。

 浦島太郎状態であるが、中学生のころ自転車で何度か来たことがある。なんで来たのかは正確には覚えていないが、犬を見に来たのではないかと思う。あの頃愛犬の友を見ては、見たいイヌの広告があると、自転車であちこちへ出かけて行っていた。

 あの頃は松陰神社に住んでいた。山本先生の家が荏原町にあったから、先生の家まで何度かお伺いした。その時に大井町まで行ったかもしれない。恵原町辺りは大井町ほど変わってはいない。テレビで時々商店街が写されることがあるから様子がわかる。

 カプセルホテルと言うと眠れるかどうかという事だろうが。十分に眠れる。全く問題がない。回りで音がしているので眠れないというような繊細さはない。枕が変わろうが、布団が変わろうが何ともなく寝ている。特技というより体質かもしれない。

 若い頃とは違って、どうなったってたいしたことはないという気分がある。だから怖いとか不安とかいう感情はずいぶんすり減った。カプセルホテルのような設備であれば、寝るのには十二分である。避難所で寝たこともあるが、さすがにこれはダメだった。病院の付き添いで床で寝たこともあるが、これは大丈夫だった。

 何かおかしいようだがカプセルホテルは家でよりよく眠れる。スマート ステイ SIZUKUは大井町と上野にあるようだ。今度は都美館に行くときは上野の方に泊まればいい。すぐ予約を入れた。10分も歩けば、美術館まで行ける。弁当を買って、美術館に通えば、実に合理的だ。

 もちろん、都美術館の食堂で食べてもいいのだが、コロナ以来人込みでご飯は食べにくいのだ。まだ1,2年は昔のような気分にはもどれない。上野公園のベンチで食べれば安心である。外なら大抵の所が大丈夫だ。4回目のワクチンという事になるのだろうか。

 スマート ステイ SIZUKUは一泊何と2980円。10日泊しても3万円。これなら小田原から通うよりは安い。水彩人展開催期間は身体も楽だ。不安な電車に乗らないでも良い。その上になんとサウナに入れる。これが素晴らしい。

 スマート ステイ SIZUKUのサウナはどうだったかと言えば、合格点である。清潔という一番大切なところが確保されていた。満点ではないのは、サウナには6人しか入れないせまさにある。これで満員になっていない点にも驚いた。何故なのだろう。こういうサウナが沢山東京にはあるのだろうか。

 サウナ温度は100度越え。水風呂は14度。これはなかなかの熟達者向き。小田原で通うコロナの湯はサウナ90度。水風呂17度。最近若い人がサウナに行くようになって、肩身が少し緩くなった。昔は堂々とサウナに行くなど言えなかった。どこか情けなく恥ずかしい位のものだ。

 変わったのか若者が変えたのか。昔はほとんどが中年以上の肉体労働者中心に、筋肉疲労を回復させるために通っていた。私のような、やせこけた貧相な人間はめったにいないから、目立つぐらいだった。今は若い人ばかりだから、違う意味で目立つかもしれない。

 私流のサウナ利用法を書いておけば、とりあえず9分のサウナを3回。2分の水風呂を3回。先ず体を良く洗う。汚れた体でサウナに入れば迷惑。その前にメガネ腕時計はロッカーで外した方がいい。メガネのコーティングが剥がれた経験がある。時計はサウナで壊れた経験はないが。

 9分のサウナ法は3回に分けている。最初の3分が均しの3分。身体を熱い空気に成らす気持ち。次の3分が味わいの3分。暑さを味わい楽しむ3分。そして最後の3分がサウナの3分。この3分で汗を十分にかけないといけない。汗の出が悪いようなら、延長しての、治癒の3分。何か問題があるのだから、我慢して身体を直す3分。

 その間3回の水風呂に入る。水風呂は一回に200数える。かなり長い。みずがこれは17度ぐらいの場合だ。しずくでは水温が14度これは冷たいほうだろう。気持ちは良いが、じわじわと沈み込む。年寄りは飛び込まない方がいい。そのまま天国に飛び込む事になる。

 水風呂ではなぜか足が痛くなる。足がしびれるように痛くなってきて我慢できなくなり出る。余りいたいと歩けないのでその前につかまり立ちでよたよたと水風呂を出る。足元はどこのサウナも滑る。若者が相次いで飛び込んでくるので要注意。

 水風呂14度は200数えるのは無理だろう。2分ぐらいでもいい。しずくはサウナも高温である。100度越えだ。ここまで高いとびしっとして汗をかけていい。この温度だとどんな時でも汗をかける。十分汗をかけば、体調は悪くない。汗かくのは大切なことだ。100度越えだと治癒の3分は要らない。

 そして、サウナを出てハイボール2杯。泡盛はないから仕方がない。つまみはあぶったイカはないから、から揚げポテト。枝豆ぐらいで結構。これで眠くなったので、カプセルに入り込み熟睡。と言う前に寝入りばなに、眼薬を思い出して仕切り直し。良く思い出したものだ。


 翌朝も4時に目が覚めてしまうから、まずは寝床の中でブログを書いて終わったら、もう一度サウナに行く。これが最高の、ささやかなぜいたくである。9分のサウナ3回。2分の水風呂3回。夏は最後に体を冷やす水風呂に入らないと汗をかいて仕方がない。

 それから、着替えて、朝食。と思いきや大井町では朝食無し。上野は予約制であるようだ。サウナがあり、酒が飲めて、寝る場所がある。ささやかな理想郷だ。東京に行ったときには利用させていただきたい。こういうところは細かい要領が違う。

 例えば、しずくにはゴムマットがある。最近はコロナにもある。スポンジマットがあるのに使わないで入るのはいささか、問題となる。そこのサウナの仕来りのようなものもある。慣れるまでは戸惑うところがある。ついでに書いておけば、しずく出たところには外で食べて飲める中華屋がある。

 朝出るときに気づいた。夜ここで食べればよかったかとも思ったが、サウナを出て着替える気にはなれなかっただろう。酒は何でも構わないのだから、サウナのお酒で十分である。それにしても1杯目と2杯目で味が大分変わった。何故だろうか。

 - 日帰り温泉