田植えを23日に延期した。
2月20日の田植えを23日に延期した。田植えの予定を変えるのは初めてのことである。20日21日にこの冬一番の寒気と暴風雨が来ると天気予報が伝えていたからだ。現在13.2度になっている。雨だけなら田植えを決行したいのだが、寒気を伴う強風は苗の活着を悪くするし、枯らしてしまうこともある。致し方ないので延期することにした。
そして予定日であった20日には、2番田んぼにだけ直播きをしたてみた。線引きで線を引いてそれに沿って、溜め池に漬けてあった種籾を播種した。田植えが延びたので、いまやれることを進めておこうと考えた。種籾や発芽一週間くらいの期間は寒さにも日照不足にも影響されない。
延期した23日も雨が予想されている。雨の中の田植えになり、参加者も少ない可能性がある。その分一カ所の田んぼだけでも先に進めておく事ができれば、助かることだろう。直播きの部分は現在遅れて4葉期辺りだ。早く日照に戻って貰いたい。
それでも、苗代の稲よりも直播きの稲の方が色も濃いし、がっしりしている。苗はやはり密よりも素であればあるほど良くなる。ということは苗代で苗を育てるよりも、直播きの方が良くなるはずだ。そもそも自然農法に田植えはおかしい。
2番田んぼ2畝に直播きした種籾は「とよめき」である。20日の田植え予定だったので、そのあと5番田んぼに蒔くつもりの種籾だった。家に持ち帰り、冷蔵庫に保存しようかとも思っていたが、2番田んぼに直播きしてしまう方が良いだろうと考えた。
5番田んぼの種籾はすでに溜め池に沈めてある。種籾を多めに準備してあることがこうした場合生きてくる。種籾はもう一回やり直しができるだけいつもとってある。まだ種籾は別に何キロか準備がある。もしこの後、6番、7番、8番と直播きすることになれば、充分播種できる分が準備してある。一段落したあとまた蒔くことは可能である。
それでも、5人いなければならない。幸い5人の人が10時に集まった。すぐにお願いして、線引きを組み立てて、線を引きをして直播きを始めた。12時頃には直播きが終わった。線を引いてから種を蒔くという調子で、始めてやる人がいたのだが、要領よく終わった。
この調子であればぜんぶ直播きでやるとしても、25人がいれば、午前中ですべて終わると言うことになる。直播きで上手くゆく公算が高まってきた。あとは雑草の対応である。数年は雑草は無いから大丈夫が、そのあと同雑草を抑えるかである。
雑草対策が何とかなるのであれば、直播きは楽で良い。雀がのぼたん農園にはいない。ネズミはいるのだが、水があるからか今のところは食べられていない。ただ、2畝で一キロの種籾が必要である。播種に慣れれば減るのだろうが、どうしても多く播いてしまう。
田んぼは深い部分があって、かなり歩きにくかったが、2時間に満たない時間であれば、何とか耐えられる作業のようで、すこし安心した。20日に延期した23日の予行演習が出来た。線は雨で消えるとすれば、その日に引きながら、田植えするのであれば見えなくなることも無いだろう。
今回圷さんが作ってくれた、線引きはかなりの優れものだ。50㎝のボルトを一間の板に、きっちりとドリルで穴を空けてとめてある。しっかりしていて線がはっきり引ける。しかもかなりの耐久性があり、10年くらいは使えそうだ。
今日田んぼに行ってみて、昨日引いた線が雨で消えていないかどうか、確認してみる。見えないようであれば、思い切って線引きは当日の朝やりながら、田植えと言うことにする。線引きをする人には9時からすぐ作業に入ってもらう。30分説明をして居る間に最初の田んぼの線引きが終わるだろう。
23日の田植えには3枚の田んぼの手植えの田植えと、5番田んぼの水牛コロバシャと言うことになる。雨が降るとしても20人は少なくとも人が集まる。7人ずつで2畝の田植えだから、雨の中、ゆっくりやっても2時間で何とかなるだろう。
水牛コロバシャの方は福仲先生と干川さんにお願いして、できるだけ子供達にやってみて貰いたい。水牛のワカバはコロバシャ、サクラは出来れば乗って貰う。水牛のコロバシャは絵になる。伝統農業を表している。報道の人等もそちらに集まるだろう。
雨の中取材も大変だろうから、のぼたん農園の活動内容を説明した、簡単なチラシを作り、みんなさんに配りたいと思う。報道の皆さんに来てもらえない場合は、各社に写真を付けて送れば報道して貰えるところもあるかもしれない。
23日は午前中に終わりたいと考えている。雨の中、午後までやるのは初めての人には無理だと思っている。できるだけ多くの人に参加して貰い、「のぼたん農園」を知っていただくのが、今回の目標である。
特に崎枝周辺の方に参加して頂き、こんなことを始めているのかと言うことを知ってもらいたい。説明と連絡先の案内文を作って手渡したいと思っている。何をやっているのだろうかと不安な人も多いのではないかと思っている。食糧自給のための体験農場というものが、どんなものなのかを知ってもらいたいと思っている。
「のぼたん農園」開設の案内 2022.2.23
「のぼたん農園」は自給のための体験農場です。稲作農業は今後日本全体で生業としては継続が難しくなると考えています。しかし、石垣島におけるSDGs の観点からも田んぼはとても重要なものです。ラムサール条約では田んぼを湿地として認めているところもあります。自然環境の保全と食糧自給が出来るのが稲作農業です。
特に伝統農業としての稲作は、石垣島の文化とも深く結びついているものです。石垣島の田んぼを残すためには、2つの方向があるかと思います。一つは流通まで考えられた、大規模、機械化稲作です。すでに石垣島でもその方向は始まっているようです。そして、もう一つがその対極にある、販売の必要の無い手作業中心の伝統農業による、自給のためのイネ作りと考えています。
「のぼたん農園」では200㎡の田んぼと、100㎡の畑を組み合わせて、100坪の自給農業を提案して行きます。人間一人は100坪の土地で1時間働けば生きて行けます。これは私の40年の体験から出て来た結論です。食糧の自給は仕事の気分転換の時間でも可能なものです。これから、様々な仕事がリモートワークとなり、遠隔地でも可能になることでしょう。石垣島の素晴らしい自然環境の中で、働きながら食糧自給する人が現われてくると期待できます。
そのためには自給のための農業技術の習得が必要です。自給農業を共に実践し、学ぶ場所を「のぼたん農園」で提案して行きます。3.6㏊ある農場が完成するまでに5年間がかかると考えています。熱帯果樹園と水牛牧場を併設します。また、石垣島で有機農業による稲作を始めるための人が利用できる、一通りの稲作機械と脱穀機や精米機を準備して、小さなライスセンターを作ります。今年中に完成するために、現在設計をし申請を準備しています。