第27回 水彩画 日曜展示
第27回 水彩画 日曜展示
84「フサキ岬の畑」
中判全紙 ファブリアーノ
2020.11
85「嵩田排水路からの田んぼ」
中判全紙 ファブリアーノ
2020.11
86「フサキ岬の森」
中判全紙 ファブリアーノ
2020.11
三点ともかなり薄い着色である。一気に描けた繪である。どの繪も二回から三回で描いている。海を陸の部分と同じ比重で描いている。画面の中では海も、陸も同じものにしたい。海の色がだんだん出せるようになってきた気がしている。
84は土の色を強めに描いている。濡れた石垣島の土は赤く見えるときがある。これが風景を生き生きとしたものにする。手前の茂みに咲く花は赤花である。ここにあるわけではないのだが、入れたくなった。
85の田んぼの実りの繪は石垣島では始めて描いた実った状態かもしれない。良く出来た田んぼで重く実っている穂の波。これを描いてみたかった。後は見えたとおり描いている。田んぼの広い連なりが魅力的な場所だ。又ここも新しい写生地になりそうだ。
空が田んぼの上を覆って欲しいと思いながら描いていた。これが難しい。空は一番面白い部分とも言えるのだが、なかなか納得が行くところまでは描けない。石垣島では抜けるような青空が滅多にない。いつも雲がある島というものはそういうものかもしれない。
空も海と同じで、同じ密度で描きたいのだが、なかなかそこまで描けない。水彩画の同じ密度と言うことが、どういうことなのかまだ分かっていないのだろう。例えば周辺を白いまま残すいわさきちひろのような水彩画があるが、あれでは嫌なのだ。
86のフサキの森は緑の複雑な様子が何度見ても面白い場所なのだ。森を上から見る。手前にある牧草地と海に挟まれて一段と面白い。海際の濃い樹木の帯がその向こう側の海とどう関係するのか。この辺が遣りどころだと思うのだが、まだやることはありそうだ。
だんだん石垣島の樹木の濃厚な感じは捉えられるようになってきた。この森は人が入り込めないような密植状態なのだ。緑の濃密さがなんとも言えないすごみがある。映像的なもので無く。生い茂る匂いまで漂うような森。