「小さな田んぼのイネ作り」 ⑩ 10週目の観察

   

 田んぼは7月6日に種まき10週目。田植え5週目に入った。イネは10葉期に入っていなければならない。また、分げつは10平均になっていなければならない。この日に例年定点観測をする。
 
 同じ場所で写真を撮り、過去のものと比較する。10株の分げつを数えて、平均分けつ数を出す。これが10以上であれば、順調な生育として良い。10以下であれば、何か改善点があるという事である。その年すぐに改善できないことかもしれないが、原因を考える必要がある。
 
 今年の10番田んぼは10段階の9の出来である。分げつ数が少し取れていない。最高の出来とは言えない。理由は田植え以降の日照不足である。
 
 梅雨が長引くと収量にも影響が出る可能性が出てきている。他所の田んぼも久野周辺の田んぼを見るところ、生育はは今一つに見える。
 
 株を握ってみると、それなりの堅さにはなっている。日照さえ回復すれば、一気に分げつが増加してくると思われる。この時期の株の堅さを必ず確認する。触らないと稲の状態は分からない。葉の厚さや茎の太さが充分あれば、弾力のある感触。これを覚えて、例年の状態を記憶する。もし柔かいようであれば、何か成育に問題が起きている。
 
 今年の場合であれば、日照不足が一番影響して、硬さの点でも10段階で9の判断である。
 
 田んぼに入り土壌の状態を確認する。歩いて見て、泡がどの程度である。泡は必ず出る。この泡の匂いを嗅ぐ。田植え5週でどぶ臭いのでは、どじょうの発酵状態が悪い。根も十分に生育していないと見なければならない。泡がほぼ無臭になっていてほしい。
 
 土壌は漉き込んだ腐植質が分解が進み土壌になじんできている。手で表土を触ってみて、ぬるっとしたすべすべの感触が欲しい。これが微生物が作り出した、トロトロ層である。田んぼの水を土に障らず動かしてみるとすぐ舞い上がるような軽さである。
 
 トロトロ層がより多く形成されるような土壌にしなければならない。腐植になる、緑肥の漉き込み、藁をたい肥化して土壌に戻す。これを繰り返して行けば、腐植の増加が起こり、微生物の量も増加し、トロトロ層の増加が起きる。年月がかかることだ。
 
 10週目の観察の結果、大きな問題がなければ、12週目か、13週目に穂肥を与えることになる。10週目で12分げつを超えるような過繁茂になっていれば、穂肥は当てる必要がない。また、8分げつ以下の状態であり、土壌に問題がある時には、穂肥を与えることはできない。
 
 もし土壌が臭い不安があれば、干しを早めに一度入れる。一度乾かして、ガス抜きをして、改善がみられることもある。そして、その後は間断灌水にして行く。間断灌水とは、一度入水を止め、ほぼ水が無くなるのを待ち、再度水を入れる。これを繰り返してゆくこと。
 
 一般には12週から13週目の穂肥を与えた後、間断灌水に入る。間断灌水は稲に水位の変化で、穂を作るように合図することでもある。イネは長江中流域の河畔の植物である。水位の増加に反応し発芽し、水位の変化の減少で実をつける。
 
 ただし、イネの花が咲く時期だけは水が欲しいので、乾かし過ぎないように注意が必要である。
 
以下欠ノ上田んぼ全体の状態である。2番、15番、が最高の状態。1、3、が入水口の田んぼで現状いま一つ。平均で8,5ぐらいの出来。少し遅れ気味と言える。天候の回復を願うばかりである。
 
 
1番田んぼ7
 
2番田んぼ11
 
3番田んぼ7
 
 
4番田んぼ8
5番田んぼ10
 
 
6番田んぼかな 10 
 
7番田んぼ10
 
 
8番田んぼ10
 
 
9番田んぼ10
 
 
10番田んぼ9
 
 
 
12番田んぼ9
 
 
14番田んぼ8
 
 入水口付近の生育が今一つである。
 
 
15番田んぼ11
  今年初めて田んぼにした。大豆の後田んぼになった。糯米の喜寿糯と、マンゲツモチであった。とても良い出来である。この後の生育が楽しみである。

 - 「ちいさな田んぼのイネづくり」, 稲作