石垣島泡盛で古酒(クース)を仕込む

   

石垣島では建前や新築祝いに泡盛が送られるらしい。嬉しいことに40本ぐらいの泡盛がそろった。ラベルが祝い用になっている。そこで、かねてから用意の5つの甕に泡盛をクースに仕込んだ。贈り物だから、様々な泡盛がある。まずは、「玉那覇酒造の玉の露」石垣島最古の泡盛製造所である。私の家のお隣になる。これをまず一つのに仕込んだ。次が「八重山酒造所の八重仙」そして「請福酒造の請福」さらに「仲間酒造所の宮之鶴」これで4つの甕になる。最後にもう一つ「玉那覇酒造の玉の露」を仕込む。一斗甕が3つと、5升甕が2つある。1斗甕だから18リットルと思っていたが、21リットル入った。84リットルの泡盛を仕込むことになる。一年経過してから飲むことにする。前から貯めてあるお酒が、小田原の方にあるからだ。一年は持つ予定である。毎年10リットル飲むことにする。1回に50cc飲んで200回ということだから、ちょぴりづつである。お酒はのちょぴりづつが良い。

石垣で古酒を仕込むということは、自分が飲むということが主目的ではない。首里王朝の接待と同じ気持ちなのではないだろうか。もてなしである。時間をもてなすということだろう。これほど大切にしてきたものでもてなしたいという気持ち。私の家の泡盛甕は8年半で一巡することになる。クースというものは、飲んだだけ泡盛を継ぎ足してゆくしきたりになっている。今年もこれだけ飲んだのかと、隣の甕から注ぐ。そして減った甕には新酒を加える。戦災にあう前の沖縄では、あちこちに100年クースがあったそうだ。始まりが100年前で継ぎ足してきたということになる。だから、もし私が100歳まで継ぎ足せば、30年クースということになる。それはきっと酒好きの誰かに引き継がれることになる。そしてそれがいつかは百年クースになる。形に残る受け継がれゆくおもいが甕に満たされてゆく。その思いを飲むのが泡盛文化のような気がする。

石垣の4つの酒造会社の泡盛がそろった。ほかにも酒造会社はあるのだろう。さらに高価なお酒もあるようだ。が、いただいたものは意味の入り方が違う。皆さんが普通に飲まれるお酒をくださったと考えていいのだろう。それを甕に仕込むところに気持ちがこもる。石垣に住み始めた記念に皆さんがくれた泡盛だよ。その始まり方が気に入っている。これから買う泡盛は玉の露に限る。ほかのお酒に玉の露を加えてもいいと思っている。人によるとお酒のブレンド割合でおいしくなるという人もいた。お世話になるお隣さんなのだから当然玉の露だ。どれも30度とあるが、本来クース用のものはもう少し強いものになるのだろうか。時間の経過で度数は下がりそうなものだ。別段強い酒が好きというわけでもないので、下がってかまわない訳だが。10年クースは飲んだことがあるが、その味の良さはわからなかった。正直に言えば、酒好きではないから、酒の味は少しも分からない。分からないのに酒は不思議なものでについ飲みたくなる。酒を飲むにはいろいろ言い訳がいるのだ。




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