イネ作り播種2週間の苗床
2,5葉期ぐらいの苗の様子。10センチ以上ある。地面がだいたい水没する程度に水をためている。昨日の水温は日中は27度あった。
今年のイネの苗作りは4月21日の播種から、暖かい日が続いている。寒いというような日は一日もなかった。これほど暖かい苗床は初めての経験であった。寒さ対策よりもいかに暑さを緩和するかというような、思ってもみない展開になった。さすがに稲の生育も過去に例がないほど早い。2葉期をすでに過ぎている。田植えまであと3週間であるから、極めて順調な生育といえる。この間、ビニールを締め切ったところと、時々ビニールをとったところ、そして、1週間後にはビニールを取り去ったところと分けてみた。生育がどの程度変わるか。また雀がどの程度食べるか。雀は5,6羽が食べには来ていたが、被害というほどは食べなかった。時間的に朝の雀が来る時間には水が深くしていた。2葉期までは種をほじくり返して食べてしまう。種が水没していれば、雀は種を食べることができない。今日からビニールを剥いで、水が常にあるようにした。もう雀はイネの種籾を食べることはない。
ビニールをはがしているところ。
そろそろイネは根によって成育を始める。苗床には直播のところ。セルトレーに播種したところ、苗箱に播種したところと少しだけ違いがある。この後苗の生育に大きな違いが出てくるとみている。田植えの時5葉期で30㎝の背丈の苗を目指しているが、背丈以上にどれだけがっしりとしているかが重要である。根本が扁平で3ミリぐらいは欲しい。10本で何グラムになるか計ってみよう。背丈以上に根の量も問題になるだろう。根がイネには不要と言われているが、果たして事実だろうか。根をとってしまう比較苗を植えてみたい。いずれにしても葉の堅さが大切である。葉が柔らかいようでは徒長苗だ。出来れば手を切るような葉であればいい。田植えまで20日間。
ビニールを剥がし終わったところ。長さが30m。右側2列。が欠ノ上田んぼの苗。畔際の苗があまり見えないところは、土が深くなっていた為、種が水没しがちだったところだ。左側の濃い辺りは、もち米の種である。糯米は少し厚めに蒔いたために色が濃い。苗の成長は少し遅れている。糯米は購入した種子である。峰の雪糯という品種。お隣の静岡県の奨励品種である。御殿場農協から購入した。この時期少しパラパラの感じでないと、良い苗にはならない。通路は毎日歩いている内にすでに柔らかくなっている。左の畝の区切られた長方形の部分は、比較の為に、川に浸けていない種子である。すでに遅れ始めている。実験の為というか、予備の種なので、使うつもりはない。
反対側から見たところ。この左側が水尻である。ここに水深調整の板を置き、水位を決めている。ここからあふれないように水を入れている。田んぼの中には全く草の発芽はない。毎年そうなのだが、ヒエはそもそもない田んぼだ。コナギは水を入れて1か月経過しないと出てこない。苗床の終わり頃にコナギが見え始める。だから、この苗床の田んぼは例年、2度代かきという事になっている。すでに、ミジンコは大量に発生している。但し、イトミミズはここでは見たことがない。よくイトミミズがトロトロ層を作ると書かれたものがあるが、イトミミズが良くいるのは生活排水のどぶである。ああいう環境で田んぼをやるのが良いのだろうか。この点いつも疑問に思うところだ。このあたりでは冬水田んぼをやっても、イトミミズが出ることはない。何か原因があるはずだ。
そこで今年は、実験の為に稲葉さんの民間稲作研究所の書かれている通りに、指定の肥料を入れ、指定の時期にすべてを展開してみている。それがこの場所である。やはりまだ草は出ていない。イトミミズはない。ミジンコは出てきている。ゲンゴロウもいた。今のところ草はない。この後どんな状態になるか楽しみである。