公明党が日本の未来を左右することになる

   

公明党が日本の未来の方角を決めかねない状況にある。公明党支持者が自民党候補者に投票をする選挙を繰り返している。その見返りとして、公明党議員が立候補するいくつかの選挙区で自民党が候補者を立てない。自民支持者に公明党候補に投票するように要請する。自公政権はこのように出来ている。それは小選挙区制の為にこんなバカげたことが起きた。自民党は3分の1の投票率で、絶対多数という議席数を確保できている。そして、与党で3分の2を超える議席を衆参で確保している。こうした議席を背景にして、今年中には憲法改定の発議を自民党が行う方向になっている。ただし、公明党支持者は必ずしも憲法改定においては、自民党と同じではない。公明党は平和政党を掲げてきたという事もあり、9条に自衛隊を明記するという、アベ政権の発案にはまだ了解まではしていない。ただ最近の公明党の動きを見ていると、結局は議論もないままに、アベ政権に従いそうな、流れではないだろうか。すでに合意が形成されていると見た方がいいのだろう。

公明党が選挙においても自衛隊の憲法への明記を主張しているのであれば、それも仕方がない流れなのかもしれないが、公明党は憲法において自衛隊を明記するべきなどと主張したことは一度もない。加憲という事を口にしているが、自衛隊を書き加えるとは明言はしていない。しかし、選挙でどういおうと公明党支持者は幹部の決定に従う傾向が強い。宗教的な支配が働くから、9条を守るべきと考える支持者がいるとしても、上部で決めたことであれば、公明党支持を止めるという事は考えにくい。そのために、自民党は上層部の意思を変えようと、様々な手立てを行っていることだろう。秘密裏に、創価学会と安倍氏は話し合いを持った可能性も強い。その結果、公明党が自民党案に乗れば、憲法改定が改正になり、国民投票になる可能性が高いだろう。もうそう考えて、置かねばならない状況が出来ている。公明党は交換条件で存在を示そうとするだろう。

沖縄では辺野古基地問題で揺れる名護市長選挙では、ついに公明党は自民党候補者を推すことを決めた。南城市の直近の市長選挙では公明が支持した自民の現職市長が落選をした。石垣市長選挙でも、公明党はまだ態度を表明はしていないが、自衛隊基地誘致の現職の自民党候補を支持しそうな方向である。石垣の公明党は以前自衛隊基地を反対決議している。名護市の公明党も米軍基地拡張を反対していた。どこで態度を変えたのであろうか。そして、この態度の変更が十分な議論に基づくものであるなら、仕方がないことである。ところが、何故態度変更するのかが全く分からないまま、自衛隊ミサイル基地に対しても、辺野古米軍基地に対しても、賛成も反対もな表明しないまま、うやむやに自民党支持をした。その結果、軍事基地が出来てしまうのだ。どんな問題にも賛成も反対もあることは当然のことだ。だからこそ、充分に基地の問題を議論し、その意味と結果を理解したうえで、各政党は支持市長候補を決めるべきだろう。

何故公明党が平和の党を名乗りながら、アベ政権に従うのか。それは日米関係とよく似ている。軍事同盟といいながらも、隷属関係である。公明党が9条の意味を理解していないとは思えない。アメリカにおびえるように、安倍一強という状態におびえているという事ではないだろうか。官僚たちが一強アベ政権を怖れて忖度するように、公明党も何かを怖れて言いなりになっているのだろうか。スキャンダルであろうか。宗教弾圧であろうか。大企業がボロボロと内部告発で不正が暴かれる中、何故公明党の内部告発はないのだろうか。それが宗教的連帯という事になるのか。ここまで安倍政権にすり寄る公明党は、不自然この上ない。この不思議な政党が結局のところの日本の保守勢力の最後のあがきを、支えてしまうかもしれないのだ。安倍氏の背後にいる、保守勢力の鵺はもう一息で消滅して行くだろう年齢になっている。何がどうであろうと、あと10年経てば状況は、新しい世代が全く異なる形で政治を担うはずだ。その政治が極めて右翼的であるか、意外に民主的なものになるかは、まだ見えないが。この旧勢力の最後のあがきだけは阻止しなくてはならない。公明党支持者というか、創価学会はその所をよくよく見定めてもらいたい。

 - Peace Cafe