民主党の負の遺産の払拭

   

民主党はマニュフェスト選挙で勝利した。マニュフェストを実現するためには、官僚の協力が得られず上手く行かなかった。官僚を動かす政権党としての能力が不足した印象がある。この為に民主党には頼りない政党の汚名がつきまとう。その結果、自民党一党独裁が消極的に選択されている。野党になってからも、民進党になっても実現力のなさがつきまとってきた。今回幸いなことにその汚名は、前原氏が希望の党に身売りするという節操のない行動を行い、どこかへ持ち去ってくれた可能性がある。野党に成れたということではないか。今回の選挙では与党の状況は相変わらずの絶対多数ではある。しかし野党の側は立憲民主党の登場によりかなり、野党としての本質にい近づいてくれた。正しく批判ができるということだ。上っ面の人気を得ることはないかもしれない。この先厳しい道が続くと思われる。しかし、一党独裁自民党に論理的に対抗してくれる可能性が高い。維新や希望という対立軸の良く見えない政党の目くらましのような期待が、しぼんでくれたことは却って良かったのだろう。野党が是々非々だとか言いながら、自民党の補完勢力として利用される状況が一番良くない。

同盟国アメリカの支援を行う形で、海外派兵を可能にしたのが、新安保法である。この法律は憲法違反ではないかと考えている。しかし、国の法制局は内閣に忖度して、違憲ではないとしている。アベ政権がそのように考える人を法制局の局長に任命する。判断は当然別れる案件だと思うが、こういう日本の命運を担うところこそ明確になるよう憲法議論をしてもらいたい。根拠の怪しげな法律を後付けしようというのが、現在自民党が提案しようという憲法改定だ。そして1歩づつ明治憲法というか自民党草案に近づけようという戦略なのだ。今回立憲民主党が誕生し、有権者から一定の期待が集まった。9条を評価する人たちが3分の1存在する。9条を変えて軍隊を持とうという人たちが3分の1存在する。後の人たちはまだ態度保留というところのようだ。今後、憲法の論議が行われる中で、国民に見える議論を展開してもらいたい。

憲法論議では公明党、維新の党、希望の党はどのような主張があるのか、私には見えない。単純に自民党と同じと考えればよいのか。すこしは違うものなのか。もちろん9条のことだけではない。教育の無償化を憲法に加えるなどという論議もある。憲法に入れなくとも可能なことをあえて入れたいという意図には怪しいところがある。そういうものを加える論議によって、憲法に自衛隊を滑り込ませる策謀に見える。憲法は正面から徹底した議論が必要だ。自衛隊が要らないという国民は少ない。必要であるが、海外派兵は良くないと考えている人が多いいのではないだろうか。軍事力としては専守防衛である。このことは憲法を読めばよく分かることだ。憲法に自衛隊が書かれていなかったがために、自衛隊の海外派兵が今まで行われなかったのではないだろうか。総理大臣の解散権を否定する憲法改正と、自衛隊の憲法明記と、教育の無償化が同時に国民投票にかけられるとすれば、判断が混乱する。

憲法改正の前に、国民にわかる憲法の議論を展開することが不可欠だ。議論が充分に煮詰まってから、国民投票に入るべきだ。国の方角を決める大切な論議が、思惑で行われ、北朝鮮や中国との対立を深め、意図して深刻な事態を作り出し、国民投票に入る可能性が高い。麻生氏の解説通りである。それがソフト独裁のやり方なのだ。世界が自国主義に向かっている。これから先世界が対立を深めることに必ずなる。そして、国家間の経済格差はさらに広がるだろう。このままでは貧困が広がり、未来に希望の見えない国は冒険主義にならざる得ない。テロもさらに深刻になるに違いない。世界はさらに崩壊の危うい縁に立つ。日本の平和憲法は世界の希望だ。野党は国民にわかる憲法論議を展開ぜひしてもらいたい。各党9条をどのように扱うのか、明確に意思表明をして、国会論議に結び付けてもらいたい。私も何度でも自分の正しさ、思い込みを取り払い憲法のことを考えてみたい。

 

 

 

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