アベ自民党総裁の憲法改定論

   

アベ自民党総裁が、自民党の党内の手続きを経ないで、個人的な考えの憲法改定論を展開した。自民党は自民党憲法草案を党内で決定し、それを党是としている。たとえ総裁であろうとも、個人的な思惑で自民党草案を変更した案を主張してよいものなのだろうか。これほどの勝手な振る舞いが許されるような立場とは、つまり独裁になった自民党総裁という事なのだろう。アベデクノボウ人形はどうも自民党総裁という意味と総理大臣という意味を巧みに演じさせている。誰が操っているのだろうか。自らなのだろうか。自民党議員等どうとでもなるという判断。これではすでに政党ではなく、北朝鮮と似たようなものではなかろうか。アベ政権で党員が緩んでいるというが、最も緩んでいるのはデクノボウの頭だ。

反発したら、出世の道を絶たれるとなれば、社員のような自民党議員は言いなりになるだけのようだ。自民党には民主主義は存在していない。それだけは確かなようだ。ルール無視の総裁の政党が政権をとっていることには本当に不安だ。自民党憲法を取りまとめた船田氏はさすがに、安倍氏のやり方を腰引きに批判している。アベ政権としては今回の発言はあくまで自民党総裁としての発言だとしている。だから、予算委員会では答えないという。これにはまた驚いた。どういう二枚舌人形だ。自民党内の手続きなしに勝手なことを総裁として発言し、今度は国会に来たら、あれは自民党総裁人形の発言で、内閣総理大臣人形の方は関知しませんということ。そういえば国会人形の方は野党議員の質問を下品だとおちょくっていたが、あの時の表情は総理大臣の人相ではなかった。

九条に自衛隊の存在を明記するという主張は、まさに公明党に嫌と言わせないためだ。公明党の主張である、加憲という不思議な考え方に乗ったわけだ。現行憲法では自衛隊も違憲であるという考え方が普通である。解釈の拡大で誤魔化している。現行憲法の何処を読んでも、自衛のための軍隊を持って良いとは書いてない。しかし、自衛権は憲法以前の国際法上認められた権利だから、持てるのだというのが今の憲法解釈である。ここに無理があるから、自衛隊を加えたらどうかというのが加憲である。妥協案のように見えるが、今の憲法の拡大解釈の集団的自衛権問題を考えてみる必要がある。今の憲法でも自衛隊は無理無理合憲であるし、集団的自衛権でアメリカ軍と一緒に戦争に行くのは認められているというところまで拡大解釈をした。今の憲法ですら、この拡大解釈をするのだから、自衛隊が憲法に明記されれば、もう普通に自衛のための戦争ができるという解釈になる。戦争は自衛のためという理由で始まるのだ。

北朝鮮のミサイル攻撃があるから、発射の兆候があれば、先制攻撃する権利があるというのが、今の日本国政府の考え方である。発射の兆候を拡大解釈をして行けば、あらゆる戦争が始められることになる。憲法は現実に適合させるものではない。国家の目標として掲げるものだ。その国家の理想に従って、国の運営を行うのが内閣である。憲法を行動を妨げるものと考える理由は、憲法の理想を邪魔なものと考えているからだ。国際紛争を解決するために、あらゆる平和的手段を行使する義務が、内閣には憲法から命じられているのだ。しかし、アベ政権は平和的手段など初めから摸索する気持ちがない。中国を仮想敵国として、国民をいきり立たせ、憲法改定に躍起になってだけだ。確かに世界の情勢は厳しいものがある。世界大戦が勃発して日本が巻き込まれる可能性も、現実味を帯びてきている。そうした情勢だからこそ、日本国憲法だけが世界の希望なのだ。日本が憲法に従い、ピエロのようでもいいではないか。必死に平和主義を求める国でありたい。

 

 

 

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