米軍オスプレー名護で墜落
オスプレーが名護の海岸に墜落した。不時着というが状態を見れば墜落である。死者が出なかったことが幸いであった。沖縄県副知事が抗議を申し入れたところ、在沖米軍トップで第3海兵遠征軍司令官のニコルソン四軍調整官の表情はみるみる怒気に染り、「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきで表彰ものだ」と述べた、という。アメリカ軍の意識を良く表している。アメリカ軍は日本を守ってやっているのだから、日本は少々の事故ぐらい覚悟して当たり前だということだろう。トランプアメリカに成れば、露骨にこうした意識で日本の駐留を考えるようになるだろう。日本のために米軍は駐留するという認識。もちろんそういう側面があることは事実であるが、同時に、アメリカの世界戦略の上で、世界各国に米軍は駐留して来た現実がある。そうでなければ、沖縄占領下の米軍という意味が不明だ。日本が反米に傾かないように沖縄で日本を監視してきたのだ。
トランプアメリカが米軍をアメリカに返すのは結構なことだ。世界中から引き上げてもらえばいい。アメリカが世界の警察を止めて、世界は確かに犯罪が増加するかもしれない。そこから考え直した方が良い。日本がどうなるかと言えば、別段中国が攻めてくるようなことは起こらない。フィリピンのドゥテルテ大統領はそう断言し、中国との関係を修復しようとしている。中国と敵対するだけが外交ではない。トランプアメリカは中国との関係を改善しようとするはずだ。軍事力による対抗はトランプ方式ではない。商業国家中国もトランプアメリカとの経済関係を重視するはずだ。日本だけがアメリカにすがる構図はいよいよ終末に近づいている。理由は北朝鮮の原爆である。軍事力による抑止が出来ないという事だ。もししようとするなら、今北朝鮮の原爆基地を空爆するほかない。そういう事が出来ない以上、原爆を保有したという現状を認識して、何らかの平和的な外交政策を行う以外に道はない。
イスラム国に原爆がなかったことが幸いであった。これからはどこの国でも核保有する可能性が高まる。それは日本のように、原子力発電所の輸出に力を入れるようなバカな国がある以上仕方のないことだ。その濃縮ウランがどこにどう行くのか管理しきれるものではない。北朝鮮のように正々堂々と核開発にまい進する国があろうとも、誰も止めることは出来ない。トランプの主張通りだ。この状況ではもう、通常兵器による抑止力の相対的な意味がみるみる小さくなってゆく。では日本も核武装するのか。トランプアメリカは容認するそうだ。こうして世界は崩壊に一歩進むことになる。それを何とか止めることができるのも日本だ。唯一、核保有の可能性がありながら、平和憲法によって、武力による紛争の解決をしないと、表明している国だからだ。日本の存在が世界の希望だと思う。
ところがどうだろう、アベ政権は日本の武装化に躍起になり、普通の国になろうとしている。オスプレーの墜落事故は沖縄の負担だ。アメリカ軍は落ちないような訓練をアメリカ国内で十分にしてほしい。アメリカではアメリカ人が事故に巻き込まれて大変だと考えていないだろうか。危ない訓練を外国でわざわざやることはない。オスプレーは自衛隊も購入するそうだ。この自衛隊のオスプレーの訓練は横田基地でやるのだろうか。東京都民の上空であぶなかっしい、空中給油訓練をやるというのだろうか。まさか国会の上、皇居の上空で訓練などしないだろう。沖縄なら、許されるとでも考えているのだろうか。オスプレー即問題とは思わないが、沖縄の市街地で訓練するのは許されるわけがない。沖縄にも、その周辺にも無人島が無数にある。辺野古に基地を作る。高江にヘリポートを作る。即時見直しをすべきだ。それが沖縄の負担軽減のはずだ。何故、沖縄本島にこだわるのか。これこそ沖縄差別に見える。