リオオリンピック

   

オリンピック観戦が毎日楽しみだ。前回オリンピックを見た時に、何とかあと4年生きて次のオリンピックを見なければと思ったほどオリンピックにはまってしまう。無事4年が経過していよいよリオオリンピックが来た。オリンピック4連覇のかかる女子レスリングの吉田選手、伊調選手はどうだろか。力を出せるだろうか。力を出し尽くす姿を見たい。勝つところが見たいというだけではない。人間が限界を超えたような努力を重ね、その力をオリンピックという唯一無二の場で出し尽くすことができるか。その貫徹する力を見たいと思う。勝負は時の運もある。全力を尽くしたからと言って、勝てるとは限らない。強いものが勝つとも限らない。勝者が居れば敗者もいる。日本選手が勝てば、どこかの国の人が負けている。勝つために全力を尽くし戦う姿が素晴らしいと思う。スポーツのすばらしさは、人間が本気になる姿を目の当りにできるところだ。

柔道では2日続けて男女とも力を出し切れず決勝まで行けなかった。力を出し切るという事がいかに難しいものであるかがわかる。どの選手も精一杯戦った。その上で、全力で激突する。強い選手でも意外な、一瞬のもろさで負けることがある。負けた姿にも真実がある。残念だけれども素晴らしかったと思う。これを書き終えた頃、柔道出しで大野選手が優勝した。大野選手は一番強いものが金メダルを取るなら、自分ではないだろう。それでも自分は金メダルを取る人間だと宣言していたそうだ。スポーツに全力になることが素晴らしいのであって、勝って驕らず、負けて潔く。スポーツは生きることの一断面である。日本の選手に素晴らしい選手が沢山いて驚くほどだ。日本人がどんどん変化してゆく中で、素晴らしい形で力量を発揮する精神を獲得している。その姿は崇高である。絵を描いたり、田んぼをやるときにも、学ぶところが次々に出てくる。体操のチームとか、水泳のリレーなどはチームとして力を合わせる見事さがある。チームになった時にいつも以上の力が発揮できることが現実として目の前にある。

日本の球技ははなかなか厳しい状況である。ボールゲームで出場できたのは男女のラクビ―。女子バレーボール。男子サッカー。女子ホッケー。力を出し尽くす、最高の試合を見たい。オリンピックに出場したという事がすごいことだと思う。残念ながら、サッカー男子はしょせん敗れてしまった。負けたけれど力を出した良い試合を見せてもらった。2戦目は引き分けた。引き分けたが力はこれこそ出し尽くした。力を出し尽くしても勝てないこともある。次のスエーデン戦、予選を勝ち抜くために最後の力を出し尽くしてほしい。チームゲームではナショナルチームを組むことが難しくなっている。各所属チームの縛りがある。サッカーではスイスチームの事情で、オリンピックに出ない選手がいた。一方ゴルフなどは優秀選手が出場辞退を申し出た。賞金がなければやる気になれないという事か。果たして東京オリンピック前にはナショナルチームが作れるだろうか。チームを組んで2年くらいはやらなければ、とてもオリンピックで勝てるようなチームにはならないはずだ。

チームスポーツの魅力は、チームを組んで戦う事にある。素晴らしいチームが出来上がる喜びだ。高校野球の教育的効果とは、そういうもののはずだ。甲子園の土を踏めなかったとしても、信頼できる仲間が出来たという人は多いはずである。人の為に頑張れる人間になれるかもしれない。これは一つの生きる目標ではないだろうか。自分のために頑張るは、完成した人のことだ。それは素晴らしいことだが、選ばれた人の生き方だ。人の為になるという事で自分を鼓舞できるものだ。人の為が自分の為でもあるという形が、チームスポーツではないだろうか。この心の持ちようは日本人は苦手になってきている。お上の為、お国のため、を取り払ったことは良いことだが、地域で暮らすために協働する精神は不可欠である。かつてはそれが瑞穂の国の国柄であった。地域という経済関係が失われたなかで、何かで人間の助け合う精神を培う必要はある。

 

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