タングドラム新作2点

   

9月4日に森の中でみんなでタングドラムを敲こうという企画がある。場所は舟原の小田原植木さんの森だ。樹木で作った太鼓だから、森の中で敲く。そして、一つではなく数多くで敲き合うとさらに面白かろうという企画である。それに合わせて新作を2点作った。今回は高音部と低音部が分かれているという事が目標であった。別に難しいことではなく、長い切れ込みの舌は低音になり、短い舌は高音になるという事である。ただ、全体の板の長さも音に影響があるので、70センチの長さにした。箱は30センチ幅の杉材で作り、天板だけをパドックにした。底板を杉にするか、堅木にするかは音に影響が強い。今回はあえて柔らかい杉板にした。出来上がってから、柿渋を塗った、上の写真のものは乾いてからもう一度塗って2回塗りである。時間とともにさらに色は濃くなる想定である。右端に押したのが焼き印のサインである。出来ればこの面に何か字を書こうかと考えている。

こちらもほぼ同じ仕様で底板も杉である。秋田杉と印刷されていた。同じく箱の幅は30センチである。板の厚みは24ミリである。360センチで2000円だった。箱をすべて杉にしてみたので、箱自体も大きく作ってみた。底板をパドックにすれば、反響音が強く硬く出て良く響くのだが、あえて杉にして柔らかい音を期待した。こちらの方は柿渋一回塗りである。塗りの回数でこれほど色が違ってくる。この後、どの位変化し違いが出るのか、しばらくこのまま経過を見たいと思う。柿渋を塗るのは、確かに渋い色みが美しいという事もあるが、虫食いなどの対策にもなる。年に一度くらい塗り直せば、どんどん味が濃く出てくる。この経過が面白い。以前作ったものでは、すでに黒光りしたような色合いになっているものもある。

今回ほぼ同じ形態で作ってみて気づいたことは、左右を2対1の舌の長さにするのはいいのだが、中央に来る止音の短い横からの舌の隣には一番大きな舌が来るのが敲きやすいようだ。この点ではほかの人の意見も聞いてみたい。音はそこそこ良いと思うのだが、欠点は大きさ重さである。杉材で作っても6,5キロある。ケヤキやパドゥクを使うとさらに重いものになる。持ち運びに困る。座って膝に乗せて叩くと良い音になるのだが、あまり重いともっても居られない。座布団を敷いてその上に載せて叩く。要するに常設にする楽器になる。今回の制作でほぼ試作は終わった。こんな音のものをという事であれば、大体想定に合わせられるようになった。

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