麦の種まきについて

   

12月17日の大麦の様子。播種2週間目で1葉が4センチほどになっている。

11月29日に小麦の種を蒔いた。12月2日に2条大麦の種を蒔いた。小麦につては、以前は11月11日には蒔いていた。その後中旬に蒔くようになった。今年は今までで一番遅い播種になった。天候は年によってずいぶん変化があるので、同じ日にちに蒔いたとしても同じではない。麦は蒔き時によって、結果が違うという経験もしてきた。今年は遅くていいはずと天候を読んでいる。麦の様に冬の寒さに向って、種を蒔く作物では、芽が出た頃の気候がどうであるかは大切なことなのだと思う。麦は大豆との組み合わせで、栽培しているので、大豆の収穫が遅れればそのん分遅れることになる。大豆が遅れたのは暖かかったからである。今年で言えば、大豆の収穫が11月21日ですぐに畑の準備をして、小麦を播種した。遅くとも11月中には蒔きたいという考えからだ。何故、蒔き時期にこだわるかと言えば、収量にかなりの影響が出るからだ。1週の撒き時期の遅れで、10%の収穫が変わるという気がしている。分げつの取れ方が変わる。

麦は寒い時期に芽を出す。寒さに当たりながらゆっくりと生育を続ける。根は伸びているのだろうが、小さな芽がゆっくりゆっくり生育をしてゆく。この小さい芽をどの位の分げつにできるかが、収量に関係する。冬の寒さがいつ来るかによって、麦の種まき時は変わるという事である。寒さが来る前にしっかりとした目を出してほしい。大体の場合、2週間ぐらいが発芽の目安になる。つまり発芽が12月10日としてその後10日で1枚の葉が伸びて、3枚目の葉が1月半ばに伸びているというあたりが、目標である。冬の弱い陽射しの中、ゆっくりとしてはいるが、がっしりとした生育をしてほしいのである。このころ麦踏という事が言われるが、それは寒い地域のことで、小田原では麦踏の効果はないことが分かった。むしろ、土寄せである。麦の小さな芽に土を被せて、分げつを促進した方が効果的に思われる。これを、1月中に2回できれば、かなり効果が期待される。

今年は暖かかったために大豆が遅れて収穫になり、小麦の播種も1週遅れることになった。しかし、温かい傾向が続いているから、この1週遅れは取り戻せると踏んでいる。大豆と麦を裏表と毎年続けているのは、土壌が良くなると期待しているからである。それでも、麦は肥料不足を感じている。だから、1月の麦踏の時期には追肥をしてから、土寄せをしたいと考えている。追肥にはそば糠を使うことになると思う。冬の間の作物は、土壌からの養分の吸収力が弱い。化学肥料を使わないのだから、ソバカスの追肥を2回は少なくとも行いたい。特に暖かさを感じ始める2月後半の良いタイミングで穂肥の追肥を行い土寄せをする。これで、粒張りが良くなり、収量も上がる。地力だけでは麦は取れないと考えていた方が良い。また出穂後の追肥を行うと、タンパク質の含有量、グルテン量の向上が起こり、良いパン小麦になる。

麦を十分収穫するためには、播種時期が重要な作物だ。冬の間の天候を十分に予測しながら、播種時期を選ばなければならない。また温暖化という事もあるので、昔の11月11日蒔きを11月21日蒔きを小田原の基本と考えて、その年の気象で前後させる。天気を正確に予測できれば、栽培を自分の手順で行うことができる。播種後の天候によってさらに変化があるので、その後の追肥や、土寄せをどのように行ってゆくかが栽培の要点になる。麦踏によって、根が伸長するという説もあるが、比較検討してみたが、そうした変化は実際に起きた経験はない。霜による害を防ぐ為に麦踏をするという地域もあるらしいが、小田原の土壌では霜の害が起きたことはない。むしろ分げつの増加に麦踏の効果がある。これは麦踏をしながら、土寄せをして、株に土を入れるという事が効果的である。まずは、2週間で芽が出るのかどうかで、蒔き時期の確認を行う。(今年は、8日目の12月7日に発芽した。大麦の方は12月13日の発芽なので、11日目で発芽したことになる。)予想通り暖かいのだろう。今後の作業の基本にする。

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