古賀茂明氏のテレビ追放

   

この記事をブログで見かけて、そんなことがあったのかと知った。8時以降のテレビ番組というのは、めったに見ないので、古賀さんという人も良くは知らなかった。どうも、「I AM NOT ABE」という手作りの紙を勝手に出した事が、独自行動は禁止という事と、官邸の怒りを買うのではないかという、怖れを抱いたディレクターが降ろす事にしたという事らしい。「I AM NOT ABE」というのは、「I AM KENNJI」というようなインターネットにあった、アピールをもじったものなのだろう。確かに私も安倍で有りたくない。話は飛ぶが、昨夜テレビで、シリアに入ったジャーナリストの映像をテレビが流していた。夕方の報道特集である。遠藤さんという人で、杉本さんという旅券を取り上げられた人ではない。遠藤さんはようするに黙ってシリアに向かったのであろう。何も言わなけれトルコに行く事は出来るし、そこからシリアに向かう事はできる。こういう事はこれからもありうることだ。

後藤さん湯川さんの殺害に対して、日本政府は何もできなかった。本気で救出するどころか、その事件の最中に安倍氏は中東訪問を行い、イスラム国を刺激した。これは安倍政権の一貫した方針を感じる事件だった。近隣諸国をふくめ、世界各地の暴力的な対立を激化して、日本人の国防意識を刺激しようという、思惑がある。それが自民党憲法の成立への作戦なのだ。私が自民党なら、そういう作戦を当然考える所だ。だから、今後さらなる対立をあおる作戦が展開されるはずだと想像する。対立を作り出して、国民投票に向かうことになるだろう。尖閣に中国軍が上陸すれば、自民党憲法が出来るだろう。それなら、どうやって中国軍を尖閣に向かわせるかということになる。同じく竹島では、日本の跳ね返りが上陸を目指す。もしかしたら、自爆的な行動をとるかもしれない。国民が政府の筋書きに簡単に乗ってしまいそうで怖い。このやり方と、日本の安全保障問題とは別の事だ。

こういう電通の広告戦略の様な国民の分析で、政府は動いている。だから、国会での三原発言が試されたのだ。中国がどう反応するか、韓国はどう抗議するか。分析の結果が、安倍氏のアメリカでの国会演説に繋がる。そして、7月の70年の戦争反省の声明である。どうやって、中国や韓国が非道の国であるかを、浮かび上がらせて、国民の反感を高めるかを考えているはずだ。「八紘一宇」人類みな兄弟と言っているのに、何が悪いのだ。兄弟の家を守るために、土足で上がり込んで、開拓やら、社会インフラ、日本語教育までしてあげたのに。このあたりのいがみ合いが狙いだ。日米防衛協力のガイドラインの見直し等必要が強調されているのも、いがみ合いをどうやって焚きつけるかを考えての事だ。日米軍事同盟が強化されると言う事は、米韓軍事同盟の見直しの問題になる。韓国のアジアインフラ投資銀行への参加で分かる、中国より政策への圧力。

一連の対立激化戦略には報道機関の協力が不可欠になる。それが報道の自主規制に表われてきている。そもそも報道は自由に行われている訳ではない。演出されたものだから、演出を認めない古賀氏は降ろされたのだ。安倍氏と裏返しの同じ立場だ。電通の広告戦略はテレビ利用による国民の洗脳だろう。花見に行こうかなと感じるのは、繰り返される開花予報。そして開花宣言、花見の映像。夏になったと知るのは、テレビのアイスの宣伝だったりする。空調管理の生活では暑い、寒いもテレビで知るぐらいの物になる。近隣諸国のリスクだって、テレビで簡単に作り上げられる。自分の感覚でシリアで起きている事が感じられない。だから、本物の映像が必要という、戦場ジャーナリストの主張。しかし、自分の肌感覚で暮らしているのなら、イスラム国が最悪の暴力集団であり、思想もなければ、倫理もない連中だと別にテレビに教えられないでも分かる。私は遠藤さんのシリア映像を見ても、特別新鮮な物は感じられなかった。

 - Peace Cafe