タニタの体重計と肥満

   


海と月 2号

新しい体重計を使うようになって、肥満と言うものが、BMIとかいう表され方をするということを知った。BMI=体重÷身長の2乗と言うものらしい。人間の身体の健康という観点からみた場合、この数値は肥満の本質を表してはいないと思う。平均値から自分を推し計ることはできない。肥満は隠れ肥満こそ重要で、見た目痩せているということは大した意味はない。内臓脂肪と言うことになる。私は、どちらかと言えば見た目みすぼらしく痩せているが、内臓脂肪は比較的高い。今度買った、タニタの体重計ではこの内臓脂肪と言うものが表示される。どうやって測定しているのかは分からないので、その数値を信用している訳ではないが。9,5か10,0と表示される。むしろこの数値の変化に着目している。他の色々の数値は、乗る時によって、数字は違うのだが、この数字だけは常にこのどっちかである。だから信用するということでもないのだが、標準が9,5までで、10,0はやや高いに入ると説明文として書いてある。自己診断ではそれ以上に内臓脂肪は高いとみている。

内臓脂肪は高いから即悪いとも思っていない。昔医師会の会長を長くやっていた武見氏は、肥満こそ健康である証拠だと常々力説して太っていた。武見クリニックでは、患者自己申告で代金を払うことになっていたそうだ。それはともかく、肥満が何故健康に大切なのかを、まじめに説明されていた。そして79歳で亡くなった。結局は肥満とは関係なく亡くなられたようだ。自分の身体の調子が良好である状態をあらゆる角度から記憶しておくことが重要である。パソコンで調子の良い時の状態を保存しておき、おかしく成ったときに、そこまで戻ってリカバリーするのと同じ考えである。身体は機械なのだ。パソコンでもどの状態が調子の良い時かは、なかなか難しい。しかし、はっきりおかしくなったときに、以前はまあよかったんだと分る訳だ。65歳になると、今より良くなるというのはなかなか難しい、せめて、今の状態のまま行ければありがたいと考えている。

私の痩せているという状態は、筋肉不足と言うことでもある。年々力が落ちてきている。今年の秋、30キロ以上の籾満タンの袋が持てるかどうか。昨年は何とか運ぶことができたが。今年の腰の状態では、かなりの不安である。筋肉は何歳になっても増やせるものらしい。100歳を越えても筋肉は増えるらしい。しかし、60の時に持ち上げられた籾袋が、70になって上がるのかと言えば、上がる訳がない。歳相応にできる自給も考えなくてはならない。筋肉を落とさず、太らない。あまり食べなければ、筋肉もつかない。充分に食べて、筋肉を付けて、しかし内臓肥満ではない状態。ここが目標である。体重測定を楽しみにしている。一定に保つことが、面白い。一日でも増えたり、減ったりする。この増減と理由を考えるのが面白いのだ。宴会などがあって、暴飲暴食すれば、必ず体重は上昇する。この変化は徐々に戻ってゆく。これが結構楽しい。宴会と同じくらい楽しい。

ただし、内臓脂肪を減らすとか、筋肉を付けるとかいうのは、そう簡単ではないようだ。果たしてできるのかどうかすら怪しい。テレビには年寄りのボディービルダーの様な人が、話題で出演する。相当の努力を続けているのだろが、健康には見えない。このタニタの体重計には体内年齢というものが出る。これではかれば20歳とか出るのだろうか。今まで出た、年齢で一番若いものが、47歳。一番年寄りなのは、53歳。色々の状況で計ってみている。たぶん若い年齢が出た方がいい状態の傾向があるのだろうが。これが自分の体内健康判定とは結構違うのだ。今いい状態だなと感じる時が若い訳でもない。53歳と出た時は飲み過ぎで悪いだろうという日だった。この体内年齢が何を表しているのかは良く分からないが。もう少しこの体重計と付き合って、色々参考にしたいと思う。

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