12月の自給作業
大豆の脱粒した後の枝葉を、堆肥に積んだところ。ソバカスと水をかけながら積んだ。
1週間して、70度ほどの熱が出て切り返しているところ。良い酵素の匂いがする。
湯気が良く出ている。籾がらが混ざった。奥から前に出していて、次に奥に戻す予定。
現在畑にあるものを並べてみる。里芋、そら豆、エンドウ、スナップエンドウ、大根、こかぶ、ホウレンソウ、レタス、小松菜、キャベツ、タマネギ、白菜、ブロッコりー、ニンジン、大麦。それぞれに成長は遅いが、順調に出来ている。一番が土の団粒化だ。土が団粒化すると言っても、その実際の感じは良くわからなかった。もう25年も畑をやってきていて、始めて土壌が団粒化したのだ。まさに、鹿沼土のように、すべてが5ミリ前後の粒々の土になった。柔らかくなったとか、竹の棹が2mも突き刺さるとか、そういうことはない。相変わらず20センチより下の方は堅い。踏み跡がすぐ消えるということでもない。土が良くなっているのかどうかさえ分からないが、ともかく団粒化している。他所の畑でもあまり見ないので、観察だけは続けている。
タマネギは植え付けて、2週間したところで、クンタンを上から覆った。潜って見えなくなるものがあったが、適当にやった。蒔いたクンタンは雨風で結局は落ち着いて、上手くカバーしてくれたようになった。昨年クンタンを使ったことがタマネギが成功した理由だと思っている。草が抑えられたし、酸性土壌が少し中和されたのだろう。春菊を暖かいビニールハウス中にプランターを置いて、11月25日に蒔いてみた。発芽するだろうか心配していたが、ちゃんと出てきた。プランター栽培の実験である。プランターではそのほか、ネギ、レタス、ナス、エンドウ、ニンジンなどを試している。全部で15個ほど使っているが、家庭菜園自給を考えた時、案外に手間いらずで、作りやすい。寒い時期など陽だまりに移動しながら、収穫を続けられる。ナスは11月半ばまで何とか、実っていた。畑では収穫出来ているものはとても少ない。ハウスの中には、小松菜、レタス、外では、里芋、山芋、ニンジン。
上記の写真のように、堆肥を作っている。来春まで切り返しながら、完成させるつもりだ。出来上がれば、苗土に混ぜて使いたいと思う。麦の追肥に使えば、取った畑に戻すのだから、一番合理性がある。このたい肥農法こそ、江戸時代の伝統農法である。子供の頃の山から落としてくる落ち葉の量は、木小屋の3倍くらいの凄い量積んだ。山の際で毎年同じ場所に積んで、その上にトタンの屋根をかけていた。積みながら、肥えダメから腐敗した2槽目の糞尿を加えた。糞尿を加えたとしても、すぐに発酵を始めて、臭いということはなかった。そのうえでごろごろ遊んだのだから、汚いとも思わなかったのだろう。何度か切り返していると、嘘のように小さくなった。小さくなったたい肥は野菜の畑に入れていた。
江戸時代の循環の発想は、あるものをすべて使っていたという感じで、そうしなければ自給で生きてゆけないギリギリの工夫の積み重ねだ。踏み込み温床も落ち葉を集めて作る。踏み込み温床の効果は3つある。1、下から温めて早い時期から苗を作ることを可能にする。2、植物免疫力の強化する。3、NO2が発生して、植物の生育が早まる。こういう工夫を思考錯誤しながら経験的に創意工夫した。だから伝統農法であっても、少しでもビニールを使うのはおかしいということではないと思う。その意味で、MOA自然農法が家畜糞を使わないということにこだわるのも、伝統農法としてはおかしなものだ。ごみを出さないということも、重要な視点だと思う。ごみが出るということは行き詰るということだ。ごみを石油を使って燃やすということは、循環の思想ではない。