紅茶を作る
摘み終わった茶葉1キロほど
製茶が終わり乾燥をしているところ
紅茶を入れたところの色
紅茶を作るために茶葉を1キロ摘んだ。日本茶にするには少し伸びすぎの、開いてしまった葉である。まずは実験と思いやってみた。山北に居たころ、一度やってみて、上手くゆかなかったので、今回はその反省を踏まえて、CTC製法でやることにした。以前、オーソドックス製法でやってみて、上手く行かなかったからである。いや、そういう違いがあることも知らなかった。ピンクの籠に摘んだのが、茶葉1キロ少しである。おおよそ1時間ほどで摘んだ。5月13日の午後である。そのまま陽の当らない窓辺に36時間置いておく。葉に風を当てて乾かすということになっているが、葉はここでも発酵をしているはずである。ただ乾かすより、徐々に湿気を抜いたほうがいいように考えた。3回ほど上下の葉を入れ替え変えた。最初の内は、手が濡れるくらい水分が出ていた。24時間ぐらいでも良いらしいのだが、葉の様子から、36時間を選んだ。
5月15日の6時30分から、葉を砕くことにする。今までの失敗からすると、ここで葉に十分傷を付けるということが重要ではないかと思われる。そこで、今回は大胆にミントチョッパーで細かくしてしまうことにした。30分もかからない簡単な作業で終わった。最初はこの後、練り込もうと考えたが、ただ刻むだけで十分な様子だった。ここから1時間から2時間の発酵をする。9時まで行った。様子を見ながらの重要な2時間だが、良い発酵という感じが、良くわからなかった。果物の香りがするということが書いてあるが、そんなこともなかった。かぶせたビニールに水滴がついたから、何か変化があったことは確かだ。外気温度は22度から始まり、終わるころには27度だった。ここから土鍋で温度を加え、発酵を止める作業を行う。ともかく焦げないように、弱火を付けたり、消したりしながら、手で温度を確認しながら、あまりに高くならない範囲で乾かしてゆく。原理からいって、90度を超えていれば発酵は止まる。
熱を加えているうちに、色ば赤茶色になり、香りも紅茶らしいものが立ち上がって来た。CTC製法のためだと思われる。20分ほどで、ある程度水分は飛んだが、乾燥とまでは行かない。新聞紙に広げて干すことにする。さっそく入れてみることにする。写真はガラスにそそいで見て、白い布を背景に色が良く見えるようにした。少し濁りはあるが美しい紅茶色である。色彩的には大満足である。誰が考えてみても、お茶の色ではない。紅茶の色である。いよいよ味である。これが驚いたことに、味も紅茶なのだ。誰が飲んだとしてもお茶ではなく、紅茶である。ではおいしいのかと言われると、これは難しい。香りが不足して居ることは確かだ。あの紅茶のふくいくたる香りの味わいには程遠い。人によって味の感覚は違うだろうが、ニルギルティーにしたらいいと思う。正直なところニルギィルティーが何たるかよく知らないのだが、銀座のカレー店ナイルで飲む、牛乳で煮出したお茶だ。あの味に一番近い。
その意味では味も合格の範囲ではないだろうか。砂糖を入れて飲むとまた違った美味しさになった。こうして紅茶を作って見ると、紅茶は日本茶より格段に楽に家でも作れる。紅茶も自給が可能なものだった。紅茶はお茶よりも、抗菌作用が強いとされている。インフルエンザ予防なら、紅茶の方が上である。カテキンもお茶同様たっぷりとある。カフェインもある。上手に飲めば素晴らしい飲料である。世界ではお茶の何倍も飲まれている。新しい自給の食品を一品手に入れた気がする。出来上がりで400グラムある。窓辺で2日乾燥させたらば、279グラムになった。200グラムあればと思っていたから、紅茶は歩留まりも良いようだ。昨晩ミルクを買いに行った。ミルクを買うのはたぶん、20年ぶりくらいだろう。今朝、ニルギルティーを入れてみた。この文章を書きながら、飲んでいる。少し渋いがなかなかのものである。
昨日の自給作業:紅茶作り2時間 累計時間:20時間