自民党の景気対策

   

どうも自民党の景気対策というのは、国債を大量に発行して補正予算を組むというのが、第一弾のようだ。自転車操業どころか、暴走族のような怖ろしく無謀な手法に見える。その内容はまだ具体策は示されていないが、ばらまき公共事業ではないと言っている。これが要注意である。震災対応という事にまずなるのだろう。全国の病院、学校、道路やトンネルの耐震化。当然緊急課題であるが、既にあるものを補強することである。国債を増発するということは、未来の世代に負担を残すということである。建設国債であっても、利用の有無や、維持管理を十分に考えておかなければならない。それが十分に出来ないでいる現状を検証すべきだ。まず、新規の公共事業は凍結の方針を持たなければならない。復興予算がいつの間にか、ベトナムの原子力発電所に向けられるような、とんでもない官僚がいる国である。予算を上手く分捕る事ばかり考えている。

公共事業が内需拡大になる時代ではない。借金を増やすでは未来の日本人に申し訳が立たないではないか。内需を拡大できないのは、生活者それぞれにとって、先行きが不透明だからである。ますます、財政が悪化する状況を作れば、財布のひもをきっちり締める以外ないだろう。公共事業による内需拡大など、さんざんやって失敗した手法である。内需を活性化するためには、未来の安心社会を作ることだろう。先行き安心であれば、誰だって手持ちのお金を墓場まで抱え込まない。年金は不安定、老人医療は高額になりそうである。寝たきり老人になれば、悲惨なことになりそうだ。となれば、有り金を握って離さない。私を含めた小金持ち日本人の平均的発想である。将来の心配を取り除くことこそ、内需拡大である。これこそ政府のまず取り組み事だろう。将来が安心であるというのは、お金だけでのことではない。地域社会がどのように老人社会に対応できるかである。国内の食糧性生産の体制をつくりなおすること。教育の自給を行い、地域で生まれ地域で暮らす人をつくること。

女性の社会進出である。人口が減少し、労働人口も減少している。それを補うのは女性である。日本ほど、子供の居る女性が仕事がしにくい国は無い。例えば、新規就農農家であっても、子供が生まれた途端に、立ち行くかどうかの瀬戸際になる。労働力が半減するだけではない。子供にかかる様々な費用が賄えない。将来の学費のことを考えると、農業から離れるしかないかと思うと、先日も若い友人が話していた。辛いことだ。これは我々の責任でもある。これは前から言っていることだが、農の会奨学金制度を作りたいと思う。農の会の農業者で、子供の学費については、農の会を通して融資する。私の家には子供が居ないのだから、そのくらいの負担は当然だと思っている。ともかく、安心して子供が産めないような社会に、未来がある訳がない。

自民党は原発を再稼働して、新設も認可するだろう。もんじゅでの使い道のない、見込みのないプルトニューム生産も力を入れるだろう。すべてが綱渡りである。生活者の安心というものが、目先の経済の為に無視される。核廃棄物の処理の解決が先である。困難な事を先送りして、当面の経済対策として、安い電力を供給することが優先される。原子炉の脇に使用済みの核燃料が積みあげたままでは、誰が考えた所で安心とは程遠い。まず、困難であっても使用済み核燃料問題の解決に取り組むのが政治である。すべてはそれが出来てからのことだ。自民党が生まれ変わっているとすれば、期待されるのはそうした未来に対する安心である。それは農業分野にも言える。戸別補償のような、ばら撒き対策を止めて農業者が増加するようなことが提案できるかどうかである。

 - Peace Cafe