衆議院投票日
今回の衆議院選挙が日本の岐路にあると言われているが、それは違うと思う。むしろ、過去の失敗した道にもう一度戻るのか、あるいは道なき道に挑戦するかの選択である。自民党が勝利すると言われている。つまり、高度成長期の自民党ではない、あのどうしようもなくて、期待感だけで何の実績もない民主党に政権を奪われた自民党に戻ると言うことになる。麻生時代の自民党の行き詰まりが再現されると言う事になる。しかも、状況は経済も、外交も、エネルギー政策も、格段に困難さを増している。政治がそれらを解決できるとは到底思えない。この先日本は暗黒の時代を迎える可能性が高い。できることは、各々がこの最悪の時代への突破口を開いた世代という自覚を持つことだ。未来の世代に対して、もっとも批判さえるべき世代として、記憶されなければならない。この時代において、どこのだれに投票するのか、あるいは投票しなかったのか。それはそれぞれの生き方として確認されなければならない。
福島原発事故に置いて、日本の政治の危機管理はどの政党にも、準備がなかったという事が分かった。官僚批判どころではない。政権党の民主党は、責任が一番重い。彼らは事故対応に置いて、国民を見捨てた。原発がなければどんな暮らしに成るかを思い知らせようと、計画停電を行った。大飯原発の再稼働。そして六ヶ所村では原発工事の再開。核リサイクル事業もんじゅの再開。実は民主党を動かしているのは、安い電力という経済至上主義の要請である。理念が無いから、金権主義が唯一の行動原理である。民主党は政治哲学思想を、党の綱領として示す事は出来なかった。日本が何を目指すのかがないから、判断基準がない。結局はその日その日の一番強い圧力に従う事に成る。個人の思いつきで、その場の判断がぶれる。政治において決めると言うことは、この国の未来の方角に対して、棹差すということである。あくまでコンクリートから人へが政治思想であるなら、そこに照らし合わせて正しいかどうかの判断である。
自民党の保守化と言われるが、自民党の安倍氏の憲法改定論が再軍備という事なら、明確にそこまで主張して欲しい。それも一つの考え方である。徴兵制度を行うのか、核武装をするのか。こういう議論を明確に行うこと。軍を持って国を守ると言う事も、たやすいことではない。憲法にかかわる重要事項にもかかわらず、党の意見として出てきているとは思えない。曖昧な主張では、政治哲学を持つとは言えない。揺れ動く自民党では日本をさらなる混乱に導くだけである。さらに橋下新党もあっけなく、維新八策を放棄した。これも小選挙区制の下での、勝利の為の野合である。これでは選挙後は自民党と連立だろう。共産党や社民党はと言えば、正しいことを主張はしているが、そこへの道のりは国民への説得力が無い。国民側に立ってと言うが、国民という言葉を使う事がすでに怪しい。はっきり、貧乏でも幸せな国に成ろうとまで言うべきではないか。
赤字国債や、建設国債を日銀に引き受けさせるということは、未来の世代にさらなる負担を残すということである。デフレと言っても、安い製品が海外から幾らでも来る。農業で言えば、安い海外の農産物が農産物価格を決定している。関税が無くなれば、農業が衰退するのは明らかである。誰が食糧生産をやると言うのだろう。円が暴落すれば確かに輸入品は高く成るが。通貨を必要以上に人為的操作するのは経済の永続性の上でさらに良くない。中国の通貨操作と同じことに成る。企業が栄えて生活する人間が疲弊する。格差の拡大。どこを目指すかである。未来の暮らしが具体的に良く成る政治を行うこと。現世代は未来世代を食い物にしているとしか思えない。私は、今回は未来党に入れようと思う。原発の廃止1点の可能性である。神奈川17区では露木順一氏の可能性がありそうだからだ。また同時に行われる、10名の最高裁判事の審査においては、全員に罰を付けるつもりだ。それは、冤罪事件と裁判員制度において、信任できないからである。