敦賀原発の活断層判断

   

敦賀原子力発電所内に活断層があることは分かっていた。12月10日原子力規制員会において評価会合が行われた。島崎規制委員の発言によると、以前から活断層と判断されていた、浦底断層から延びる、D-1破砕帯は浦底断層の活動に連動して動く可能性が高いということである。原子炉から200メートルの所に活断層が存在すると言う事自体、極めてリスクが高い施設とされていた訳だが、活断層が原子炉直下に存在する可能性が高いということである。廃炉にして、核燃料の移動を早急に行う必要がある。この事に対し、発電事業者である日本原子力発電はこのような結論は到底受け入れがたい」とコメントを出した。「専門家からは活断層の可能性がある地形が示されたと指摘があったが、その地形に本当に活断層があるのか、(活断層の目安となる)後期更新世の地層を切っているのか判断できない」と指摘。「耐震指針には他に地質調査や物理探査もある。きょうの議論は地形だけに終始した」

敦賀市市長は敦賀市の河瀬一治市長は「事業者も追加調査を続けており、再稼働の可能性はゼロではない。100%クロでない限り、“疑わしきは罰せず”という気持ちは変わらない」「廃炉になれば、交付金をあてにしないまちづくりも考えないといけない。原子力と40年以上付き合ってきた町として寂しいが、やむを得ない」と唇をかみしめた。福井県の西川一誠知事は「科学的な根拠に基づいて、納得できる調査にすべきだ」とのコメントを発表した。県安全環境部の石塚博英部長は、新たに破砕帯「D-0」が議論の俎上に載ったことについて「突然出てきた上、範囲もD-1との関係性もよく分からない」と疑問を呈した。さらに、判断した根拠や現在議論中の新しい安全基準との関係性が不明確と指摘。「規制委は再稼働を判断しないとしている。そうなると、規制委の立場や今回の議論の結論がどういう位置付けになるのかも分からない」と国に振り回される現状に憤りを示した。

規制委員会の田中俊一委員長は「今のままでは再稼働の安全審査はできない」と述べ、敦賀原発の2号機は、運転再開できずに、今後廃炉になる可能性が出てきた。藤村官房長官は記者団に対し、「原子力規制委員会の田中俊一委員長は、個人的な印象という言い方で話をしたと思う。今後、有識者会合が報告書を取りまとめて、規制委員会で最終的に検討するという手順だと思うので、途中の段階で予断を持ってコメントすることは差し控え、今後の状況をよく注視していきたい」敦賀市、福井県、政府、そして規制委員会の見解を並べて見ると、原子力発電に対する、安全神話信仰の復活が見える。誰だってめったなことで地震など起こらないと思っている。だから、日々不安におびえず暮らしている。しかし、すべての安全神話を裏切る形で、巨大地震が東日本を襲い、福島第一原子力発電所が崩壊した。その事故の収束もままならない。この時点で、事業者による安全神話の復活である。本来事業者こそ、東電の二の舞になるのだから、リスク管理が必要である。

今まで地震で崩壊しなかったことを幸運だと考えるのが普通の感覚である。日本において、原発を作れるような安定した個所は極めて少ないということである。大陸のふちで地球の大きな褶曲がぶつかり合う個所である。火山帯の上に日本列島が存在する。しかも、大量の水を必要とする原子力発電では、海岸に作ることになる。地震による津波の襲来も怖ろしいものである。しかも人口過疎地域にしかつくれない。日本には適地は極めて少ない。大飯原発も、浜岡原発も、極めて危険な地盤に存在する。科学的な判断を待つまで、本来なら再稼働などしてはならない施設である。再稼働の理由は安い電力という事に尽きる。それは、安全対策をないがしろにしてきたことに他ならない。地球や地震に対する科学は、確かに未解明部分が多い。しかし、不安がある以上、絶対的安全が確認できない以上行わないというのは原則である。

昨日の自給作業:竹伐り3時間 累計時間:6時間

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