生ごみ堆肥の作り方
毎日10キロの生ごみが、一校の学校給食で出るそうだ。矢作小学校の給食調理残渣を田村さんは堆肥にされていた。矢作の畑の狭い場所で、剪定枝と混ぜながらすべてを消滅させていた。田村さんは亡くなられた。雨が降ると裸になって堆肥を切り返していた姿が、時々思い出される。小田原の偉人である。田村さんには到底及ばないが、私なりに生ごみの堆肥化を小学校でやれるようなものに出来ないか。研究をしている。子供たちが、校庭の隅で堆肥を作る。こういうことが実現できればと考えている。臭いとか虫が湧くとか色々起こるだろう。そういうことこそ本来の教育のはずだ。2月から3月1カ月だけ取り上げるということが、最初の段階では取り組みやすい。どこかの学校の先生で、興味を持つ人はいないだろうか。小田原でいるなら全面的に協力させてもらうつもりだ。実際の現場を見た方がいいので、見に来てくれればありがたいのだが。
1、堆肥は地面で作った方が、水分管理が楽で作りやすい。1メートル角で高さ30センチ程度の堆肥置き場を作る。学校でやるならプラステックの舟を下に置くが良いだろう。あたりに散らばらないので良い。プラステックの場合、底が湿気で腐敗しやすいので注意が必要。
2、この上に、オガクズを30キロ剪定チップを30キロ入れる。どちらかだけ奈良60キロでいい。米ぬかを10キロ加える。良い発酵をした堆肥を5キロ、種菌として加える。水を加え良く撹拌する。60%に調整する。子供がかき回すとすれば扱えるシャベルは小さいものか。
3、中央を高く盛り上げて、頂上に温度計を差し込む。つい温度計を忘れて割ってしまうので、赤い布で印をつけて置く。緑のキャップの目立つ、容器入りのものが便利である。必ず毎日温度を計り記録する。全体に麻袋のようなものをかけて、3日ほど置く。多分冬ならばまだ5℃程度であろう。
4、1回目の生ごみを入れてよく撹拌する。生ごみを入れる都度、1キロの米ぬかを加える。10℃くらいまで上がってくる。温度は堆肥の中の微生物の重要な情報である。21℃から24℃では糸状菌(かび)の活動が促進される。放射菌は中温性から高熱菌である。60度で活動しセルロースを分解する。60℃を越えた発酵が続くと、病原性の菌などが死滅する。
5、毎日1回生ごみを10キロと米ぬか1キロ程度入れながら、撹拌する。徐々に温度が上がり、1週間もすると、60℃にまで上がる。60℃まで上がったらその温度を維持するように、良く撹拌する。酸素を加えることで、腐敗菌の発生を抑え、臭いも低減できる。みかんが混ざると匂いが抑制される。
6、水分は徐々に増えて来るが、温度が上がっていれば、増えすぎることはない。水分が多く成りそうであれば、雨の日には全体をビニールシートに覆う。又、晴れた日には生ごみ自体を日光にさらして乾かすのも良い。虫や猫などが来るので注意。
7、冬の間は虫が出ないので覆いのないやり方でいいが、猫やネズミが来る可能性もあるので、全体を、カバーして行う必要がある。虫が来ないように出来れば夏でも可能である。
8、1カ月入れればごみの投入は300キロとなる。これを完熟させれば堆肥に使える状態になる。さらに、このまま3カ月継続すると1トンになる。この程度まで可能である。この後かき回しながら、1カ月以上は熟成期間を取る。
以下実際の経過記録である。
2月15日 段ボールコンポスト基材を袋と剪定チップ2袋を山積みにする。小雨 6℃
16日 麻袋を6枚かける。 6℃
21日① 生ごみ45キロをくわえて撹拌する。みかんばかり 6℃
22日 臭いはほとんどない。 10℃
23日 豪雨の中、麻布だけ。 20℃
24日② 20キロ生ごみを混ぜ撹拌する。 30℃
26日 臭いは特に強くはない。雨にぬれたまま。中までは濡れない。 30℃
27日③ 35キロ投入、撹拌する。大した臭いはない。 40℃
29日 臭いはしない。雪が10センチ積もるが、上はすぐ溶ける。 53℃
3月2日④ 35キロ投入、撹拌する。10分程度の作業。みかん主流 43℃
3日 雨が降るが全体は、さして濡れない。 62℃
4日 掛けた麻袋を取ると、少し臭いがする。そのままなら臭わない。 62℃
6日⑤ 全体にごみが増えてきてる。最初に入れたものは、消滅を始めた。35キロ 50℃
7日 水分は調子が良いようだ。発酵が進んでいる感じがしてきた。 60℃
8日 小雨が続く 55℃
9日⑥ 雨が降り続く。全体でごみが増えた感じ。かき回すのに15分。35キロ 50℃
11日 やっと雨が上がる。シートをはがす。 50℃
12日 撹拌する。 60℃
14日 撹拌する。落ち葉で覆う。 62℃
16日⑦ 35キロ投入。落ち葉ごと撹拌する。 63℃
17日18日 小雨。シートでカバーしたまま。 60℃
19日 さらに落ち葉を加えて撹拌する。 60℃
20日⑧ 30キロ投入撹拌する。 62℃
21日 落ち葉を加える。 60℃
22日 総投入量10キロ×30日=300キロ 58℃
23日⑨ 35キロ最後の生ごみ回収。終日雨強いため撹拌せず。 60℃
24日 一日遅れて撹拌する。ソバカスを混ぜる 58℃
25日 撹拌する。雨が降りそうなので、麻袋を掛ける。 60℃
26日 撹拌する。まだ生ごみがたくさんある状態。 60℃
撹拌を続けながら、堆肥を熟成させてゆく。
28日 撹拌を続ける。 55℃
29日 撹拌をする。 65℃ 最高温度
4月1日 麻袋をかけた状態。すこし乾いてくる。 66℃
完成予定4月22日。
畑に入れて、枝豆を定植。5月1日予定。
総重量の測定。
できればC/N比を測定したい。