放射能の玄米への移行の想定
稲への移行は土壌からではないと考えている。チェルノブイリのような、水とは縁の薄い作物や農法と、全く別の移行の状態を考えるべきであった。それは、土壌が50ベクレル以下の足柄平野の土壌であっても、福島の何万ベクレルの土壌であっても玄米への移行は、大した違いは無いという結果につながった。昨年の測定結果が出てきている。流入する水からの影響の方が、大きいと思われる結果である。この水の汚染レベルは、極めて低く、土壌への影響も出ないほどの低レベルの、多分0,1ベクレル以下の、検出限界以下のものであろうと思われる。水に溶け込むような(この状態については知識がない画、セシュームは水にも溶けるはずである。)小さな粒子のセシュウムが、直接稲の水根に吸収されてしまう恐れが考えられる。イネには下根と上根がある。栽培の方法にもよるのであろうが、わたしの田んぼでは表土を広がって這ってゆく、上根は水根と呼んでも良いものではないかと考えている。水生植物の根のように、水に溶けている養分を集めて植物体に送る。
水の力でお米は出来ると言う事実に観察すればするほど気付かされた。栽培法が上根を広げる結果になっていた。つまり、水耕栽培に近いと考えられる。雑草を抑制するために、自然とそうした栽培法にたどり着いた。今回の放射能はそのことが裏目に出た。足柄平野では、検出限界以下が普通の状態であるにもかかわらず、意外に高い値を出してしまった。本当に申し訳ないことをした。お米にとって良かれと考えて来たことが、崩壊して行く。心もずたずたである。参った。その衰えゆく過程で、気付いたことを記録しておく。トロトロ層を作り、雑草を抑制する。この仕組みがだんだんに見えてきたので、調子に乗って極端化するようになっていた。トロトロ層を作るために、田植え後にソバカスを散布をする。ほぼ1カ月間断なくソバカスを蒔いてきた。この事で田んぼの表土は発酵を始める。莫大な量の小さな生き物がステージを追って展開する。
稲は実を付ける後半になるに従い、耕盤を緩めるぐらいにトロトロ層が深くなる。この水を大量に含む土壌に根を広げて行く。その表土は微生物が大量に存在し、ミネラルも豊富で有ると考えてきた。いわば流入する水とまじりあうような、水耕栽培のような状態を作り出している。下根は植物体を支える役割。水を吸収しながら、微量な栄養分を集めている上根。田んぼは常に8センチ以上を目標に水を深く、入れ続ける。干し田もしない訳ではないが、稲が倒れない範囲を目標に、7月中には雨を見ながら控えめである。下手をするとずるずると稲が倒れ込む。稲は草取りで歩くと、深いぬかるみ状態の中に、びりびりと根を切るような状態で、表土の中に根を広げている。
以上を前提にもう一度、放射能の移行を防ぐための稲作法を整理してみる。しかし、放射能については、不明な点が多々あるので、あくまで個人的参考意見である。1、水を浄化しながら注入する。入水口に、ゼオライトなどを入れて、そこを通過させた水を田んぼに入れる。2、稲の栽培法として、深い根を中心に栽培する。深い耕転をする。後から糠やソバカスを蒔かない。表土には肥料分を減らす。3、入水口に溜池を作り、セシュウムを吸着しやすい水生植物を繁茂させる。多分、ホテイアオイは良いか。子ノ神田んぼで体験した結果。4、昨年の3月15日前後に山の広大な面積に放射能は降り注いだ。これが土壌100ベクレルである。そしてそれは、山に降り積もった腐葉土への吸着濃縮状態。今年の落ち葉のセシュームは50ベクレル。すでに間断なくにじみ出している。いつ流れだす放射能がピークになり、いつ流されてしまうのか。今年は去年以上に要注意ではない。5、土壌の腐植量、土壌のカリウム、カルシュームなどは、稲の場合はあまり考えても大きな影響は無いのではないか。