柏市ごみ焼却炉の停止
柏市では第2ごみ焼却炉を停止した。放射能の濃度が何万ベクレル単位で出続けているためである。8000ベクレルを越える焼却灰の置き場に困ってのことだ。第1焼却炉の方の灰が放射能レベルが低いため、そちらで市内すべてのごみを燃やす事にしたというのだ。何か不思議なやり方だと思い、調べてみた。柏市第2清掃工場は灰溶融まで備えた施設である。第1清掃工場の方が、灰の値が低く出る。低く出る理由は、何も煙に成って外に出ている、と言う訳でもないようだ。焼却温度が低いので灰の量が多くなる。薄まっていると言えばいいのだろうか。正確には量の問題である。総量でどれだけありどう処理するかが、問われなければならない。と言っても国の現状の対策は、放置である。痴呆である。呆然として手をこまねいているだけ。方法を考えてもいない。その内みんなも忘れてくれるだろうし、海に流れて行ってしまうだろう。泥と混ぜれば薄まるのでその辺に埋めれば大丈夫だ。位の程度と見なければならない。それでいて、世界一安全な原子炉を目指すとは、世界はあきれるばかりであろう。
柏市は立派なものである。焼却灰の放射能の計測を続けている。続けたためについに、焼却灰の置き場がなくなった。国に対しては近隣市長が連名で、「焼却灰の置き場をどうするか」早くから要望書を出している。小田原市では国に言われて渋々1回だけ測定した。それで終わりである。1回だけなら偶然性も高く、確かな結果とは言えない。測定は継続しなければ意味がない。もう前回の測定から、2ヶ月以上経つ。やらない清掃工場は問題なく焼却灰が捨てられる。縮こまってやり過ごそうと言うのが小田原方式か。ごみは暮らしの総合評価である。焼却灰の放射能濃度を測定することで、地域の放射能汚染状況が一眼で分かる。地域の安心安全を言うなら、まず焼却灰の測定である。今さら空間線量を測定しても無駄である。汚泥処理場の汚泥焼却では、四之宮が7トン/日、柳島12トン/日、酒匂1.8トン/日、扇町0.6トン/日の加湿灰が出る。この加湿灰の最新のセシウムの測定結果は、四之宮で1571Bq/kg、柳島で660Bq/kg、酒匂で692Bq/kg、扇町522Bq/kg。(河野太郎氏ごまめの歯ぎしりより)
食品の放射線量見直しがされるらしい。暫定基準でついに半年も来てしまった。この間、市民の中にはより厳しくという思いが進んで、4ベクレル以下というような、安全基準も言われるようになった。この半年間の政府の欺瞞がこうした状況を招いた。何の決断も出来ない。方針も示せない痴呆政府である。自己判断する以外ないというのがこの国の常である。自己判断となれば、4ベクレルまで行く。20や10ベクレル以下が不検出は論理的におかしいというのが、多くの人の気持ちである。もっともだとは思うが、もう放射能とかかわりながら生きるしかない日本国である。許し難いし、東電の責任は問い続けなければならないが、どうにもならないことなら、うまくかわす以外ない。幸いなことに日本の土壌はセシュウムをつかんで離さないようだ。土壌には存在していても、植物は根から吸収しにくい場所が多い。日本の土壌にはカリウムが土壌に沢山あるが、作物に吸収されにくい形だと、土壌学で言われていたことを思い出す。
原発から近距離の福島の農作物ですら、不検出が大半である。国は一般的な年間の放射性物質の摂取量の予測を出すべきだ。生涯の100ミリシーベルト基準を出したのだ。100歳が多くの人の希望。年間なら、1ミリ以下ということになる。と言っても子供は大人の半分と見れば、0,5ミリシーベルト。ある程度放射能レベルを把握している小田原では大した量食べることにはならないと見ている。もちろんない訳ではないが、60年代前後に比べれば、むしろ低いか同レベルと推測している。あの頃は大気圏で核実験をしていたのだから、プルトニュームすら降り注いでいた。福島原発事故の場合は周辺の汚染が深刻である。爆発自体が小さく、海洋汚染が半分以上である。と言っても300キロの小田原周辺ですら、相当の汚染が起きている。放射能に汚染された廃棄物をどう処理するかは、加害者の東電は現在、発言がない。