土中緑化とは
2016/04/05
大豆の土中緑化に取り組んでいる。秋に成らなければその成果はわからないがとても興味深いやり方なので、少し調べてみた。種の土中緑化と言う技術は、栃木宇都宮の小島重定氏が考えた手法らしい。トマト、キュウリの名人と言われた方の種まきに関する考え方のようだ。たぶんその昔からある技術からヒントを得た江戸時代的な考え方に思える。本来種と言うものは、土中深くに潜る可能性は低い。地表に落ち、そこで運良く発芽する。鳥などに食べられて、地表に糞とともに落ちることもあるだろう。人間が種を蒔くということは、あえて土の中に深めに埋め込むことに成る。その理由は土壌をかぶせる厚みによる、温度、湿度の安定管理と言うことがある。一般に種の3倍の厚さに被せると言われる。小島氏の考え方として、種の厚さに土をかぶせるのが一番だという。だから少し土が盛り上がったところで、表土をはずしてしまう方が理にかなっているというのだ。モヤシ状態の種に日光を当て、硬く育てようということのようだ。指で土を撥ね退けたら、そこに粗い堆肥をかけて、薄い日光が当たるように育てる。
その小島名人のやり方を利用して、技術化した方法が土中緑化法である。苗箱などに播種し、パオパオで覆う。その上から、4~5センチ厚く土をかぶせて水を十分に与える。2日程して、あるいは3,4日して発芽を確認した所で、パオパオごと土の覆いを外して、1日日光に当てる。充分緑色に成ったところで、通常の厚さにまた土をかける。現段階でもわかることは苗の出来上がる率がとても良くなるということである。又発芽したものだけ苗として生かせるので、歩留まりも良くなる。小島名人に篤農家4人の苗を見ていただいたことがあるそうだ。違いはあるがそれぞれによいと言われたそうだ。その通りで、それ以外に農業には無い。要するに結果である。どれだけ良いものが作れるかは、農家ごとの気候や畑の条件による。又作柄の目標によってもまるで違う。その意味で自給農業には自給農業の苗作りというものがある。細く長く作れるとか、草に強いとか、農家とが違う目標がある。
大豆に関して言えば、10株で3キロできれば味噌の確保に成る。これなら、プランターでも可能な自給の味噌作りとなる。新しい展開である。となると、土中緑化に加えて断根の意味。摘心の意味も確認しておきたい。断根はトマトの苗の技術にもある。これは根量を増やすためにやるようだ。根量が増えるので、2本仕立てにしても疲れないに苗に成る。岩澤信夫氏の言われる、断根で大豆に肥料を与えられるように出来るという辺りは、どういう意味に成るのか。大豆本来が持つ、つる植物の性格を、断根によって取り除くということらしいが、はたしてそれは本当のことか。窒素が利いて葉ばかりで、実が付かないということが起きなくなると言う。このあたりは今後の研究課題である。トマトは根を切っても蔓性の性質は無くならない。
摘心は株を二つに分けるためだろう。それを一番早く、苗の時期に行う意味。大豆の大きな子葉の存在では。本葉が八の字に成るあたりで、摘み取ることが重要。早すぎると枯れてしまう。これは7枚目のあたりで芽を摘む技術と同じ意味だろう。大豆の技術では、摘心を2度ほど行うことで枝を多くして、収量を上げる技術と言うのはある。土中緑化、断根、摘心そして肝心なことは、肥料と言うこと。この肥料と言う考えは馴染みにくい。土を良くして行きことで対応できるのか。今年は、花の時期に養鶏場の床を撒いて対応してみたい。窒素分で反5キロの追肥と言うことらしい。初期段階での生育状態を見ながら、追肥の量を決めて行くことにする。
昨日の自給作業:田の草取り1時間 果樹園の草刈り1時間 累計時間:33時間