足柄平野の放射線量の測定
足柄平野の放射線量の測定は、行政の測定値と同じであった。小田原の合同庁舎で行っている。今日でいえば、0,05マイクロシーベルト。足柄上の合同庁舎で、0,03マイクロシーベルト。測定するようになってからほぼこの値であるが、この値は私たちの測定と大きくは違わない。この値は、ガンマー線測定器の値である。測定機の機種も、私たちが測定したものとほぼ同じ。型式の違いぐらいのようだ。測定機器には、様々な測定法があり、違う数値が出るタイプのものもある。放射線にはα、β、γとある。そのうちこのタイプはγを測定している。この辺が難しい。全線量測定をすると、また違う値が出て来る。一般的に3倍くらいの値が出る。この意味が良く分からない。なぜ、ガンマー線だけで行政は良しとしているのか。多分だが、取り込まない限り、つまり内部被ばくしない限り。ガンマー線以外は人体に影響が無いからということのようだ。
判断は自ら行うしかないのだが、原発爆発前の放射線量を調べて、それと比べてみている。そして、小田原で耕作して行くしかないし、大丈夫だという結論に至った。今回の測定値は、福島原発事故以前の数値に、ほぼ戻っていることを示している。しかし、放射能の作物への移行計数は重要なことだ。土壌に降り積もリ浸透したものはまた別である。今回、3千数百ベクレルある荒茶の山がある。そこに測定器を近づけても、測定値は0,1程度にしかならない。土壌が100ベクレルぐらいであるとは、根府川の測定値である。これでは空間線量にはさして影響しないだろう。土壌は以前とは違う数値である。空間線量と土壌放射能含有は異なる。チェルノブイリの時にも、世界中の核実験の時にも、日本は汚染された。レベルを考えなければ世界中どこでも放射能については、逃れることのできないものとしてやってきた。年間1ミリシーベルトが許容範囲という、表現は、自然放射能に加えてという意味らしい。事故以前の自然放射能が、自然と言っても人間の仕業が大半であるが、1ミリから10ミリくらいの幅がすでにあるのだから、それに加えて、リミットをどこに考えるかの問題だろう。
現在の小田原の空間放射線量は、原発事故以前の川崎のレベルである。あるいは関西の数値である。誰も川崎は、関西は放射能が危ないから住まない方が良いなどとは、言わなかった。すくなくとも、川崎は小田原の2,3倍はあったのだ。繰り返すが、だから小田原は安全と決めつけていい、などとは言わない。それをどう考えるかだ。少なくとも土壌の中には、以前無かった放射能が増えたのだ。子供が泥遊びが出来ないなどというのは、良くないことだ。どの程度まで大丈夫かの、確信が欲しい。ダイオキシンやその他の焼却場から出ている可能性のある、様々有害物質においても、知らないがために気にも留めていない物質も多々ある。専門家の中には、その危険性を強く指摘している人たちもいる。だから溶融炉を作らせてはいけないと考えている。現代社会はリスクというものが見えない形で広がっている。
多くの人が、不安を抱えている。理由は2つある。政府が信頼できない事が、最大の原因。すでに犯罪的レベルである。もう一つは、悪質ともいえる不安を煽る情報が、インターネットで飛び交っている。不安な人間の心理として、最悪の場合を積み重ねて行きがちである。お茶畑の土壌の調査結果は、近く出て来る。どのくらいの土壌の汚染で、どのくらい作物に出るのかが問題なのだ。場合によっては昨年のお茶の状態も調べなければならない。これから、原発汚染をかわしながら暮らすしかない。幸いと言っていいのか、うまく付き合えば、小田原なら何とかなる範囲のようだ。子供の頃すぐ草笛を吹いたものだ。ピーピー鳴らして土手を歩いた。あれは今は駄目だ。除草剤の危険が明らかにある。うちの犬は草をすぐ食べてしまうので、それで死んだと思われる。子供の暮らしのリスクは、増加している。