北朝鮮に革命は起きるのか

   

独裁政権が次々に崩壊が始まっている。リビア、イラン、北朝鮮と独裁的強権政治が続いてきた国がどうなるのか。良い方向に向かっているのか、悪い方向なのかもわからない。が、ついに来るものが来たような感じもする。一度火がついた民衆の動きは、止まることはない。リビア、バーレーン、イエメン、モロッコ、アルジェリア、そしてイランで反政府運動が展開された。北朝鮮の動向が気がかりである。カダフィー独裁者が、民衆蜂起に対し暴力で対抗している。中東で連鎖的に起きていることが、思想的な革命というものではなく、いらだちや、怨嗟や、絶望感が噴出したように見える。建前のない革命。世界経済の落ち込みが、産油国にも及んでいるということなのか。エジプトの経済状態が、急激に変わったとも思えない。きっかけがあれば、いつでも噴出する不満が渦巻いていたのだろう。今後、世界経済はさらに格差が広がる。資本主義経済の宿命であろう。特に食糧については、価格も上がるだろうし、不足する。食べるものが無ければ、暴動が起きる。どれほどの強権政治であっても、飢え死にをそのまま待つ民衆はいない。

もう少し、中東を考えると人口増加に伴う、失業と食糧不足。チュニジア、エジプト、リビア、アフリカのイスラム国の深刻な経済格差が背景にある。リビアはアフリカの産油国。オイルマネーが国民全体に回らない状況がある。それは中東全体に共通に言えることで、格差の拡大が起きている。中東で起きていることは、民主化革命というようなものではない。格差社会の暴動である。アメリカでも起きたことがあった。その意味ではバーレーンやサウジアラビアで起きていることと、イランで起きていることは性格が異なる。イスラム原理主義の問題が、どう影響しているのか。宗派対立や民族問題がどう影響しているか。正直良く分からない。中東のことも心配であるが、我々にとってはより深刻なことは北朝鮮である。経済の困窮、3代にわたる世襲という近代史では、不可思議な政治状況。経済格差もあるだろう。ますます、鎧に身を固めたような、硬直した姿勢。危険度は増している。

格差で問題があるとすれば、中国が一番であろう。情報もかなり入っている中国でどのようなことが起きるのか。経済成長が続く間は不満の吸収はされる。その点北朝鮮の経済状態の方がかなり問題があるようだ。成長どころか、停滞しているのだろう。すべてに閉じているはずの、情報が口蹄疫の問題や、洪水による農作物被害、そしてこの冬の寒さ。マイナス情報を政府が流している。そして、食糧援助をあの北朝鮮が求めている。かつて2300万人いた人口が、2000万人を下回っていることは確かなようだ。と言っても本当に食糧不足があるのかどうかは、定かではない。私の自給経験では、食糧の為だけに働くのであれば、あの国土で2000万人が自給することは大した問題ではない。兵士も自給しているというから大丈夫であろう。問題はバランスが悪い。

北朝鮮で暴動が起こるのか。起こる可能性は高まっているのだろうが、今のところその兆候はないとみている。何故起こらないのか。韓国の時々起る過激な、政治行動からすると、北朝鮮の人たちが抑制的な性格とも思えない。暴動のニュースもちらほら出ているが、意図的に流されているようで、本当に起きていることでもないようだ。北朝鮮のこの後の出方は注目しておかなくてはならない。多分どんなことにも因縁を付けて来るだろうから、挑発に乗らないことだ。北朝鮮では住民同士が連絡を取り合うということが出来ないだろう。一揆のようなものはあるだろうが、それが連鎖として広がることはない。不満があれば、地域の政府関係者を殺害するというような事件は起こる。そこで、暴動が起きているというニュースが海外で流され、それが北朝鮮国内に情報として伝わる、ようにしているのではないか。

 - Peace Cafe