米、味噌、醤油
「米・味噌・醤油」自給の三点セットである。これは以前も書いたことだが、1家族に1反の田んぼがあると、すべてが賄える。田んぼを作り、その周囲の畔で大豆を作る。大豆は味噌醤油合わせて、10キロ取れれば大丈夫だろう。そして冬には麦を作り、麦はうどんやそのまご飯と併せて炊く。これで食糧の確保できたのだ。屋敷周りに庭があれば、30坪程度の庭の畑でも充分野菜は確保できるし、周囲の生け垣にお茶やかんきつ類。北西側には椿が植えられて、油をとる。一日1時間の労働時間で食糧の確保は出来た。しかし、醤油を作れば、回ってくるお醤油屋さんが居ないと困る。麦やそばを作れば、粉屋さんが居ないと困る。油屋さんが居なけば、椿も、菜種も油にはならない。お茶だって摘んでから、お茶に成るまでをどうするかが課題なのだ。お米を作るには、たびたび書いてきたことだが、水の確保のために、山の管理が居る。水路の管理が居る。地域全体の連携が必要になる。
自給というものが一人の暮らしの仙人のように姿になると考えると、それはだいぶ違う。一人では自給生活の困難さが増すばかりである。そうしたひとりの自給を目指したことがあった。面白いことではあったが、数倍の労力を必要とする。本来であれば、地域で循環できる環境が整うことがより望ましい。しかし、地域の状況はいよいよ暮らしは失われてゆく。味噌屋さんも、油屋さんも、醤油屋さんも、粉屋さんも、里地里山そのものが無くなった。今後出来る可能性もしばらくはないだろう。新しい仕組みを作り、この困難さを補う必要がある。それが、「テーマ・コミュニティー」の結成ということになる。農の会は、特にそうしたことを目的にした訳ではないが、より合理的にということで、進めてきた結果、今の姿になった。先日盛大に開かれた味噌作りの会も、そのひとつである。そして3点セットのもう一つ。醤油の会である。
醤油の会は、今度の日曜日に開催される。今年は会としては、3回目の開催に成り今後続けてゆく形の、合理的な仕組みを提案したいと考えている。昨年の醤油の会は小麦と大豆を併せた後の発酵は、笹村一人で行ってみた。これが大変だった。量が増えるということは、温度管理が数倍大変になるということが分かった。そこで、煮た大豆と炒って砕いた小麦を持って帰ってもらい、各自で発酵をしてもらう。発酵が終わったところで、塩水と混合して熟成をさせる。いか各自がやってもらうことを書いておく。
醤油づくりの手順
1、 大豆を煮る。(笹村が出来る限り早く火を入れます。)一人1,5キロ
2、 小麦を炒って砕く。――9時に集まり、作業を開始する。一人1,5キロ
3、 12時ごろに大豆が煮あがる。(味噌大豆より柔らかく。)
4、 煮た大豆と砕いた小麦を持って帰る。(ビニール袋が必要。)
5、 帰ったら、小麦の5分の1に麹菌を良く混ぜる。さらに全体の小麦に混ぜる。 2月27日14時ごろ
6、 大豆が中まで40度より下がったところで、麹菌の混ざった小麦と合わせる。(醤油麹)
7、 混ぜた醤油麹を米袋に入れて、毛布でくるむ。この後32度を維持する。
(最初は加温をする。場合によってはいらない。その後は自発熱で、直ぐ温度が上がりすぎるので要注意。)
8、 6時間したら、米袋から出して広げる。乾燥しないように段ボール箱で覆う。麹は30度 27日20時
9、 18時間経過:一番手入れ。良くほぐして、出来るだけ薄く広げる。麹は28度 28日8時
10、29時間経過:二番手入れ。さらに薄くする。ともかく温度を上げないように頑張る。 28日19時(厚さは2,3センチ、温度を40℃以上に絶対にしないことに専念。)
11、 45時間後:出麹、醤油麹の完成です。 29日11時
12、 仕込みをする容器に2重のポリ袋を入れる。そこ麹を入れる。
13、 冷たい塩水を加え良くかき回す。袋をゴム輪で空気が残らないようにと閉じる。
14、 3週間冷暗所保管。1回目の櫂入れ。良くかき回し。また閉じる。
15、 3ヶ月置きに櫂入れを繰り返す。9か月で一応の出来上がり。2年置くといい。