なぜTPPが出てきたか。
管政権は内閣改造を行った。しかし相変わらずの人気低迷である。人気で動くのが今の政治のようだから、不人気だけが今や頼りである。TPP協定に対する方向が決まる、6月までに管政権が消えていることが唯一の希望である。民主党政権が樹立され、鳩山政権は米軍基地の海外移設を主張した。志は高く結構なことだと考えていたが、まるで政策実現の見通しもなければ、方法論すら持っていなかった。愚かな政治家の中には、発言したこと自体が立派だ。等と能天気なことを言う人もいたが、一国の首相たるもの、成算のないことを発言してはならない。鳩山氏のように、自分の身の処し方すら揺らいでしまうような人物が総理大臣に成った不幸は計り知れない。韓国から米軍の引き上げが宣言され、韓米関係が冷え切った。自殺した盧 武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の勧めた太陽政策の結果である。日本はこの経過を良く良く研究する必要がある。李明博大統領に変わり、FTPをアメリカと結び、関係の改善が進んでいる。
当初から、米海兵隊は韓国に移るのだろうと考えて、ここにもそんな想像を書いた。しかし、そうはならないうちに、こんどはTPPである。アメリカの書いた最悪のシナリオである。管氏と前原氏はアメリカの傀儡政権を目指している。鳩山氏の目算のない外交政策の反動であろう。アメリカが引き気味になると、とたんに尖閣列島、北方領土である。日本がいかにアメリカの傘の下に隠れているかが良く分かる。日本が取るべき道をどこに置くか、良く良く考える時だ。管政権がTPPを突如持ち出したのは、アメリカに降伏したという恭順の姿勢を見せているのだ。アメリカはリーマンショック以降の不景気から脱出できないでいる。オバマがグリンニユーディールなど主張したが、相変わらず経済の低迷が続く。これを抜け出すには、日本に農産物でも輸出するしかない状況だ。
昨日、送られてきた菅野さんのメールにも中野剛志氏京都大学準教授のテレビの案内があった。とても分かりやすく、TPPの本質が語られているので、是非見てもらいたい。いよいよ日本が滅びるという危機が迫っている。このままでは現民主党政権は亡国の政権になる。管氏の念頭にあるのは、自分個人が生き残るということだけである。小沢氏を生贄にし、日本を売り渡し、総理の地位にしがみついているだけである。自由貿易、関税撤廃、美しい建前に騙されてはならない。経済至上主義、拝金主義そのものの姿である。日本が守らなくてはならないもの、譲ってはならないものは、独立国家としての国の骨格である。そして、日本がアジアの1国であるという現実の認識である。数千年かけて培った日本文化の、かろうじて残っている稲作文化を火を消そうとしている。
TPPなどなくても日本の農業は滅びるという意見がある。私もその通りだと思っている。国際競争力のある農業などと言って居たら日本農業は終わる。わずかに生き残る農業は、プランテーション農業の一変種で、文化として残るだけの価値もない。弱い国を押しつぶすだけの、農業である。本来の農業が素晴らしいのは、共に栄えるものだからだ。技術を独占したり、種苗を独占したり、農地を独占したり、競争原理を超えて存在しうる産業だからだ。この点を外した農協を中心とした反対運動は、同じ土俵でのあがきになる。資本主義経済のあしき競争原理を超えた、一人一人の暮らしも心も豊かになる産業としての農業。この地点に立たない限り、結局は農業は滅びてゆく。米を作り食べる。そして死んでゆく。そのことを踏まえることが、どれほど大切であるか。
昨日の自給作業:竹林の整理1時間 累計時間:10時間