生ごみたい肥の使い方

   

「生きごみ堆肥の使い方」
段ボールコンポストは2カ月から3カ月、生ごみ50キロから100キロ程度入れると、基材交換の時期が来ます。4分の3は取り出して、堆肥として利用できます。4分の1は新しい基材と混合します。
1、 取り出した堆肥はすぐにも使えないことはないですが、1か月ほど熟成期間を置くと、より安定した堆肥になります。
2、 取り出した堆肥は乾燥させると、肥料成分が結晶化して効果が出にくくなります。乾かないようにビニール袋に入れて日陰においてください。10日に一回ほど、混ぜてやってください。
3、 畑に入れる場合は、種や苗が直接堆肥に触れないように、深めに土とよくなじませてください。植木鉢やプランターでも同じです。
4、 生ごみ堆肥の使用量は、土と半々程度まで可能ですが、4分の1程度が病害虫のことなど勘案すると安全です。
5、 今年度中に正確な分析を行い、肥料成分の分析や安全性の確認を行う予定です。

先日、基材交換に見えた方たちにお配りした文章です。もう少し内容があるように、説明を書いて置きたいと思う。段ボールコンポストは、普通に管理すると、100キロぐらいの生ごみを入れた段階で、生ごみの分解力が落ちてきます。これは、ミネラル分の蓄積がおこり、微生物の活動が弱ってきた徴候であると考えられる。その他にも原因は考えられる。たとえば、基材の中で空間の目ずまりが起きる。木くずの中にある小さな空洞が、微生物の住処であったのだが、これが徐々に詰まってきて、微生物が暮らしにくくなる。多分複合的理由が重なり、段ボールコンポストは、熱を出さなくなる。これが基材交換の時期である。状態の説明をしたいのだが、これは難しい。「だまが出来てくる。」「べとついてくる。」「光ってくる。粘ってくる。」「重くなってくる。」そうして熱が出にくくなってくる。

交換は全部を取り換えるのもいいが、10%を出して、新しい基材を出した分10%だけ入れるというのでもいい。正確に書けば、生ゴミでだんだん増えているので、30%だして、20%新しい基材を入れる。それで十分に活動を再開してくれる。つまり、2か月ぐらい生ごみを入れたら、後は必要な時に必要な分をたい肥として、取り出して使うのでも構わない。しかし、昨日入れた生ごみも混ざっているのだから、しばらく熟成する必要がある。取り出して、寝かせる感じである。1週間から10日ぐらいの感覚で撹拌してやれば、より確実である。だんだん熱も冷めてくる。1カ月寝かせれば、充分である。熟成で寝かせておくときには、乾かさないほうがいい。たい肥は乾燥しすぎると、肥料成分が結晶化して植物が利用しにくい状態になるらしい。多分菌根菌のような微生物が、乾燥状態では居なくなるのだろう。日陰でビニール袋に入れておくのがいい。農家でいえば、地面でむしろをかけておくということになる。

出来たたい肥の使い方では、まずたい肥は根に直接触れないほうがいい。種の場合顕著なのだが、発芽には強い肥料成分は邪魔になる作物が多い。無肥料状態が発芽にはいい。たい肥は土と混合して、イメージとしては、深い方が濃度を濃くする。そしてよく土となじます。なじますとはたい肥と土地との境目は段階的濃度にする。根が突然違う環境に入り込むと、障害の原因になる。苗を植え付ける場合も同じことで、土に特別たい肥の塊があると環境的に問題がある。土に対してたい肥は半分以下にする。良く熟成したたい肥であれば多く使えるが、熟成が悪いたい肥の場合は、量を減らし、土の分量を増やす。また、土と混合してすぐ使うのも避けた方がいい。最低でも2,3日置くだけで違う。この場合も混ぜた土が乾かないように何かをかぶせておくこと。丁寧にやるなら、混ぜて軽く水をかけて、1週間置く。

この生ごみたい肥の肥料成分はどうかと言えば、鶏糞と牛フンたい肥の間のようなものだ。それだけを使って野菜が良くできる。不思議なほど、肥料成分が濃縮されている感じだ。全窒素で2から3%ぐらいのものと考えておけばいい。1トン入れて、窒素換算で30キロ。使った感じでは、うちの養鶏場の床と同じくらいの効果を感じる。発酵肥料は化学肥料とは違うので、化学肥料の場合の、反あたり窒素10キロというような数字を、そのままは流用はできない。私がもし、田んぼに入れるとしたら、せいぜい反当たり200キロぐらいだろう。つまり、6キロぐらいの窒素。こうした使い方は、農法によって、農地の状態、農家の考え方で全く違うので、あくまで基準値である。

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